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- 7回挑戦した不動裕理でさえ未達成! 岩井千怜が挑む3連勝はどれぐらい難しい?
岩井千怜がCAT Ladiesで初優勝からの2週連続優勝を達成した。そこで、これまでの女子ツアー連勝記録から、3連勝する可能性を調べてみました。
これまでの最長は樋口久子の6連勝
20歳の岩井千怜がCAT Ladiesで初優勝からの2週連続Vを達成した。今週のニトリレディスで3連勝に挑むわけだが、その成功率はいかほどか。過去のデータからはじき出してみよう。
1967年に始まった女子プロのトーナメントにおいて2連勝はどれくらいあるか。ただし、ひと口に2連勝といってもゴルフの場合は「2週連続」と「出場2試合連続」という2つのケースがある。
ゴルフのツアーは1週間に1大会のペースで行われている。「2週連続」とは今回の岩井のように日程が連続した週で組まれたトーナメントに続けて勝ったケースである。
ただ、日程の都合上、トーナメントがない週があるケースもある。あるいは、優勝した選手が翌週のトーナメントを欠場し、その次のトーナメントで勝つケースもある。こういう場合は「出場2試合連続優勝」というような表現になるわけだ。ここでは、これらすべてをひっくるめて「連勝」として扱う。
たとえばタイガー・ウッズは全盛期に6連勝や7連勝という大型連勝をして話題になっていたが、毎週トーナメントに出ていたわけではなく、いくつか欠場をはさんでのものだったし、シーズンをまたいだ記録でもあった。それでも連勝の米ツアー公式記録としてしっかりと残っている。つまり、欠場を挟もうが、シーズンをまたごうが、出たトーナメントで続けて勝てば「連勝」と扱うのが世界基準なのだ。
本題に戻るが国内女子において2連勝以上が記録されたのは海外招待選手を除いて岩井以前に104例あった。うち、3連勝以上は12例ある。確率にすると、11.5%だ。2連勝した選手のうち、約10人に1人は次のトーナメントでも勝っているというわけだ。
最長の連勝は樋口久子が1968年から70年にかけてつくった6連勝である。樋口は5連勝も1回、4連勝と3連勝はそれぞれ2回記録している。3連勝以上12例のうち実に半分の6例が樋口なのである。
樋口の強さは世界のメジャー(1977年全米女子プロ)を制したことでも分かるが、初期の国内女子は選手の人数自体が少なかったという背景もある。現在と同じ物差しでは測りにくい面があるのは確かだ。そこで、スポーツ新聞などのメディアでもよく使われているが、ツアー制度が施行された1988年以降という区切りで連勝のデータを再検証してみたい。
1988年以降の3連勝はたったの4例
1988年以降の2連勝以上(海外招待選手除く)は岩井以前で65例あった。うち3連勝(1988年以降で4連勝以上はなし)はたったの4例。確率は6.2%である。これが実質的な3連勝成功確率といえるだろう。
1988年以降での初めての3連勝は1997年に福嶋晃子が記録した。日本女子プロ、雪印レディース東海クラシックで2週連続優勝を果たした福嶋は、続くミヤギテレビ杯女子オープンはお休み。そして翌週の廣済堂レディスで初日から首位を守って3連勝を達成。当時はメディアで大きく取り上げられた。
2番目は特殊な例になるが2005年から06年にかけて宮里藍が記録している。2005年11月の大王製紙エリエールレディスに勝った宮里は国内のシーズンをそこで終え、米女子ツアー出場権をかけた予選会のため渡米。見事に「合格」して翌2006年は米国でプレーし、日本でのシーズン初戦は9月の日本女子プロだった。宮里はこの日本女子プロと中1週おいてミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで優勝して3連勝を飾ったのである。
3例目の2007年の全美貞と4例目の2019年の鈴木愛はともに3週連続優勝。多くのメディアは福嶋と宮里の記録にはノータッチで「岩井は史上3人目の3週連続優勝に挑む」と報じている。
成功率6.2%ということは、ほとんどの選手が3連勝の壁に跳ね返されているわけだ。通算50勝を挙げている不動裕理は7度挑戦してすべて失敗している。アン・ソンジュとイ・ボミは4度。歴代の名選手も3連勝は遠かったわけだ。
最近では笹生優花、古江彩佳、稲見萌寧、小祝さくら、西村優菜、西郷真央といった面々が3連勝を逃した。今年4月の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンで3連勝がかかっていた西郷は最終日に追い上げたが3打差2位に終わっている。
6.2%の超難関に挑む岩井の結果はいかに。もし、「初優勝からの3連勝」を成し遂げれば、樋口久子以来2人目の大快挙となる。
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