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初V尾関彩美悠が勝負決めた1打 “ラフとフォローの二重苦”で1メートルに止められた理由
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」で優勝した尾関彩美悠です。
尾関彩美悠と吉田優利に共通する“目線の使い方”
先週、国内女子ゴルフツアーの住友生命Vitalityレディス 東海クラシックが開催されました。最終日は、最終組でプレーした吉田優利選手と尾関彩美悠選手が白熱の優勝争いを繰り広げました。

尾関選手は2日目終了時点で通算11アンダー。2位の吉田選手と1打差の単独トーナメントリーダーで最終日をスタートしました。
しかし、6番をボギーとし、このホールでバーディーの吉田選手に逆転されます。その後、9番でバーディーを奪い返したものの、10番、11番で連続ボギー。吉田選手に最大で3打差をつけられる展開になりましたが、12番でバーディーを奪って食らいつきます。
トップに立つ吉田選手をとらえたのは15番でした。このホールをパーとした吉田選手に対して尾関選手はバーディーパットを沈め、通算11アンダーで並びます。その後、両選手は16番バーディー、17番パー。首位を並走したまま、通算12アンダーで最終ホールを迎えました。
18番は386ヤードのパー4。左サイドに大きな池がある打ち下ろしのホールです。尾関選手のティーショットは左サイドのラフへ。一方の吉田選手はフェアウェイのセンターをとらえます。残り距離はどちらも120ヤード弱でした。
最終ホールのピンは、すぐ手前に池が広がる左サイドに切ってありました。セカンドショットはキャリーで球を止める弾道が求められます。ただ、この時は強いフォローが吹いており、球を止めづらい状況でした。
先に打った吉田選手の2打目は、高く上がってピン右横4メートルに着弾。尾関選手にプレッシャーを与えます。一方、フォローにプラスして、ラフという要素も加わっている尾関選手の2打目。より球が止まりにくい状況でしたが、高い弾道でピンを上から攻め、見事にピン横1メートルにつけました。結果、バーディーパットを沈めたのは尾関選手でした。前週の川崎春花選手に続き、ルーキーイヤーでツアー初勝利を飾りました。
勝敗を分けた18番のセカンドショットですが、尾関選手も吉田選手も、難しい状況下での素晴らしいショットでした。この時の2人のアドレスまでの仕草に注目すると、興味深い共通点がありました。目線の使い方です。
ボールを上げたい時ほど目線を下げる

ボールの後ろでターゲットを確認している時や素振りの時は、視線を上に向けて高い弾道をイメージ。しかし、アドレスポジションに入った後は、上空を見ることなく、目線を低くしてターゲットを確認して構えていました。
ボールを上げたい時は、上を見ながら構えたくなるもの。ですが、目線を上げながらアドレスすると、右肩が下がり、軸が右に傾きやすくなります。このアドレスでは、球が上がるどころかトップする可能性もあります。
ボールを上げたい時ほど、目線を下げる。クラブがボールを上げてくれる。このポイントを押さえておくだけでも、思わぬミスを防ぐことができますよ。
尾関 彩美悠(おぜき・あみゆ)
2003年6月16日生まれ、岡山県出身。2021年の「日本女子アマチュアゴルフ選手権」で優勝。同年11月の最終プロテストでトップ合格を果たした。ルーキーイヤーで挑んだ今シーズンの「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」でツアー初勝利。アマ時代にベストアマを獲得した思い出の大会で優勝を飾った。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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