ドライバーを短くすることでスピン量を減らす
東北福祉大学4年の蝉川泰果がパナソニックオープンで優勝し、史上6人目となるアマチュアでのレギュラツアー優勝を達成。試合では320ヤード以上飛ばしたドライバーショットも話題になりましたが、蝉川は意外なスペックで飛距離アップしていました。

3日目にトップタイに並んだ蝉川。並み居るトッププロを圧倒するスーパープレーを連発し、1イーグル、9バーディーの「61」を叩き出しました。
蝉川が使用するクラブを調べると、そのセッティングも男子のツアープロ以上にハードです。
アイアンはピンのツアーモデルの中でも最もハードな「ブループリント」。番手も4番から入れていて、ユーティリティーを1本も入れていない男前なセッティングです。ドライバーはピンの「G425 LST」。その長さを44.75インチにしている理由について蝉川は試合後にこう説明しました。
「僕自身、長いクラブがそこまで得意ではなくて、スイングタイプとしてもスピン量が多いタイプ。だから、ドライバーを短めにしてからスピン量が減って、飛距離が伸びました。コントロールできる精度も上がったり、飛距離が伸びたりしたので、意図があって短くしています」
またユーティリティーを使っていない代わりに、3番アイアンだけ「ブループリント」ではなく「i525」にしています。このアイアンは今年発売された新モデル。ブレードのような形状をしていますが、中空構造になっているので「ブループリント」に比べるとはるかに打球が上がりやすくて、ミスヒットにも強いアイアンです。
ロングアイアンの1本を少しやさしいタイプにしたり、ドライバーのヘッドをロースピンタイプにしつつ、長さを短くするのはPGAツアーの若手選手がよくやっているセッティング。今後さらに飛躍して世界の舞台に羽ばたいてほしいところです。
2022 パナソニックオープン 蝉川泰果のセッティング
1W:ピン G425 LST(ロフト9度)
3W:テーラーメイド ステルス(ロフト15度)
3I:ピン i525
4I-PW:ピン ブループリント
ウェッジ:ピン グライド4.0(50度、56度、60度)
パター:ピン PLDミルドアンサー