ボギーが1割未満なので、ほぼ“バーディー数=アンダーパー”
11月3~4日、国内シニアツアーのコスモヘルスカップが行われ、タイのプラヤド・マークセンが優勝しました。なんと6試合連続優勝の快記録の達成です。マークセンとはどんな選手なのでしょうか。

コスモヘルスカップでは、最終日に2打差を逆転して優勝したマークセン。9月の日本シニアオープンに勝ち、2週空いて日本プロシニアからは5週間連続の優勝でした。これまでの記録は3試合連続優勝(1992年・天野勝)ですから、その倍の連続記録です。加えて、シニアツアーの通算勝利数記録を塗り替える通算21勝。5900万円余で今年の賞金王も確定しています。
レギュラーツアーとはレベルが違うからそんなことができるんだ、と思われる方もいるでしょう。確かに20代、30代の選手たちのゴルフとは違いますが、年齢の縛りがある同じ土俵で、しかも実績ある選手たちの戦いなので、そうそう出来るものではありません。
ここ数年で、レギュラーツアーで活躍した選手たちが続々とシニアに入ってきました。伊澤利光、丸山茂樹、深堀圭一郎、谷口徹、手嶋多一、藤田寛之、平塚哲二、宮本勝昌、久保谷健一、横田真一、横尾要……。レギュラーツアーの実績ではそうそうたる面々です。
満50歳になってから出場資格が取得できるシニアツアーでは、1歳年を取るごとに飛距離が落ち、体が痛んでくると言われます。何人か集まると「体、どう?」と、ケガや病気の話になりがちです。還暦同窓会での「病気自慢」と同じです。今年のシニアツアーでは、これまで13試合で60歳以上の優勝者は真板潔(62)しかいません。
マークセンは56歳です。賞金王争いでは53歳の藤田をこの6試合連続優勝で突き放しました。「活きのいい若手」を蹴散らした形です。
マークセンの何が凄いのでしょうか。それは数字を見てみると浮かんできます。
パーキープ率91.92%、バーディー数は33ラウンドで150個と、2部門で断トツの1位です。ボギーを叩かないので、積み上げたバーディー数だけアンダーパーになるといった感じで、トップに来るともうマークセンのもの、というパターンです。
もともと飛距離はシニア屈指でした。3年前からティーアップを高くして飛ばしていましたが、時折曲げていました。今年の日本シニアオープン前にドライバーを替えてから「フェアウェイにしか行かない」という自信が出たそうです。クラブとの巡り合いでしょう。
パッティングのスタイルもドライバーと同時期に変え、スタンスを少し広くしたことで、これまでチャンスを逃してきた2~3メートルの距離が入るようになり、「3パットがなくなった」と言います。6試合連続優勝中、3パットはたった1回でした。