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- 「5年後、10年後を考えなければ」元賞金王・藤田寛之が憂う“男子ツアー”と“日本ゴルフ界”の未来
衰退が叫ばれて久しい国内男子ツアー。2010年に賞金王のタイトルを獲得した藤田寛之は、男子のみならず日本ゴルフ界全体が「5年後、10年後を考えて行動しなければ」と危機感を露わにする。
「過去にないくらい良いパフォーマンスができているのに…」
藤田寛之が、日本のゴルフ界再編についての考えを披露した。
2023年のツアーは、男子が26試合の開催を発表(さらに2試合が調整中)しているが、まだまだシーズン中に空いている週が多い上、女子の38試合と比較すると寂しい状況は続いている。
そんな状況について、2010年賞金王の藤田も思うところがあるという。
「男子を取り巻く環境はとても厳しいですね。若くてメチャクチャ面白いヤツがいっぱいいるし、過去にないくらい良いパフォーマンスができているんです。レベルの高いゴルフができているのに……」と、悔しそうな表情を見せる。
1990年の年間44試合が男子ツアーの試合数のピーク。関東、関西オープンや全国6地区の各地区オープンのように、同じ日程で複数の試合が行われてもいたが、3月初めから12月2週目まで、ほぼびっしり試合が組まれていた。これが現在の数にまで減ったのはなぜか。
広告代理店や運営会社主導でテレビ局と組み、スポンサーも見つける。当時のビジネスモデルをそのまま続け、試合を見に来てくれるファンを丁寧に増やしていくという、基本的な努力を怠ってきたツケは大きかった。
スポンサー依存は景気に左右されやすい。さらには、99年にツアーが日本プロゴルフ協会(PGA)から独立し、日本ゴルフツアー機構(JGTO)ができるというゴタゴタもあった。海外のツアーを目にする機会も増えたことで、ファンの選択肢も増えた。
さまざまな要素が絡み合って減ってしまった試合を増やすのに、選手会が頑張ってはいるが、それは本来の形ではない。選手は、良いプレーを見せると同時に「ファンあってのプロスポーツ」ということをしっかりと認識し、商品価値を高めることでツアーの看板となる。ツアーは、試合数を増やし、ファンを増やすことでそれを支えるのが仕事だからだ。
「スターが出てくれば何とかなるのに」という声もあるが、そんなに簡単な話ではない。若くして結果を残してきた石川遼、マスターズを制した松山英樹という2人のスターが出現しても、日本の男子ツアーファンのすそ野が大きく広がったわけではないのを見ればよく分かる。
実は、人気の女子ツアーも、根本的な仕組みとしては男子と大きな差はない。
宮里藍を端緒として、ジュニア時代からの人気者が次々と出てきているが、スポンサー依存体質は変わらない。層が厚くなり、試合のレベルが上がっているのは間違いないが、男子と決定的に違うのはプロアマ需要が大きいという部分にある。
女子ツアーのスポンサーの中には、試合そのものと同じくらい、あるいはそれ以上に、プロアマが目的の企業があるのは間違いない。より高い技術を持つ男子プロよりも女子がいいという理由はさまざまだが、アマチュアに対する態度の問題や、より身近な飛距離を持っていることがある。
圧倒的に男性のアマチュアがプロアマのお客であり、それをもてなす側の主催企業が女子プロを選ぶことが多いという事実もある。プロにとっては本戦以前の部分での需要が、試合の存続に大きな影響を及ぼしている。スポンサー依存の仕組みである以上、これは逃れられない現実だ。
男子ツアーは、人気絶頂の頃にプロアマをないがしろにするプロが多かったり、アマチュアへの態度が悪かったりしたという残念な過去がある。プロアマのお客さんに対して、試合の主催者である企業が接待役として男子プロを選んでくれることが少ない、と言い換えてもいい。
女子は、これを含めたさまざまなことを好循環に変えることができているが、男子は逆に負のスパイラルに陥っているということになる。
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