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- マスターズ開幕! “唯一無二”のオーガスタナショナルGC“ならでは”のルールって何かあるの?
いよいよ今週開幕する“ゴルフの祭典”マスターズ。開催地オーガスタナショナルGCならではのプレー上のルールを紹介します。
13番グリーン奥のツツジの群生の中にボールが止まったら?
今週は“ゴルフの祭典”マスターズが開催されます。マスターズといえば、ギャラリー(マスターズではパトロンと称されます)に対する厳しい観戦ルール(例:携帯電話の持ち込み禁止、場内を走ることの禁止など)が知られていますが、今回はオーガスタナショナルGCならではのプレー上のルールを紹介しましょう。

11番から始まる難関ホール群、アーメンコーナーの最後、13番パー5には「アザレア(ツツジ)」のニックネームがつけられています。そして、その名の通り、このホールのグリーン奥にはツツジの群生があり、例年、マスターズ開催時にはカラフルな花を咲かせています。
マスターズを華やかに彩るオーガスタのランドマークのひとつですが、プレーヤーにはちょっと厄介な存在です。グリーンを狙ったショットが飛びすぎると、この中に飛び込むケースがあるからです。
実際、2018年大会の第3ラウンドで、ローリー・マキロイが“いまを盛り”と咲き誇るツツジのなかに打ち込んでいます。
花木の植栽や花壇は国内のゴルフ場でもよく見られますが、多くはローカルルールで「異常なコース状態」として「プレー禁止区域」に指定され、保護されているようです。
「プレー禁止区域」はルールブックに次のように定義されています。
プレー禁止区域:委員会がプレーを禁止したコースの一部。プレー禁止区域は「異常なコース状態」か、「ペナルティーエリア」のいずれかの部分として定めなければならない。委員会はどのような理由でもプレー禁止区域を採用することができる。例えば、若木、花壇、ターフナーセリ、芝の張り替え区域、他の植栽区域への損傷を防止する(ため)」
せっかくの植栽や花壇がプレーヤーに踏み荒らされることがないよう、コース側は「プレー禁止区域」とすることができるわけです。
ところが、オーガスタナショナルGCはこうしたローカルルールを採用していません。つまり、無罰の救済はなく、プレーヤーはあるがままにプレーするか、アンプレヤブルの救済(1罰打)を受けるしかありません。
マキロイのボールは、幸い急な下り斜面に止まっていたようで、彼は軽いチップショットでツツジの根元の隙間を転がし出すことができ、なんとかパーをセーブできました。
“名物”石造りの3本の橋の上にボールが止まったら?
オーガスタナショナルGCには石造りの有名な橋が3本かかっています。12番パー3のグリーン左手前にかかる、レイズ・クリーク(小川)を渡るホーガン・ブリッジ。その並びにある、13番パー5のティーからフェアウェイに向かう途中で渡るネルソン・ブリッジ。そして、15番パー5のグリーン左にかかるサラゼン・ブリッジです。
かつて例がないことですが、これらの橋の上にボールが止まる。あるいは、意図するスタンスやスイングの障害になる、といったときは無罰の救済を受けられるのでしょうか?
ルール上の「動かせない障害物」からの救済ですが、その条件を定めた規則16.1a(2)には、「救済は球がペナルティーエリア以外のコース上のどこにあっても認められる」とあります。逆に言えば、ボールがペナルティーエリア内に止まっているときは「動かせない障害物」からの救済は受けられないということです。
3本の石橋はいずれもペナルティーエリア内にありますから、ボールがその上に止まったときは、そのままストロークするか、ペナルティーエリアからの1罰打の救済を選択するしかありません。
一方、ボールがペナルティーエリア外にあって、石橋が意図するスタンスやスイングの障害になる場合は「完全な救済のニヤレストポイント」を決め、そこを基点に1クラブレングスの救済エリアに救済のドロップをすることができます。
クラブハウス前のパティオまでボールが飛んでしまった場合は?
クラブハウスと1番ティーの間に広がるパティオ(中庭)には、白と緑のカラーコンビのパラソルがかかる20卓ほどのテーブルが並んでいます。ここは9番と18番グリーンの奥に位置します。もしも、ここまでボールが飛んでしまったとき、プレーヤーは何らかの救済を受けられるのでしょうか?
これもかつて例がないようですが、アメリカのメディアがオフィシャルに確認したところ、このエリアはOBではなく、インバウンズ。なので、ここに飛んでもプレーを続けなければなりません。
ただし、パティオの設置物はマスターズのローカルルールで「臨時の動かせない障害物(TIO)」に定められており、これらが直接にプレーの障害になる場合、さらにはプレーの線に介在する場合、プレーヤーは無罰の救済を選択することができるそうです。万が一、そんな事態が起これば、歴史的な見ものでしょう。
とりわけ後者の2点はほとんどありえないトラブルですが、マスターズ観戦の際、周りに披露できる「うんちく」として知っておいてください。
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