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- 韓国で日本メーカーのゴルフウエアが大人気の理由とは? パーリーゲイツ、マーク&ロナの現地店舗で客と店員に聞いた
最近、韓国では日本発のゴルフアパレルブランドが人気だという。実際にいくつかの百貨店やショップを歩きながら、人気の理由についてソウルで話を聞いた。
日本と韓国では同じブランドでもデザインが違う
昨年のPGAマーチャンダイズショーで日本の矢野経済研究所と米ゴルフ・データテック社が、世界ゴルフ市場の分析資料を発表し、韓国がウエアなどの衣料品分野で世界市場におけるシェア1位で45%も占めるとのデータが出された。
それだけゴルフに関心の高い人たちが多いということだが、最近よく耳にするのが、韓国では日本発のゴルフアパレルブランドが人気だという声。実際にいくつかの百貨店やショップを歩きながら、人気の理由についてソウルで話を聞くことができた。

5月19日に行われた韓国女子ツアー「斗山マッチプレー」の決勝戦に進んだ2人のゴルフウエアに目が留まった。一人は“キューティフル”の愛称でツアーナンバーワンの人気を誇る24歳のパク・ヒョンギョン。もう1人は、日本ツアーの「ワールドレディス サロンパスカップ」に推薦で出場し、3位に入った昨季韓国ツアー賞金女王の21歳イ・イェウォン。共に着用しているウエアは、日本で誕生したブランド「パーリーゲイツ」だ。
人気と実力で韓国ツアーを牽引する若き2人の決勝戦は、パク・ヒョンギョンに軍配が上がったが、多くのゴルフファンが注目する試合に笑いが止まらないのは、「パーリーゲイツ」だったに違いない。しかも2人は一緒に韓国でパーリーゲイツのテレビCMにも出演。ツアーでの実績と露出度でさらに認知度が高まり、売れ行きも好調だという。
この試合の翌日に韓国のパーリーゲイツ関係者がコメントを出し、「パク・ヒョンギョン、イ・イェウォンプロはゴルフの実力以外にもファッション感覚もあり、ブランドイメージを生かしてくれている。毎週の大会後には2人の選手が来ていたウエアを見てみたいとショップを訪ねてくるゴルファーが多く、売り上げの増加につながっています」とホクホク顔だ。

パーリーゲイツは2009年に韓国展開を始め、毎年売り上げを伸ばしているという。同ブランドは“ソウルの港区”とも称されるほど富裕層が集まる江南(カンナム)エリアに大きな直営店を2つも構えている。その一つを訪ね、女性店員に話を聞いた。
「韓国で日本発ブランドのウエアはすごく人気が高い。年齢層も幅広いです。パーリーゲイツや派生ブランドのマスターバニーエディションも人気ですが、韓国と日本ではデザインが違うんです。なので、日本に売っていないものを韓国で買いに来られる方も多いです。機能性も大事な要素なのですが、韓国では、特に若いゴルファーは派手なデザインを好む傾向が高いかもしれません。韓国の女性ウエアは、体にピタッとフィットするタイトなものが多く、スタイルをはっきりと見せたい人が多いと感じます」
韓国「マーク&ロナ」初店舗で1カ月2000万円の売上!?
もう一つ、韓国で売れているというのがこちらも日本発のブランド「マーク&ロナ」。プロゴルファーの金田久美子やイ・ボミが契約選手として有名だ。
イ・ボミは「他のゴルファーと違いを見せられるデザインが多いので、韓国人にはすごく好まれると思う。私の夫が着用する『マーク&ロナ』のウエアを見て、『これどこで買ったの?』と聞く人も少なくないんですよ」と語っていた。
「マーク&ロナ」が初めて韓国で売り場を展開したのは15年。「新世界百貨店」の本店と江南店に初めて店舗を構えたのだが、江南店は「1カ月で2000万円の売り上げを記録した」と現地メディアが報じていたほどだ。
今回は多くのゴルフショップが入る江南店のフロアに足を運んだ。
「マーク&ロナ」ショップでウエアを選んでいた30代の男性サラリーマンに話が聞けた。ゴルフを始めてまだ6カ月だが、「平均スコアが100くらいの初心者ゴルファーが、機能的なウエアを買うのはすごくためらうのですが、日本ブランドのウエアは私服として着てもいいくらいにデザインがいい」と話していた。
「韓国は個性重視のゴルファーが多い」
19年の「NO JAPAN運動」(日本製品不買運動)の時に聞いたのは、ユニクロは誰も買わなかったが、日本ブランドのゴルフウエアだけは売れまくっていたという話。きっとゴルフ好きには“譲れない部分”があるのだろう。
どれほど人気なのか話を聞くと「30~40代の男性が中心に購入されますが、20~30代の女性からも絶大な人気があります。もちろん日本と韓国ではデザインが違うので、日本からの来客も多い。韓国のアマチュアゴルファーはコースで目立つ個性を重要視するので、ユニークなデザインが多いマーク&ロナが、特に若い層に好まれるのは間違いないです。価格は高い部類に入りますが、それでも売れています」と語る。
ほかにも百貨店内には日本メーカーのデサントやミズノのショップもあったが、売り場はそこまで大きくなく、落ち着いたデザインから高い年齢層がターゲットになっていることが感じられた。
もし韓国のゴルフショップを訪れる機会があれば、同じブランドでも日本と韓国でデザインが違うことなどに注目してみると、ショッピングがより楽しめるかもしれない。
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