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- “ちょん出し”したらそこはOBだった! 欧州ツアーで起きた世にも珍しいローカルルールのトラブルとは? 結果的には“幸運”!?
ジェネラルルールをできるだけ理解しておくことはゴルファーとしての基本ですが、コースや競技ごとのローカルルールを把握することも同じくらい大事。DPワールド(欧州)ツアーで起きた世にも珍しいローカルルールのトラブル、そのてんまつを紹介します。
思わぬところに設けられる「インターナルOB」の存在
とりわけ競技ゴルファーはルールをよく知ることが我が身を助けることになります。知っておくべきルールはジェネラルルールだけではありません。その競技で採用されるローカルルールを心得ておくことも大事です。そんな教訓となるエピソードを紹介しましょう。

「アウト・オブ・バウンズ(OB)」はプレーイングエリア外のことで、OBラインは、通常はプレーイングエリアの外縁に沿って設けられます。
しかし、プレーイングエリアの内部でも、安全のため、あるいはホールの高い戦略性を守るためといった理由で、ローカルルールにより「インターナルOB」と呼ばれるOBが指定されることがあります。コースが常設で設定することもあれば、競技の委員会がその競技のプレーヤーに対して指定することもあります。
PGAツアーでも、昨年のプレーオフ最終戦「ツアー選手権」のタフな設定に改造された18番ホールで、選手たちに左隣の10番ホールを迂回する攻略ルートを使わせないよう、10番ホール手前に急きょOBの境界物が設けられました。
18番のフェアウェイはセンターが高く、両サイドが下り傾斜の形状(いわゆる「かまぼこ状」で、センターを外れたボールは左右のラフにまで転がる)で、ティーショットの精度が厳しく問われる設定となりました。にもかかわらず、並行する10番ホールに迂回されたのでは改造した意味がない、ということで18番ホールからのボールが10番ホールの境界物を越えたときはOBとされたのです。
A・バティアがローカルルール見落とし危うく「誤球のプレー」
さて、先週、中島啓太が最終日の最終ホールでアルバトロスをマークし、大きな話題を集めたDPワールドツアー(欧州ツアー)の「ヒーロー・ドバイデザートクラシック」2日目のこと。レフティーの米ツアー選手、アクシャイ・バティアは13番パー5でティーショットを左にプッシュアウト。ボールは隣の8番ホール手前の林の中まで転がってしまいました。
そこでバティアは13番ホールに戻すよりも、一旦8番ホールに出すのが得策と判断。狙い通り8番フェアウェイに出すことができました。
そこから13番のグリーン方向に打つ準備をしていたとき、ルールオフィシャルが駆け付け、バティアに「ここはOBだよ」と宣告。そして、13番ホール側に広がるサイドバンカーの縁に引かれた「白線(OBライン)」を示したのです。
しかし、バティアは「そんなことはどこにも書かれていなかったけど」と反論。すると、オフィシャルは競技規定の一番下に書かれているローカルルールを示すと、バティアは納得。見落としていたことを認め、第2打地点にまで戻って、1罰打で第4打を13番フェアウェイ方向にショット。結局このホールを5オン・2パットの7、ダブルボギーでホールアウトしました。
もし、ルールオフィシャルが8番フェアウェイのバティアに気付くのが遅れ、彼がストロークを行うと、自分のインプレーではないボールをプレーしたことになり、いわゆる「誤球のプレー」で2罰打になるところでした。
「インターナルOB」は、日本のゴルフ場では決して珍しくありません。一般ゴルファーもスタート前のローカルルールのチェックは忘れずに。
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