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- 70代は現役でも80代で退会増加… ゴルフ場が直面する会員構造と「2025年問題」その後
団塊世代の高齢化が進む中、ゴルフ場の会員構造にも少しずつ変化が現れ始めています。80代で退会が増える一方、新たな会員層の中心は50〜60代。ゴルフ場が直面する“世代交代”の実態を探りました。
ゴルフ場の会員構造はどのように変化しているのか
ゴルフ業界では、日本のゴルフを支えてきた団塊の世代が、いつまでゴルフを続けるのかがたびたび話題になってきました。最初は団塊の世代が一斉に定年退職を迎える「2015年問題」。その次が後期高齢者となる「2025年問題」でした。
ただ、実際にその年を迎えてみると、大きな変化が起きたという実感はありませんでした。コースに行けば、これまでと変わらず多くのシニアゴルファーがプレーしていますし、「人が急激に減った」という話も聞こえてきません。
とはいえ、数字の上ではゆるやかな変化が進んでいます。来場者に占める70歳以上の割合は確実に上昇しており、ゴルフ人口の高齢化は着実に進行しています。問題が起きていないように見えるのは、“その段階にまだ達していないだけ”なのかもしれません。
では、ゴルフ場の会員構造は、どのように変化しているのでしょうか。ゴルフ場関係者に話を聞いてみました。

「退会する人が増えてくるのは、やっぱり80代ですね。80代になると、来場する回数が減ってくるので、年会費だけ払っている状態になります」
70代のうちは元気にプレーを続ける人が多いものの、80代に入ると来場頻度が落ち、結果として会員権を手放す人が増えていくという流れです。
背景には、プレー機会と年会費のバランスがあります。年会費が3万円だとして、1年間に数回しか来場しないのであれば、「そろそろいいかな」と感じる人が出てくるのは自然な流れです。
さらに年会費の値上げが、その判断を後押しすることもあります。値上げそのものが原因というよりも、もともと利用頻度が下がっていたところに、一つのきっかけが加わる形です。こうした動きは急激に起きるというよりも、年齢とともに徐々に進んでいきます。
若い人は増えているが会員になるのは50~60代が多い
一方で、ゴルフ場に若いゴルファーが増えているという話を耳にすることもありますが、実際にゴルフ場のメンバーになるのは50~60代が多いそうです。
「ゴルフ場のメンバーになるには、それなりの初期投資がかかりますから、若い人は手を出しづらいと思います」
昔と今で大きく変わっているのが、会員権そのものの位置づけです。かつては会員でなければ予約が取れない時代がありましたが、現在は予約サイトを通じてビジターでもプレーできるコースが増えています。
一方で、土日の予約は早期化が進んでおり、確実にプレーしたい場合には会員権を持つことが選択肢になる場面もあります。会員であることの意味は残りつつも、その必要性は以前とは異なる形に変わってきています。
こうした環境の中で、ゴルフ場の運営方針も分かれてきています。一つは、年会費を引き上げるなどして会員の入れ替えを促し、若い層を取り込もうとする考え方です。もう一つは、既存の会員に長く在籍してもらい、安定した関係を維持しようとする考え方です。
「うちのゴルフ場は会員数が少ないので、今いる会員さんにやめてほしくないです。そのため、年会費の値上げも最小限に抑えました」
どちらの方向性が正しいかは、一概には言えません。会員数を絞ってビジター収入を重視するコースもあれば、会員の母数を確保することで経営の安定を図るコースもあります。
現時点では、団塊の世代がまだプレーを続けているため、大きな変化は表面化していません。しかし、退会のタイミングがある程度見えている以上、その先の変化も予測することができます。
今後は、既存の会員に長くプレーしてもらうのか、それとも新しい層を積極的に取り込むのか、そのバランスがより重要になっていきそうです。
どちらを選ぶにしても、ゴルフ場ごとに事情は異なります。会員の高齢化は共通のテーマでありながら、対応の仕方は一つではありません。その違いがこれから少しずつ表に出てくるのかもしれません。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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