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- 前が詰まってるのに毎ホール無機質な声で「急げ」って… ゴルフ場のIT化で起きる“デジハラもどき”を検証する/木村和久『ゴルフ=レジャー宣言』
人手不足の解消や業務の効率化、ユーザーの利便性向上のために、最近はゴルフ場のデジタル化も目覚ましいものがあります。でも、なんとなく味気ないと感じるのは昭和生まれだけでしょうか……ゴルフを筆頭に、平成~令和の日本を縦横無尽に遊び尽くしてきたコラムニストの木村和久氏が、浅いのか深いのかよく分からないこの問いを考察していきます。
IT化には便利さゆえの弊害も!?
最近のゴルフ場はプレーがスムーズに進行するようにIT化が進んでいます。チェックインがアプリをかざすだけで済むし、売店の自販機や練習場のボールも、タグをかざすタッチ式が増えました。

ラウンドは乗用カートのGPSナビ付きが主流、ラウンドのメンバーもすでに名前が入っているし、ナビの距離も1ヤード単位で表示。後はあなたの腕前次第という感じでしょうか。
その肝心なスコアも、今はナビのタブレットにスコアを入力すると、後日スマホに送ってくれるサービスがあります。だから最近は、紙のスコアカードを使わないことがあります。
ほかレストランでもタブレットでオーダーして、ロボットが配膳してくれるサービスが始まっています。
こういうIT化の波に対し、様々な意見があります。今回は便利さゆえの弊害とでも申しましょうか。時々起きるデジタルハラスメントみたいなものを考察します。
1)自動チェックイン
クラブのフロントでは自動チェックインが増えましたが、そういうデジタル化をしつつ、同時にジャケット着用を義務づけるコースがあるのも確かです。この場合いったい誰がジャケット着用を確認するのでしょう。チェックイン機にカメラが付いてて判断するとか?
ゴルフ場の格式は長い年月をかけて醸しだされるものです。高級外車で来場する人が多いコースは、古い軽自動車だとエントランスに横付けしづらい雰囲気ってあるでしょ。けど、軽自動車で来るなとは書いてないのです。
高級コースはみんなジャケットを着て、ゴルフウェアもオシャレ。こっちはペナペナの安物ポロシャツだ~。次回からちゃんとして行こうって思いますよね。だから服装などのマナーは、ゲストの判断に委ねて良い気もします。
2)スコアの公開と管理
最近のナビのスコア管理は超優秀で、5組のコンペで入ると、スコアボードに5組20人の順位表がズラリ出ます。これはさながら、自分がトーナメントに出場している臨場感を味わえ、すこぶる盛り上がります。
ですが、ゴルフを始めたばかりのビギナーが付き合い程度で大きなコンペに参加をすると、悲惨なことが起きます。
自分だけ常に最下位。丸1日ず~とビリで、最終的に167とか、訳の分からない数字が現れることも。しかも、そのスコアがスマホのアプリに飛ばされて、公開羞恥プレーとなり、半永久保存される始末。
ビギナーは最大スコア制度活用で「ダブルパー以上はカット」みたいなルールでナビにアップできないんですかね。
あと、おじさんが女性とプライベートでゴルフをすると、アプリに名前やスコアが残り、あらぬ誤解を招くこともあります。
家庭でデジタルスコアが見つかった場合「あなた、いつもこの女性とラウンドしてるじゃない、誰なの? 説明してよ」と言われかねません。
3)乗用カートのナビ問題
ナビのおかげで便利になったのはよろしいですが、プレー時間が遅れると、ナビが「現在予定時間より、15分進行が遅れています。お急ぎ下さい」といったメッセージを表します。自分らがトラブルを起こして遅いなら納得できますが、前の組が遅くて、こっちは毎ホール待たされている。前に進みたくても進めないのに、「早くしろ」とは何事でしょうか?
しかも毎ホールこれが出るし。こっちだって、早くプレーしたいんです。文句があるなら前の組に言ってください。
ほかカミナリ警報の時も、コースの周囲からサイレンが鳴るかと思ってたら、ナビから避難警報が鳴るし。しかも、だいぶカミナリが近づいてからの警報って、もっと早くやってください。われわれもスマホを見てカミナリ情報を把握してます。なんかワンテンポ遅い気がするんですよね。
それに、乗用カートを運転できるタイプはカミナリが近づいても逃げられますが、カート道路上を自動走行するタイプは、どこにどう逃げればよいか戸惑うことがありますね。
4)レストランのタブレットオーダー
タブレットで食事を頼むとき、会計の部分で少し行き違いが生じます。食事は通常、個別会計をしますよね。それから食後に「じゃ、コーヒーでも飲みましょう」と誰かがご馳走をしてくれるとき、物凄く面倒臭い。つまり個別会計をしてから、コーヒーの一括会計を入れ込むやり方がすこぶる分かりにくいのです。
これは何度かトラブルになっています。その後だいぶ改善されたようですが、面倒臭いので、コーヒーだけはいまだに従業員を呼んでオーダーすることにしています。
ゴルフは社交だから、誰かがご馳走するとか、されるとかあるでしょう。先に会計を済ませてから、お茶をどうぞとね。そこで「ありがとうございます」「いえ、日頃お世話になっていますから」と、あいさつするわけです。機械はそこらへんが融通効かないようです。
5)予約で感じる“メンバー感”の希薄さ
最近のコース予約はスマホで申し込みになり、ちょっと味気ないです。コースに電話をして「メンバーの○○ですが」「いつもありがりとうございます」みたいなやりとりがあってのメンバーライフじゃないですか。この人間味あふれるやりとりがない。そのくせクールカートやクラブバスを頼む時は電話って、なんだんねん。
結局、心配性なものだから、プレー前日にちゃんと予約されているか、確認の電話をする自分がアナログですね。やはりどこかでデジタルを信用していないのでしょうか。
文/木村和久
1959年生まれ、宮城県出身。株式投資から大衆文化まで、さまざまなジャンルで“現代”を切り取るコラムニスト。有名ゴルフ媒体へも長く寄稿してきており、スイング理論やゴルフ場設計にも造詣が深い。近年はマンガ原作者としても活躍。
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