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プロゴルファー社長が入管法違反で有罪になった事案も… ゴルフ場は深刻な人手不足にどう対処している?/シリーズ『ゴルフ場減少時代』
今年、千葉のゴルフ場で不法滞在の外国人を不法就労させていたため、日本プロゴルフ協会の会員でもある経営者が逮捕起訴されたというニュースがありました。ゴルフ場の人手不足を再認識させられる問題ですが、現場はどう対処しているのでしょうか。
地元の若手人材へのアプローチやIT化・DX化が鍵
今年、千葉のゴルフ場で不法滞在の外国人を不法就労させていたため、日本プロゴルフ協会の会員でもある経営者が逮捕起訴されたというニュースがありました。ゴルフ場の人手不足を再認識させられる問題ですが、現場はどう対処しているのでしょうか。

栃木県で3コースを運営する鹿沼グループに尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「スタッフの高齢化と人員不足については、ゴルフ場全体的にそうかと思いますが、人員不足は当社も(同様)です。高齢化も進んではいますが、お陰様で鹿沼CCは若手人材が入っています。とはいえ、今年は(コース)管理への入社がなかったため、採用には苦戦しています」と、若手の人材は獲得できているものの、高齢化の波は確実に押し寄せている様子。
そんな中、行われているのが、採用担当者の人材募集活動。「スタッフの採用については、他社でもやられていると思いますが、高校訪問、農業大学校へのアプローチ、自衛隊へのアプローチなども実施しています」(鹿沼グループゴルフ場営業本部 マーケティング広報部・荒川磨理部長)。
同部長は定着率向上についての施策として「(1)人事制度の運用、適切な評価の実施 (2)ベースアップを実施 (3)就業環境の改善(暑さ対策として空調服の支給、ドリンクの支給など) (4)無人機の導入による作業負荷の軽減 (5)スキルアップのための研修実施 (6)ワークライフバランスの尊重」を挙げてくれました。
一方、平和の子会社となったアコーディア・ゴルフは、172コース(2025年4月時点)を保有するスケールメリットを生かして人材確保への対策を行っています。
「当社では全ゴルフ場で自動チェックイン兼自動精算機を導入済みで、公式アプリの機能充実などIT/DX化を促進しております。また、レストランでは、タッチパネルでのオーダーや配膳ロボットは一部のゴルフ場で導入しているほか、コース管理では無人芝刈機の導入など、管理機械の自動化へ着手を始めています。採用面については、高齢化・人口減による労働力不足を見越して以前から注力しており、今後も積極的な採用活動を継続してまいります」(アコーディア・ゴルフ広報の話)
また、アコーディア・ゴルフと兄弟会社で148ゴルフ場を直営(ほかリース1、運営委託1)するパシフィックゴルフマネージメント(以下PGM)も、独自の企業努力を行っています。
「当社では、各ゴルフ場における業務の省力化・効率化を進めており、フロントでのセルフチェックイン・アウト、レストランにおけるタッチパネルや配膳ロボットの導入、セルフカートによるキャディ業務の負担軽減、自動芝刈り機によるコース管理の効率化など、多方面でDX化を図り、環境整備を推進しております」
「その中でも、コース管理部門では全国的に課題となっている高齢化と人手不足への対応が喫緊のテーマとなっておりますが、働きやすい環境づくりとして、自動芝刈り機や散水管理システムの導入により肉体的負担を軽減や古くなっているコース管理棟の改修、モチベーションの向上としてPGM独自の教育プログラム(CMアカデミー)のほか、幅広い人材の受け入れとしてゴルフ場で働く魅力を伝える採用活動の強化(採用サイトのリニューアル)などを進めています」
「今後も持続可能な人材確保と、安心して長く働ける職場づくりを目指し、現場の声を大切にしながら取り組みを進めてまいります」(PGMマーケティング部広報担当)と話しています。
メンバーが作業着でコース管理業務を手伝う姿も
そうした中、コース管理スタッフの仕事をメンバー自らが補っているゴルフ場があります。メンバーが作業着でコース管理業務を手伝う姿も見られるのが、千葉夷隅ゴルフクラブです。
「いま(コース管理のスタッフは)20人います。年代も20代、30代、40代とまんべんなく」と現状を説明しつつ、岡本豊社長はこう続けます。
「グリーンティー(18ホールトータルが約4000ヤード台のコース設定)を作ったり、グリーンを60面、3年かけてDC-1に張り替えたんです。それでGDO、楽天GORAのコースメンテナンス部門で全国3位になったことが(スタッフの)励みにもなっています。また、ゴルフ場のメンバーが作業着を着てコース管理業務を手伝ってくれています」
メンバーさんたちが本気度100%で手伝ってくれるため、スタッフの負担も軽くなる相乗効果が起きており、それがコースの評価を高める要因にもなっているわけです。千葉夷隅GCの場合、今のところ外国人の人材に頼らずにいるといいます。過度な負担もなく、やりがいのある職場であれば、人材確保と定着率アップは実現できることの証明でしょう。
鹿沼グループにしても、千葉夷隅にしても、企業努力で逆風を追い風に変えていますが、一方でそれができないコースでは閉場という現実が静かに進行しています。年10コースペースで減り続けている現実が、それを証明しています。
不法滞在の事件を聞き、改めてゴルフ場の在り方を考えさせられた関係者も多かったはずですが、そうした中、ゴルフ場にとっては朗報が飛び込んでいます。一般社団法人・日本ゴルフ場経営者協会(NGK、東京都千代田区)は25年8月31日発行の「NGKだより」で「ベトナム国立農業大学の卒業生を技術・人文知識・国際業務(技人国)の就労ビザで採用できることになった」ことに触れています。
これが今後、外国人の安定した採用につながるかどうかは、彼らが安心して働ける雇用環境を作れるかどうかにかかっているとも言えそうです。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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