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- 高市早苗首相が再開した“ゴルフ外交”を米誌が詳報 安倍元首相とトランプ大統領の関係に迫れるか
ドナルド・トランプ米大統領が来日し、迎えた高市早苗首相は安倍晋三元首相の遺品のパターや松山英樹のキャディーバッグを贈呈するなどして、ゴルフ好きのトランプ氏を喜ばせた。果たしてこれからも、安倍元首相が展開した“ゴルフ外交”は続くのだろうか。
高市首相を安倍元首相の「protegee(弟子)」と表現
高市早苗首相が披露したドナルド・トランプ大統領との「ゴルフ外交」の様子が米ゴルフウイーク誌によって紹介され、笑顔で寄り添う2人の写真がひときわ目を引いていた。
高市首相がトランプ大統領のために用意したお土産については、日本では「安倍元首相のパターなどが贈られた」という表現が多く見られたが、米誌では「日本の新首相はドナルド・トランプ大統領にヒデキ・マツヤマのサイン入りバッグを贈った」という具合に、松山英樹のゴルフバッグを主体とする見出しが付されていた。
そのワケは「あくまでもゴルフ雑誌なのだから、見出しに登場させるのは、政治家ではなく、ゴルファーのほうがいい」といった編集者たちの考えが反映されたからではないかと想像される。
しかし、記事を読み進めてみたら、中身の主体は松山ではなく完全に高市首相になっており、トランプ大統領との対面シーンやお土産の贈呈シーンが詳細に描写されていた。そして、高市首相のゴルフ外交に対する同誌の見方や捉え方、表現の仕方は、なかなか興味深いものだった。

この記事では、高市首相は安倍元首相の「protegee(弟子)」という表現が使われており、記事の書き出しは、こんな具合だった。
「トランプ大統領との関係構築を目指すタカイチPM(=Prime Minister)は、そのための“正しい言語”を知っていた」
ここで言う「言語」とは、トランプ大統領と会話をするための媒介となるものを指していると思われる。
そして、トランプ大統領の信頼と親近感を得るための最も効果的な「言語」は、「ゴルフにまつわる言葉」、あるいはトランプ大統領と親しくしていた「安倍元首相にまつわる言葉」であることを、高市首相は心得ていたからこそ、それらを活用して会話を弾ませ、トランプ大統領の笑顔を勝ち取ったことを伝える意味で、「正しい言語を知っていた」と表現したのだと思う。
いずれにしても、同誌は、ゴルフにまつわる「ゴルフ語」、あるいは安倍元首相のゴルフにまつわる、いわば「アベノゴルフ語」を笑顔で駆使し、トランプ大統領の心をしっかりつかんだ「タカイチPM」を絶賛していた。
松山英樹をはじめとする世界のトッププロが同伴
日米両国のトップがともにゴルフをする「ゴルフ外交」といえば、1957年に安倍氏の祖父である当時の岸信介首相が訪米し、ゴルフ好きで有名だったアイゼンハワー大統領と一緒にラウンドしたという記録がある。
しかし、その後は例がなく、2017年の安倍元首相とトランプ大統領との初ラウンドは、実に60年ぶりに実現された「日米ゴルフ外交」だった。
2人のゴルフはなかなか派手で、ユニークな演出もあったせいか、毎回、日米双方で大いに注目された。その「ゴルフ外交」の場に登場したプロゴルファーも数人いた。
17年2月に訪米した安倍元首相をトランプ大統領がゴルフでもてなした際は、アーニー・エルスがラウンドに同伴した。
そのおもてなしに対する返礼として、同年11月に来日したトランプ大統領を安倍元首相がもてなした際は、松山英樹が同伴した。
3度目は米フロリダでラウンド。4度目は米ワシントンDCでのゴルフとなり、その際にお供をしたのは、ブライソン・デシャンボーだった。そして5度目は千葉県でのラウンドに青木功が同伴した。
過去にはそうした経緯があったのだが、今回、高市首相による「ゴルフ外交」には、再び松山が登場。いや、正確に言えば、松山のゴルフバッグが登場した。
日本初の女性首相からトランプ大統領への贈り物として、松山のゴルフバッグが選ばれたことは、松山自身にとっても誉(ほまれ)であるはずで、きっと彼自身、光栄に思っているのではないだろうか。
この贈り物を決める以前、もっと言えば首相に就任する以前に、高市首相が松山の歩みや戦績、人柄などを、どのぐらい知っていたのかは、正直なところ、少々気になっている。さらに言えば、高市首相がどの程度ゴルフのことをご存じなのか、ゴルフをたしなまれるのかも少々気になるところではある。
しかし、たとえ知らないことがあっても、アドバイスする人は周囲に山ほどいるだろうし、知らなければ学ぼうとする意欲や姿勢は、そもそも高市首相から溢れ出している。
首相就任後、すぐさま日米首脳会談に臨み、トランプ大統領と会話するための「正しい言語」を瞬く間に見い出し、それを見事に使いこなした高市首相の「ゴルフ外交」は、あっぱれだったと私は思う。
クラブを握る代わりに「正しい言語」を活用した「ゴルフ外交」
とはいえ、さらに気になることもある。かつて安倍元首相は、トランプ氏の大統領就任が決まるやいなや、黄金のドライバーを持って米国へ馳せ参じて以来、前述した通り、ともにラウンドする機会を合計5回も創出したからこそ、トランプ大統領の信頼を勝ち取り、親密な関係を築くことができた。
そして今回、高市首相は自らクラブを握る代わりに「正しい言語」を活用して「ゴルフ外交」を成功させたことは、文句なしに素晴らしい。
だが、高市首相によるトランプ大統領との「ゴルフ外交」は、果たして、今後も続くのか、続けられるのか、そうだとしたら「HOW(いかにして)?」といった点が、とても気になっている。
私自身は、是非ともゴルフ外交を継続させ、発展させていただきたいと願っており、その可能性を少しばかり、私なりに考えてみた。
高市首相にゴルフのたしなみがあるのかどうかは知らないが、この機会に徹底的に短期集中レッスンを受け、トランプ大統領に「一緒に回りませんか?」ともちかけてみるのは、いかがだろうか。
フツウに考えれば、かなり無謀ではあるが、横須賀基地で彼女が見せた卓越したショーマンシップを思えば、ラウンド実現も不可能ではないと思えてくる。
一緒にラウンドするために猛練習したことが伝われば、トランプ大統領は心の底から喜ぶことだろう。そして、どれほど大叩きしようとも、高市首相の好感度はさらにアップするに違いない。そうなれば、ひいては日本におけるゴルフの振興にもつながるのではないだろうか。
猛練習の時間も余裕もなく、トランプ大統領とともにラウンドするのは、さすがに無理ということであれば、たとえば、トランプ氏が世界に所有する10数コースを何かの形で引き上げたり、推したりすることを「ゴルフの外交」の次の手にすることも、できるのではないかと私は思う。
日本の首相が、日米ゴルフ界、そして世界のゴルフ界に登場し、注目され、称えられることは、ゴルフに関わる者の一人として、私もうれしく感じられる。
実際にゴルフをしても、しなくても、「タカイチPMによるゴルフ外交」が、今後も続くことを願っている。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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