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コラム

日本の女子プロが世界で勝てるようになったのは弾道測定器のおかげ!? ツアープロが力説する“測定器登場後”の劇的変化とは?

2025.11.26 山西英希
ツアープロ 弾道測定器 手嶋多一

今季も米女子ツアーでは歴代最多の7大会で日本選手が優勝を飾り、そのうち2人はメジャーを制しています。日本選手の躍進は目覚ましい限りですが、その理由を手嶋多一プロは弾道測定器にあると言います。いったい、どういうことでしょうか。

道具の進化が飛躍への第一歩

 海外での活躍が目覚ましい日本の女子プロ勢。特にここ数年での成長は著しく、現在は世界ランキング50位以内に9人が食い込んでいます。手嶋多一プロによれば、その原動力となっているのは、弾道測定器だといいます。

※※※

 今年も海外ツアーで活躍する日本の女子プロ勢ですが、本当にすごいなと思います。外国選手と比べて体が大きいわけでもないのに、ショットの正確性やショートゲームで飛距離をカバーしているわけですからね。

 実際、山下美夢有選手のドライビングディスタンスを見ると、245.94ヤード(141位)なんですよ。1位のジュリア・ロペス・ラミレス選手は285.42ヤードですから、実に40ヤードほど離されています。にもかかわらず、今季は全英女子オープンを含む2勝を挙げ、ポイントランキングでも2位につけているのは立派というしかありません。

弾道測定器がツアープロのレベルを上げた!? 画像:AC
弾道測定器がツアープロのレベルを上げた!? 画像:AC

 山下選手に限らず、ほかの日本人選手も体が大きくないのに、しっかりと結果を残しているのは素晴らしいことです。ショットの精度を高めるための練習や、ショートゲームの練習も相当やっているのでしょう。それを分かったうえでいわせてもらいますが、やはり道具の進化による恩恵もかなり大きいと思います。

 正直、ひと昔前のパーシモンヘッドのドライバーやスチールシャフト、糸巻きボールでは、ここまで活躍できなかったでしょう。体の大きい選手でなければ、ボールを遠くまで飛ばせなかったからです。おそらく飛距離の差は40ヤードどころではありません。50~60ヤードぐらい離されたとしても不思議ではないでしょう。

 現在のように長尺デカヘッドのドライバーに、軽量で高性能なシャフトが装着されたことで、飛距離は圧倒的に伸びたと思います。その度合は体の大きな選手よりも、体が小さな選手のほうが大きいように感じます。

 ドライバーだけでなく、アイアンにしてもタングステンを含んだ素材やキャビティー化、軽量シャフトを装着したことで、ボールが簡単に上がるようになりました。だからこそ、ロフトを立てたり、シャフトを長くしても高いボールを打てるわけです。しかも、ボール自体の性能も上がっているわけですから、その傾向はさらに強くなります。

 しかし、その進化した道具をうまく使いこなせなければ意味がありません。その手助けとなっているのが、弾道測定器なんです。

弾道測定器によって最適のクラブを手にできる

 弾道測定器といえば、トラックマンやGCクアッドが有名で、最近ではほとんどのプロがツアー会場で使用しています。以前は単純に飛距離を計測するぐらいの選手が多いように感じましたが、最近は違います。

 ボール初速や上がる角度、ミート率、ヘッドの軌道など、チェックする項目は多岐にわたります。したがって、練習場でボールを少し打てば、いつもどおりのスイングをできているかどうか、すぐに分かります。

 また、トーナメント会場では、ツアープロが新しいクラブをテストすることは珍しくありません。昔は、フィーリングだけで選んでいたため、練習場では「これは飛ぶ」と納得したドライバーでも、いざコースに出てみると、全然飛ばなかったということはよくありました。

 しかし、現在はデータとしての数字を元にクラブをチョイスしているため、コースでも練習場と同じ球を打てる確率が高いといえます。しかも、シャフトはカチャカチャで替えることができますし、自分にとって最も飛距離が出るクラブを簡単に見つけられる状況にあるといっていいでしょう。

 その意味では、弾道測定器は女子プロに限らず、男子プロやシニアプロにもメリットがあり、それぞれのツアーのレベルも上がっています。

 ちなみに、自分は弾道測定器を持っていません。なぜなら、購入すると、数字が気になって練習場へ行かざるを得ないからです。ラウンド後はすぐにホテルへ帰りたいタイプなので、今後も購入することはないでしょう。

 ただ、仲のいい兼本貴士選手が保有しているので、一緒に練習ラウンドを回る時は、使わせてもらっています。その場合、気にする数字は初速です。初速が出ると、飛距離も伸びるからです。目標は70メートル/秒ですが、どうしてもその壁を超えることができないんですよね。兼本選手は74~75メートル/秒は出るので、本当にうらやましいです。

 話は逸れましたが、弾道測定器をうまく利用することで、ツアープロのレベルは上がったと思いますし、その恩恵を受けているのが日本の女子プロのような気がします。その意味では、まだまだ海外で活躍するのではないでしょうか。

手嶋多一(てしま・たいち)

1968年10月16日生まれ、福岡県出身。15歳で日本オープンの予選を通過するなど、ジュニア時代から活躍し、“九州の怪童”と呼ばれる。米国留学を経て93年に国内男子ツアーでプロデビュー。日本オープン、日本プロなどツアー8勝を飾る。07年には欧州ツアーにフル参戦している。現在はシニアツアーを主戦場にしながら、男子ツアーにも数試合出場している。ミズノ所属。

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