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コラム

プレーフィーだけじゃなく“キャディーフィー”も値上がり続けるのか!? 加速化するキャディー不足に対するゴルフ場の対策とは?

2025.12.24 月夜野いおり
ゴルフ場

コース戦略のアドバイスやスムーズな進行をサポートしてくれるなど、キャディー付きプレーには数多くのメリットがあります。そんな快適ラウンドの強い味方であるキャディーさんが、昨今減少傾向にあるといいます。事情に詳しい専門家に話を聞きました。

意外と知られていないキャディーさんの“今”

 セルフプレーが主流となりつつある昨今、キャディー付きプレーを経験したことのない人や、プラスでキャディーフィーを支払うこと自体に疑問を感じる人がいるという話を時折聞くようになりました。

 追加でかかる料金を負担に感じたり、またゴルフを初めて間もないプレーヤーの場合だと、キャディーがいることでかえって緊張したり気疲れするといったことが、キャディー付きプレーのデメリットとしてとらえられているようです。

 その一方、「キャディーさんのいないラウンドなんて考えられない!」という、キャディー付きプレーならではのメリットを知るプレーヤーが多くいるのも確かです。

 キャディー付きプレーだと、そのコースを知り尽くした“プロ”が終始帯同するので、的確なコース戦略についてのアドバイスをもらえたり、またスムーズな進行のサポートが受けられるので、リズムを崩すことなくプレーそのものに集中できるといったメリットがあります。

 さらに場合によっては、場が和んだり会話が弾んだり……といったメリットも。

キャディーをお願いすれば大体プレーヤー1名に男性キャディー1名が帯同するスタイル。キャディーフィーは18ホール帯同で1人1万円ほど。写真はアイルランドの「Portmarnock Golf Club」 写真提供:加賀屋ゴルフ
キャディーをお願いすれば大体プレーヤー1名に男性キャディー1名が帯同するスタイル。キャディーフィーは18ホール帯同で1人1万円ほど。写真はアイルランドの「Portmarnock Golf Club」 写真提供:加賀屋ゴルフ

 ラウンド中、何かと心強い味方になってくれるキャディーさんですが、ここ数年どんどんその数が減少傾向にあるといいます。

「そうですね。ますます減っていくと思いますよ。日本の人口自体が減少していくのですから、キャディーさんだって、その例外ではないですよね」と語るのは、ゴルフ会員権を専門に扱う加賀屋ゴルフ代表の前田信吾さん。

 キャディーさんの仕事は本当に体力勝負。キャディーとしての基本的な業務に加え、ゴルフの知識やビジネスマナーも求められる、かなり特殊な接客業でもあります。

「ある種の専門職ですから、雇い主である企業側もきちんと育てていかなくちゃならない。キャディーさんの減少を食い止めるためにキャリア形成をサポートしたり、待遇面を見直したりする企業が、ここのところ少なからず増えてきた印象です」と、前田さん。

「僕が知っている範囲では、かなり前から飯能グリーンカントリークラブ(埼玉県)がキャディーの採用に力を入れていました。『CAS』(※『キャス』=コースアドバイザリースタッフの略称)という独自の呼び名のもと、積極的にキャディーの育成を図っています」

「最近の話ですと、今年4月から西武・プリンスホテルズワールドワイドが運営する国内8つのゴルフ場でも、キャディーさんの呼称を『CA』(※コースアテンダントの略称)に変更しました。こちらも呼び名の変更に伴い、従業員の働きがいと働きやすさを重視し、さらなる待遇の改善を目指しているようです。経営母体がしっかりした企業だからこそできる施策ですよね」

 日本のゴルフ場では、相変わらず女性のキャディーさんが多い印象です。今後はこのようなキャディーさんの処遇改善が全体的に進んでいくのでしょうか。例えば欧米諸国のゴルフ場のように、待遇面が向上することで日本でも男性のキャディーさんが増えていくのでしょうか。

「う~ん、それはどうでしょうか。日本のゴルフ場では“キャディーさん”といえば、依然女性のイメージが強いですよね。先日プレーした京都の名門、田辺カントリー倶楽部(京都府)では、珍しく男性キャディーさんが多く見受けられました」

「でも全国的にみれば男性のキャディーさんの数はまだまだ少ないようですし、少なくともスコットランドのゴルフ場で見かけるような数にまで、日本でも男性キャディーさんが増えていくとは思えないですね」

“大衆コース”と“キャディー付きコース”の二極化へ

 セルフプレーが主流となりつつある一方、キャディーの育成や待遇改善を掲げる企業も現れる昨今。日本の近未来のゴルフ場は、どのようなスタイルへと変化していくのでしょうか。

「セルフプレーに重きを置く、いわゆる大衆向けのゴルフ場は一層増えていくでしょうね。僕が考える“大衆ゴルフコース”とは1.洗面所のタオルなし(ペーパータオルのみの設置)、2.タブレットの導入、3.無人の茶店、これらのうちいくつか、またはすべてを採用しているのか、というのを一つの目安としてとらえています」

 これに対して、キャディーさんのキャリア形成をしっかりサポートしながら待遇面を改善、そしてホスピタリティーをより重視しながらゴルフ場としての質を格上げしていく“キャディー付きコース”も、きちんと存続していくと前田さんはいいます。

「一流のキャディーを育成するには、それなりの時間もお金もかかります。これができるのは、やはり経営母体がしっかりしていないと無理。将来的にはキャディーフィーが上がる可能性もあるのではないでしょうか」

今シーズンもインドネシアから語学留学生キャディーを受け入れている片山津GC(写真は白山C) 写真提供:加賀屋ゴルフ
今シーズンもインドネシアから語学留学生キャディーを受け入れている片山津GC(写真は白山C) 写真提供:加賀屋ゴルフ

 さらに「少々話は反れますが……」と、前田さん。

「地方の一部の名門コースでは、インターンシップで来日する語学留学生をキャディーとして採用し始めました。留学生は日本語とキャディー業務を学びながら、実際にキャディーとしてコースに出るというものです」

「北陸の能登カントリークラブ(石川県)や片山津ゴルフ倶楽部(石川県)、芦原ゴルフクラブ(福井県)では、インドネシアの大学からインターンシップで来日した留学生がキャディーとしてすでに活躍しています。地方では今後、このようなスタイルも増えていくのではないでしょうか」

 時代の変化とゴルファーのニーズに応え、変化を遂げる日本のゴルフ場。

 人件費や諸経費を出来る限り抑え、よりリーズナブルにゴルフが楽しめるようセルフプレー中心のスタイルを提供する大衆的なゴルフ場。そして、より高いホスピタリティーを追求し、キャディーの採用にも積極的に尽力しながらキャディー付きのプレーを維持する高級志向のゴルフクラブ。

 日本のゴルフ場は近い将来、これら二つに大別されていくようです。

【監修】加賀屋ゴルフ代表 前田信吾さん

ゴルフ会員権取引を行う加賀屋ゴルフ代表取締役。ここ10年は、2日に1回の割合でラウンドを楽しむゴルフの達人(2024年は年間213回)。独自の視点を生かしたゴルフ場の比較&検討に定評アリ。

2025年版 世界トップ100ゴルフコース1~30位
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