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「2025年問題」は実際に起きたのか? ゴルフ場業界が恐れる「ジャンボ訃報ショック」 本当の危機は5年後か 【小川朗 ゴルフ現場主義!】
団塊世代の高齢化による経済などへの影響が顕著に表れるとされた「2025年問題」。ゴルフ業界は特に落ち込みが心配される分野と目されていました。その2025年が終わった今、振り返って実際に「2025年問題」は起きたのでしょうか? 日本ゴルフジャーナリスト協会会長の小川朗氏が取材しました。
最も深刻な状況を迎えるのは5年後の2030年だと判断
人口が最も多い「団塊の世代」(第1次ベビーブーム期に生まれた人)が75歳以上の後期高齢者となった2025年が終わりました。社会保障(医療・介護)や経済活動など広範な分野に大きな影響が及ぶとされる「2025年問題」。ゴルフ業界にとっても他人事ではありません。
現在の主要な顧客層はまさに団塊の世代。後期高齢者となったタイミングで運転免許の返納や体力の低下、経済的な理由からゴルフ離れが加速することが予想されていましたが、実際のところはどうだったのでしょうか。多くの関係者は下降線にブレーキがかかった「踊り場」現象だと指摘します。しかし問題はこれから。その先行きを左右しそうなニュースが、年末のゴルフ界を駆け巡りました。ジャンボこと尾崎将司氏死去、の報です。

※ ※ ※
「2025年問題が起こるとされた年」の師走に、衝撃的なニュースが流れました。ジャンボこと尾崎将司さん死去のニュースです。
享年78。12月23日にS状結腸がんのため死去した尾崎氏は、1947年1月24日生まれ。1947~49年生まれとされる団塊世代の星でした。突然の悲報はマスコミだけでなくSNSでも大反響を呼び起こし、あらためて国内男子ツアー通算94勝、プロ通算113勝、賞金王は実に12回という偉大な記録と、その人気が見直されることとなりました。
裏を返せば、同世代の星がこの世を去ったことにショックを受け、さびしさを感じるゴルファーが少なくないことも確かです。その結果、自らもクラブを置き、ゴルフから離れる決断をしてしまうのではないか。一部からはそんな懸念も聞こえてくるのです。
栃木県鹿沼市で3コースを運営する鹿沼グループの福島範治社長もその一人。ニュースを聞いて、ある不安を感じたと言います。
「ジャンボ尾崎さんが亡くなったことは、団塊の世代がゴルフをやめるきっかけになってしまうのではないか。『俺もやめるかな』って方が出てこなければいいなと、気にしているところです」
ゴルフ人気を牽引し、一時代を築いたジャンボの功績が大きければ大きいほど、喪失感もそれに比例するのは仕方のないことでしょう。けれども、ゴルフ界としてはそれを乗り越え、ジャンボが遺してくれたものをしっかりと生かしていかなければなりません。それができているのでしょうか。

実際のところ、2025年に起きるとされた多くの問題は、起きたのでしょうか。鹿沼グループが状況分析を行った結果、最も深刻な状況を迎えるのは5年後の2030年だと判断したと言います。
「われわれは2025年にこの問題が一気に来るのではなく、ジリジリと来ているため、2030年が(本当の)危機だと思っていました。そこで『事業成長計画2030』を作り、さまざまな手を打ってきています。U35(アンダーサーティーファイブ=35歳以下の会員)の新しい制度を今年作りまして、アソシエイツ会員という35歳を過ぎても正会員になると約束してくれた人を優遇する制度(45歳まで)を作りました。35歳で(U35を)卒業した後の、フォローアッププランも充実させていこうと思っています」と、各年齢層への対策を明かしたうえで、こう続けました。
「コミュニティーゴルフや地域の連携で、地元の人たちが気軽に来られるプラットフォームを作っています。ゴルフ人口は(日本)全体のまだまだ5%ですから、(残りの)95%に対して諦めずにアプローチしていきたい。子どもたちがやるコミュニティーゴルフ、子どもたち以外の女性の(プレーの)機会を広げていく」と、さまざまな方法を模索しています。
「鹿沼CCではこの5年間で、16%程度の会員が退会しています。その一方で会員を増やしていこうということで、この5年で1000名くらい、名義変更による新規入会で会員になられた方がいるんです。平均年齢は52歳。50代くらいでコアになる人を増やしていきたい。またLINE会員やWeb会員という若い世代の会員が3万人くらいになってきたので、着実に成果は出てきつつあるなと思っています」(福島社長)と、5年後に向けて着々と手を打っていることを明かしてくれました。
2025年問題対策が各方面で講じられた結果、「踊り場現象」が出ている
多くのゴルフ場があらゆる手を尽くしてこの問題に対応しています。それが2025年以降も続くはずの右肩下がりの状況に歯止めをかけ、横ばいの水準になったと見るのが日本ゴルフ場経営者協会の大石順一専務理事です。
「ゴルファーの減少は、今年(2025年)というよりもう少し先じゃないですかね。かなり多くのゴルファーが減ると思ってたんですけれど。今年は運が良かったのかどうか分かりませんが、ゴルフ場もそれほど夏の暑さによる大きなダメージがとはなっていなくて、10月ぐらいになってまた回復してるんです。去年より減っているのは確かなんですが」
大石氏のこの言葉の裏にあるのが、ゴルフ界全体を包み込んだ2025年問題に対する危機感から生まれた対策です。
「2025年問題対策が各方面で講じられた結果、『踊り場現象』が出ているという見方です。問題を意識して対策を施したということですね。クーラーカート、ミストカー、ティーイングエリアの前出し、フェアウェイへのカート乗り入れ……。こうした対策により、落ち込みそうになっているのをなんとか耐えたということですね」
2025年問題は踊り場に入ったとはいえ、先延ばしできる期間はあと数年。一大勢力である団塊世代がプレーをやめる日は、いずれ来ます。付け焼刃ではなく、抜本的な対策ができるかできないかが、ゴルフ場の命運を分けることになりそうです。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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