- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- コラム
- 自分は何もしてないのにボールが動いた… 「自然の力」と「外的影響」の違いや正しい処置とは?
2017年「チューリッヒクラシック」で生まれた“奇跡の1打”。ボールは誰も触れていないのに自然に動き出し、絶好の位置へ。ルール上はどうなるのでしょうか。
グリーン脇に止まっていたボールが「自然の力」でナイスオン!
PGAツアー競技「チューリッヒクラシック」のプロモーションで、同ツアーはインスタグラムのリール動画に過去大会の名(迷)シーンを投稿。そのうちの1本が190万回に迫る再生数を獲得する人気動画となりました。
この人気動画は2017年大会の第1ラウンドでのこと。前年優勝のブライアン・スチュアードとのペアで出場したクリス・ストラウド。8番パー4の第3打は、グリーン脇の急な下り傾斜からのパッティングアプローチになりました。
ところが、ボールにアドレスをして、いざ打とうとしたところで、ボールがかすかに動いたことに気が付きます。そこで彼はアドレスを解き、キャディーに「見ろよ、動き出したぞ」と言うと、ボールはゆっくりと動き始めます。

「(ボールと地面の)どこにも触れなかった?」とキャディー。「触れてない」とストラウド。
と、ボールは斜面を転がり始め、グリーンエッジから1メートルほど中に入ったところで止まったのです。
そこからカップまでは3メートル余。“あるがまま”であれば、距離感が難しい斜面からのアプローチが一転、絶好のバーディーチャンスです。
処置の確認で呼ばれた競技委員は、ストラウドがボールの動く原因になるようなことを行っていないことを認め、ボールは止まったところから次のプレーとなりました。
そして、ストラウドはそのバーディーパットを見事に沈めたのでした。
このケースでは、規則9.3「自然の力が動かした球」が適用され、プレーヤーは無罰で、ボールはあるがまま。動いた先の止まったところから次のプレーをしなければなりません。
しかし、「自然の力が動かした球」の処置には例外が2つあります。
一つはグリーン上で既に拾い上げられ、リプレースされたボールの場合で、風などの「自然の力」で動かされたときは、無罰で再度リプレースしなければなりません。
もう一つの例外は、救済処置などでドロップやプレースされて止まっていたボールが、その後に「自然の力」によって動かされ、他のコースエリアやOBに移動した場合も、やはり無罰でリプレースしなければなりません。例えば、ジェネラルエリアにドロップしたボールがバンカーやペナルティーエリアに転がり込んだ場合です。
ボールが「外的影響」によって動かされたときは、無罰でリプレース
コース上、止まっていたボールが動くのは、多くは「自然の力」か、プレーヤー本人を含む人間によるものですが、もうひとつ、人間を除く「外的影響」という要因があります。その代表はカラスなどの鳥や動物ですが、珍しいところでは昆虫という例があります。
ミミズや昆虫は、ゴルフ規則上の「ルースインペディメント」であり、「動物」とも定義され、動物がプレーヤーのボールに影響を与えたときは「外的影響」に該当します。
そこで、止まっていたボールが外的影響により動かされたときは、規則9.6「外的影響が動かした球」により、無罰でボールは元の箇所にリプレースしなければなりません。
たとえ昆虫がボールをより良いライに動かしてくれても、無駄なのです。
また、風は「自然の力」ですが、風によって飛ばされてきた葉や木の枝(ルースインペディメント)、あるいはビニール袋(動かせる障害物)も、同じく「外的影響」になります。無罰でボールはリプレースです。
動いた原因による処置の違い、間違わないようにしましょう。
文・小関洋一
出版社、編集プロダクションを経て83年からフリーランスライターに。テレビ誌・トレンド誌などで主にスポーツに関する記事を執筆。テレビ、ラジオのスポーツ番組の構成も手掛ける。その後はゴルフ誌やネットメディアで内外の最新情報やゴルフ場レポート、ルール解説を執筆。JGAやKGA競技のオフィシャルライターも務める。東京ゴルフ倶楽部や日本ゴルフ協会の年史制作に携わっており、ゴルフ史に関する執筆機会も多い。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
ranking











