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新規大会「ドラッグストア・コスモスカップ」超スピード創設の裏側 男子ツアーのV字回復へ“日大トリオ”が大活躍 【小川朗 ゴルフ現場主義!】
男子国内ゴルフツアーの新規トーナメント「ドラッグストア・コスモスカップ」が10月1日から開催されることが発表されました。
「さすがに来年度の話だと思ったんです」
きっかけは優勝祝いの提案から。それが賞金総額1億5000万円のトーナメントに化けたのだから、選手会副会長・堀川未来夢の営業力は超一流と言っていいはず。
7月7日、都内のホテルで男子国内ゴルフツアーの新規トーナメント「ドラッグストア・コスモスカップ」が誕生することが発表されました。株式会社コスモス薬品と日本ゴルフツアー機構(JGTO)の共催で、10月1日から4日間、静岡県三島市のグランフィールズカントリークラブで行われます。
記者会見に登壇したのは、コスモス薬品の横山英昭社長とグランフィールズCCの井上和巳支配人代行。JGTO側からは倉本昌弘副会長、選手会の阿久津未来也会長、堀川未来夢副会長が出席しました。このプロゴルファー3人に共通するワードは? 即答できればなかなかの男子ゴルフ通でしょう。

正解は日大ゴルフ部。大学ゴルフ界では東北福祉大と覇権を争う伝統ある強豪校です。その日大ゴルフ部が練習の場として使用させてもらい、キャディーのアルバイトもしているのが大会の舞台となるグランフィールズCCなのです。
大会が生まれるキッカケを作ったのは、堀川副会長が今年の5月、絶妙なタイミングで放ったセールストーク。その瞬間を、横山社長はこう振り返りました。
「(堀川が優勝した中日クラウンズの)優勝祝いを贈ろうとしたんです。すると堀川プロから『男子プロゴルフ界は、大会の賞金額が下がる一方で年間20試合程度になり、シード選手でも収支が赤字になる状態を何とか助けてほしい。何とかコスモスで1試合やってもらえないか』と相談されまして」
男子ツアーは最盛期の1990年には年間44試合開催されていましたが、今季は22試合まで減少していました。そうした窮状を訴えられたことで、横山社長も心を揺さぶられることになります。
「男子プロゴルフ界の状況は以前から存じ上げていました。しかし、こうしたスポーツ振興に対しては、弊社よりも大きな大企業が担うべきだと思っておりました。ただ、よく考えればそれも無責任な態度だなと思いました」
「旧知の堀川プロから直接お願いされて、それを放っておくわけにもいきません。大会を主催することを決断させていただきました。CSR活動としても大いに意義のあるものだと考えております。オリンピック種目である男子ゴルフを衰退させることはあってはなりません。プロが活躍している姿を少しでも多く見せることで、子どもたちが憧れるスポーツであり続けてほしいと思っております」と熱い思いを吐露しました。
それからはとんとん拍子。堀川がそれから超スピードで開催が決まるまでの経過をこう振り返ります。
「もうシーズンも始まっていた5月に話をしたんで、さすがに来年度の話だと思ったんです。そうしたら『空いてる週はありますか? 10月ですか。コースはどうしましょうか』と、まさかまさかの話になって」。堀川は来年開催を望んでいたところが、前倒しで今年の10月の開催にOKが出るというまさに望外の展開が凄まじいペースで進んでいくのです。
「大成功して『やってよかったな』と思ってもらえるように」
そこでサポートに乗り出したのが日大ゴルフ部では堀川副会長、阿久津会長の大先輩であるJGTOの倉本副会長。
「6月に(グランフィールズ)の杉山(孝)会長にお会いしたときに『10月のこの週にはいくつかの組数が入っている』ということだったので『ちょっと無理かな』と私は思ったんですが、杉山会長から『大丈夫、空けるから』ということを言っていただきました」
「また、ここにいる両名(堀川、阿久津)とも日大のゴルフ部で練習にグランフィールズを使っていた。またグランフィールズと(堀川)はすごく縁がある。日本プロゴルフ選手権(2022年)に優勝したということで、杉山会長も一言で『やるよ』ということを言ってくださった」と経緯を話したうえで、こう締めくくりました。「本当に様々な奇跡がつながって、今日の発表になっているんだろうと私は思っております」。
5月に話が出て、10月開催の試合を7月に発表する。まさに常識破りのスピードで、1億5000万円のトーナメントが産声を上げたわけです。
JGTOが生んだ“名営業マン”堀川はしみじみと、こう語りました。
「僕はやっぱりグランフィールズさんは昔キャディーをさせていただいて、そこで優勝したというのもあって、本当に奇跡がいくつか重なって、来年度かと思ったんですが今年の10月に開催できるということになりました」
「やっぱり選手としても、すごく今試合数が減っている中で1試合新規トーナメントができるということは本当にポジティブなニュース。今回試合を開催してただ僕たちも選手は試合を開催できたからそこで終わりではなく、ここは僕はスタートだと思う。本当にこの1試合、第1回大会を選手みんなで盛り上げて、大成功して『やってよかったな』と思ってもらえるようなトーナメントにしたいと思っています」
「本当にこのスピード感で試合ができたというのは過去にもないと思います。コスモス薬品さん、グランフィールズさんからも『ぜひやる』という言っていただいた以上、選手はそれに向かって準備するだけです。賞金総額の1億5000万という金額は、今の男子にとってはすごく大きい金額ですので、いろんな期待値もありますし、選手もしっかり答えてくれるんじゃないかな、と思っています」
2027年にJ-TourとなってリスタートするJGTO。V字回復への予感が、少しづつ確かなものになりつつあります。(小川朗/日本ゴルフジャーナリスト協会会長)
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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