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- 堀琴音 低迷期支えた2人の前で涙のツアー初優勝!
若林舞衣子と堀琴音の一騎打ちとなったニッポンハムレディス最終日は、18ホールで決着がつかずプレーオフへ。3ホール目でパーセーブした堀が、ボギーだった若林を振り切り、嬉しいツアー初優勝を飾った。 ◆国内女子プロゴルフ<ニッポンハムレディスクラシック 最終日◇11日◇北海道・桂ゴルフ倶楽部 6763ヤード・パー72>
「復活できるプロはほとんどいない」森コーチの重い言葉
「これだけ落ちて苦しんだ状態から復活できるプロはほとんどいない。だから、本当に頑張ったんだよ」
愛弟子の涙のツアー初優勝を見届けたプロコーチの森守洋さんは、感慨深げにつぶやいた。
2014年にプロデビューを飾った堀。翌年には賞金シードを獲得し、姉であり、ツアー2勝の堀奈津佳とともに美人姉妹プロゴルファーとして脚光を浴びた。
しかし2018年シーズンにシードを喪失すると、「絶望しか無くて、この世の終わりと思った」(堀)という長い低迷期に入る。
森コーチが堀の指導に携わることになったのは2018年の夏ごろ。先輩プロの原江里菜の仲介だった。
「(最初のころは)本当に下手くそで、考え方も子供だったから大変だった」と笑顔で当時を振り返りながら、「でもね、今年の熊本(KKT杯バンテリンレディスオープン)くらいからは優勝できそうな雰囲気があったんだよね」
転機となったのは2021年のダイキンオーキッドレディス。森コーチのアドバイスで、ドライバーの球筋をドローからフェードに変えた。「ダイキンの1発目は笑っちゃうほどの右への大プッシュだった」(森コーチ)が、この大会で2年ぶりに予選を通過。
その後、明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメントで8位タイ、KKT杯バンテリンレディスで6位タイに入るなど12試合中トップ10入りが4回、予選落ちが2回と復活モードに入った。
ニッポンハムレディスでは、初日に首位に立つとその後も上位争いを展開。「3日間に比べてドライバーが曲がっていた気がした」(堀)という最終ラウンドでは、好調だったショットを武器に5つのバーディーをゲット。12番終了時で2打差あった若林を15番で捉えた。
そして、プレーオフのティショットでは、「緊張したときのために練習してきた」(森コーチ)“低いフェード”でフェアウエーをキープ。「疲れちゃったんでしょうね。なかなかまっすぐ行かなかった」と悔やんだ若林を、3ホール目で振り切った。
「苦しかったことが全部こみあげてきて頭が真っ白になった」(堀)という優勝の瞬間を、姉の奈津佳も現地で見届けた。自身はこの大会で予選落ちしたため、すでに北海道を離れていたが、急遽戻ってきたのだ。
「お昼ぐらいにコースに着きました。妹が優勝するときは必ずこの目で見たいと思っていた。やっぱり泣けましたね」
苦労を共にしてきた姉のサプライズを知った妹は、「(来ることを)知らなかったのでびっくりした。姉は私のラウンドをほとんど見に来ないタイプなので、きょう来ていたってことは、もしかして優勝するかもって思ったのかも」と笑顔を見せた。
次の夢は姉妹での優勝争い
これで福嶋晃子、浩子姉妹に次ぐJLPGA史上2組目の優勝姉妹プロとなった堀姉妹。「やっと堀姉妹優勝しましたと胸を張って言えます。姉は2勝しているので、私も早くもう1勝したい。いつかは姉妹で優勝争いをしたいですね」
姉に影響を受けた妹が、今度は姉に刺激を与えた。夢だという姉妹での優勝争いの実現を、ファンも待ち望んでいる。
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