山下美夢有の“止まらないルーティン”が生む抜群の安定感【石井 忍のここスゴ!】

ツアープロコーチとして活躍している石井 忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、2021年4月のKKT杯バンテリンレディスでツアー初勝利を挙げた山下美夢有選手です。

ミスの原因はスイング前の動きにある!

■山下美夢有(やました・みゆう)/2001年生まれ、大阪府出身
 2019年のプロテストに合格。昨年の日本女子オープンから18試合連続で予選通過するなど、安定した成績を残している。今年4月のKKT杯バンテリンレディスでツアー初勝利を挙げた。加賀電子所属。

山下美夢有選手のテンポが良い秘訣は“止まらないルーティン”にあり 写真:Getty Images

 私が最初に山下美夢有選手のスイングを生で見たのは、2021年のヤマハレレディースオープン葛城の練習日。16番ホールのティイングエリアでした。

 葛城ゴルフ倶楽部(山名コース)の16番といえば、非常に難易度が高いパー4として知られています。ティショットからは豪快な打ち下ろしで、左サイドはガケのため、フェアウェイの右から攻めるのがセオリーです。しかし、ドライバーを手にした山下選手は左サイドのラインぎりぎりを狙い、ベストポジションにボールを運びました。

 練習ラウンドとはいえ、プレッシャーがかかるシチュエーションで、あのティショットは見事。以前から、「スイングが安定している選手だな」と思っていましたが、まるでショートアイアンで打つように、ドライバーショットでラインを出していたんです。

 山下選手のスイングの安定感は、テンポの良さから生まれています。「テンポが良い」というと、スイング始動からフィニッシュまでの動きをイメージする人が多いと思います。しかし、スイング中のテンポだけを意識しても、なかなかうまくいきません。大切なのはルーティンです。山下選手のルーティンには、止まる瞬間がありません。

 ターゲットを確認してワッグルをし、両足をパタパタさせ、そのままスイング始動に入ります。これがテンポの良さ、思い切りの良さ、そして安定感を生んでいるのです。ちなみに、この大会の山下選手は単独2位フィニッシュ。その2週間後のKKT杯バンテリンレディスでツアー初勝利を挙げています。

安定感抜群の山下美夢有選手のスイング 写真:Getty Images

 ラウンド中に突然ミスが出たり、プレッシャーがかかる場面でミスが出る人は、自分のルーティンを振り返ってみてください。滞る瞬間が少しでもあれば、それがスイングを崩している原因かもしれません。

 球を打つ練習も大切ですが、山下選手の“止まらないルーティン”をマネて練習すると、スイングが安定するはずです。

■石井 忍(いしい・しのぶ)/1974年生まれ、千葉県出身
 日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。

石井忍氏

【写真】8月に20歳になったばかりの山下美夢有 ラウンド中に見せる満面の笑みの実際の画像を見る

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