プレッシャーがかかる難しい状況は“つぶやき作戦”で乗り切る!【石井 忍のここスゴ!】

小澤裕介

2021年9月8日

コラム

多くのツアープロコーチとして活躍している石井 忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、マイナビネクストヒロインゴルフツアーの開幕戦を制した、八巻セイラがプレー中に行っていた“つぶやき”だ。

日本と豪州のハーフ・八巻セイラの独り言

■八巻セイラ(やまき・せいら)/1997年生まれ、オーストラリア出身。
日本とオーストラリアのハーフで英語と日本語を話すグローバルな選手。173センチという身長が特徴的だが、ショートゲームを得意とするプレーヤー。ゴルフ番組「白金台女子ゴルフ部」でも活躍

「マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー」をご存じでしょうか。試合経験が少ない将来有望な25歳以下の女子ゴルファーに対して、試合の場を提供するために2019年に発足したツアーです。

2021年マイナビネクストヒロインツアー開幕戦で優勝を果たした八巻セイラ 写真:石井忍プロ

 今年は年間12試合の開催を予定しており、8月20日に開幕戦「リオン・ドールコーポレーション/ゼビオグループチャレンジカップ」が行われました。

 今回は、初戦を6アンダーで制した八巻セイラ選手のラウンド中のある言動にスポットを当てました。この大会で解説を務めさせてもらった私は、優勝争いする八巻選手を見守っていたのですが、彼女はプレー中に何やら独り言をつぶやいていたのです。

 優勝インタビューの際、そのことについて本人に尋ねると恥ずかしがっていましたが、どうやら「大丈夫だよ」とか、「弱気になっちゃダメ」などと自分に語りかけていたようなのです。

 自分に問いかけるという行為は、実は私も大切だと考えており、コーチをしている若い選手たちにも教えていることなんです。プレッシャーがかかる場面や難しいシチュエーションに遭遇した時に、自分に語りかけることで冷静さを取り戻すことができ、いつも通りのスイングをしやすくなります。

 ただし、注意点があります。「自分には絶対できる!」「ミスするはずがない!」と、根拠のない自信だけを口にしてはいけません。現在、自分が置かれている状況を的確に判断し、なぜ難しいと感じているのか、この状況を打開するにはどんな方法があるのかを自分に語りかけることがポイントです。

具体的な内容をつぶやくことで困難な状況を打開できる

 例えば、左サイドの池が気になるシチュエーションなら、「左サイドにハザードがあるからヒッカケは絶対にNGだ。クラブを短く持って、ダウンスイングで右肩が下がらないように打てば、左へのミスが防げるぞ」などと自分に語りかけましょう。

 そして、状況を把握し、対策を練った上で、「よし、大丈夫だ!」とショットに挑むことで、ミスの可能性を減らすことができます。

 ちなみに、右サイドがイヤな場面なら、例えば「クローズに構えて、いつもより球を内側にセットしよう」とか、「バックスイングでしっかり右肩を引いて、球をつかまえよう」などと、自分に語りかけると効果があるでしょう。

 マイナスなシチュエーションをしっかり受け入れてから、その状況を打開できるためのプラスの要素を取り入れる。

 私は、これを“プラマイ・ゼロ思考”と勝手に呼んでいます。八巻選手のように実際に声に出さなくても、心の中で自分に問いかけるだけでもOKです。ラウンド中、難しい場面に遭遇したら、皆さんもぜひ試してみてください。
 

■石井 忍(いしい・しのぶ)/1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。

八巻セイラと越雲みなみの秘蔵写真を見る(4枚)

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