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コラム

前人未踏のアマチュア複数回優勝へ 部門別データで分かった中島啓太のポテンシャル

2021.10.13 宮井善一
中島啓太 松山英樹 金谷拓実

男子ツアーのパナソニックオープンでアマチュア優勝を成し遂げた日体大3年の中島啓太。当面はアマチュアのままプレーするとあって、期待されるのは前人未踏のアマチュアでの複数回優勝だ。彼の部門別データを読み解くと、期待感はさらに高まってくる。

赤星六郎から始まったアマチュア優勝の軌跡

 ツアー制度が施行された1973年以降、アマチュアで男子ツアー競技に勝ったのは倉本昌弘(1980年中四国オープン)、石川遼(2007年マンシングウェアオープンKSBカップ)、松山英樹(2011年三井住友VISA太平洋マスターズ)、金谷拓実(2019年三井住友VISA太平洋マスターズ)、そして今回の中島と5人いる。

過去のアマチュア優勝達成者と比較しても中島の能力はピカイチ 写真:JGTO images

 ちなみに、ツアー制度施行前では第1回日本オープン(1927年)の赤星六郎、1967年西日本オープンの中部銀次郎という例もある。

 この中で中島の男子ツアーにおける部門別データを松山、金谷のアマチュア時代と比較してみた。この2人を選んだのはアマチュアで勝った時の年齢が中島と近く(松山は大学2年、金谷は大学3年)、なおかつ直近の2例であり比較しやすいからだ。

松山英樹、金谷拓実と比較して分かる中島啓太の“すごさ”

 比較するデータの採取時期は大学入学からプロ転向するまで(中島はバンテリン東海クラシック終了時)のもの。部門は平均ストローク、ドライビングディスタンス、フェアウェイキープ率、パーオン率、平均パット、バーディ率、パーキープ率、リカバリー率の8部門だ。

【平均ストローク】最初の数字は3人の中の順位
1.中島 70.47  2.松山 70.56  3.金谷 70.60

 いずれも素晴らしい数字でここ数年の部門別順位にあてはめれば金谷で10位前後、中島は5位に入ってもおかしくない高いレベルだ。これは優勝した以外の試合でも安定したスコアを出していた証拠。一番先輩の松山は大学時代に16試合中7試合でトップ10に入っていた。金谷は10試合中トップ10が3試合。中島も現在11試合中トップ10が4試合で、しかも優勝のほか2位と3位が1試合ずつありトッププロと比べてもそん色のない成績を残している。

【ドライビングディスタンス】
1.中島 298.74ヤード  2.松山 289.85ヤード  3.金谷 282.56ヤード

 中島が2位の松山を9ヤード近く引き離しての断然1位である。松山もアマチュア時代から相当飛んでいた印象があったが、中島はさらにその上をいっているわけで、ツアー全体でもトップクラスである。

【フェアウェイキープ率】
1.金谷 66.81%  2.中島 52.78%  3.松山 45.84%

 飛距離で劣るぶん、正確性では金谷が一枚上だ。だが、中島の数字も悪くない。ツアー全体の平均値に近く、飛距離があることを考えれば十分だろう。

【パーオン率】
1.中島 66.20%  2.金谷 65.69%  3.松山 64.24%

 ここでも中島が1位だった。優勝したパナソニックオープンでは73.61%という高いパーオン率を叩き出している。

【平均パット】
1.松山 1.7760  2.中島 1.7916  3.金谷 1.7985

 これはパーオンしたホールでの平均パット数というデータになる。グリーン上では松山の完成度が高かったということ。この部門は3人ともあまりいい数字ではなく、松山でも部門40位前後のレベルでしかない。ただ、プロ転向後は松山も金谷も良化しており、金谷は今季1.7294で部門3位につけている。

【バーディ率】
1.松山 3.80  2.中島3.67  3.金谷 3.18

 松山が2部門目の1位。大学時代からスケールが大きかったことをうかがわせる。中島も今季だけなら3.93と高く、今平周吾や星野陸也(ともに3.91で部門13位)らと同レベルの数字を残している。

【パーキープ率】
1.金谷 84.48%  2.中島 83.18%  3.松山 82.42%

 ここではステディなゴルフをする金谷がトップだった。中島の数字も悪くはない。パナソニックオープンでは決勝ラウンド36ホールでボギーは2個だけ。パーキープ率は94.44%だった。

【リカバリー率】
1.金谷 63.33%  2.松山 61.30%  3.中島 58.90%

 最後の部門で中島が初めて最下位になってしまった。リカバリー率とはパーオンできなかったホールでどれだけパーセーブ(バーディも含む)できるかというもの。地味なデータかもしれないが、強い選手は総じてリカバリー力が優れているものだ。飛んで、パーオン率も高い中島だが、ここが弱点といえるだろう。

 3人の部門別データを比較すると中島はほとんどの分野で松山や金谷の大学時代と互角以上であることが分かった。松山は初優勝後、プロ転向まで9試合に出場して2位に2度食い込んでいる。金谷は1試合だけだったが、2打差の5位と優勝争いに加わっていた。この2人と互角以上のゴルフをしている中島ならば再びチャンスを迎えることは濃厚だ。当面はアマチュアとしてプレーすることを表明しているだけに、期待大である。

 まずは今週の日本オープン、そして主催者推薦で出場が決まったZOZOチャンピオンシップという大きな試合が続く中島。バンテリン東海クラシックで痛めた腰の状態が気になるが、前人未踏のアマチュア2勝目という大記録に挑む雄姿を見たいものだ。

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