来年は最大で14試合に出場可能。日本からいなくなるワケではありません!
今シーズン、伊藤園レディスを最後に私はこれまで保持していたシード権を失いました。今回は現在の心境と、これからどうしていくのかを少しお話したいと思います。

伊藤園レディスの最終日には最後のホールに行くと数十人のカメラマンさんがいました。最初は「なんだろう?」って思っていたのですが、私が今週開催の大王製紙エリエールレディスにはエントリーしていないので、シード権を失うことを知っていたんですね。
そんな光景を見て、悲しい気持ちになりました。2011年から保持してきたシード権を失うんだな……と。引退はしませんが、これまで出場していた試合も姿を見せられないことが増える思うと、すごく複雑な心境になりました。
数日経った今、どう言えばいいんでしょうか……。
毎年30試合以上も出続けてきましたし、韓国から日本に来て10年以上もプレーしているので、「心も体もしんどくなっていた」というのが正直なところです。
そういう意味では、来年から肩に背負っていた重い荷物を下ろすわけですが、いろんな感情が入りまじって言葉にするのが難しいです。
ただ、来年も日本ツアーには出ます。推薦をいただければ最大8試合は出られますし、さらにシーズン開幕から5試合と日本女子プロゴルフ選手権は出場できることも分かりました。(入国制限によって保障された出場資格が翌年に持ち越されたぶん)
つまりシード権は失ったものの、最大で14試合は出られるので、また日本のみなさんの前でプレーする機会はあります。もう私は来年からほとんど日本にいないと思っている人も多いので、伝えておきますね(笑)。
なので、来年は試合数に対する心配はしていません。ただ、例年のような連戦ではなくなるので、少ない試合に対してしっかりと集中力を高めて挑まなければならないと感じています。
今思うと悪い方向には考えていなくて、むしろ私にはすごくいいリズムで試合に挑めるのではないかと考えています。
重荷から解放されたので、来年は明るい自分でいられそうです
悲しいのは10年以上も毎年顔を合わせてきた選手や関係者、ファンやメディアの方たちと出会う機会が少なくなることです。

でも、完全に会えなくなるわけではないので、そこはあまり深く考えないようにしています。考え始めるとすごく悲しくなってくるので。
試合に出ていない時は、また違う形でファンとのイベントなどで仕事をする考えもありますから、また新しい形でゴルフと向き合う1年になると思います。私が描いているイメージは、いろんなことにチャレンジするいい年になるのではないかと期待しています。
少し自分で悔しいなと思うのは、もちろんシードがあって、いい形で引退することがベストだろうなということです。
年齢とともに成績が出なくなるのは仕方がない部分だとは思っていますし、プロゴルファーとしての人生を少しずつ降りていこうと考えていました。
2年連続賞金女王になったあとからは、明確な目標やモチベーションが失っていた部分もありますし、そこから落ちていくのはすごく早かったのかなと思ったり…。
いや、考えてみたらそれでも周囲のサポートを受けていたぶん、うまくゆっくりと坂を下ってきたのかな。
ファンのことを考えると結果を残せずに、なかなか会えない寂しい気持ちもありますが、シードを落としたくない、守らないといけない、いい結果を出したいとかそういった重荷からは解放された状態なので、むしろ来年は今よりも明るい自分でいられるんじゃないかなと思っています!(笑)。
むしろこれから、プロゴルファーとして楽しさを伝えるための仕事がたくさんあるんだと伝えたい気持ちもあります。だから今は意外と前向きです。
シーズンが終わったと思ったら、また来年3月から日本女子ツアーは開幕します。そう考えるといつもあっという間なんですよね(笑)。
最後に何度も言いますが、私はまだ引退はしません。オフの計画はまだ何も決まっていませんが、来年も笑顔で楽しく過ごしていきます! コッチョンマセヨ!(心配ありません!)
【プロフィール】
イ・ボミ/1988年生まれ、韓国出身。2010年に韓国女子ツアー賞金女王となり、11年から日本ツアーに参戦。15年に7勝、16年は5勝して2年連続で賞金女王となる。ツアー通算21勝。2019年12月に俳優イ・ワン氏と結婚。愛称は“スマイル・キャンディ”。延田グループ所属