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- 「実は男性キャディーは苦手でした」イ・ボミと “優勝請負人”清水重憲さんの秘話
イ・ボミの“チンチャそれ!”Vol.9。日本女子ツアー参戦から11年目を迎えたイ・ボミ選手。2015、16年には2年連続で賞金女王となり、今も多くのファンから愛されています。今回はプロゴルファーにとって欠かせない存在、キャディーについて語ります。(構成:キム・ミョンウ)
韓国の試合ではいまだに女性のハウスキャディーを起用します
今回はプロゴルファーにとって大事なパートナーでもあるキャディーについて話したいと思います。私もプロゴルファーになってたくさんのキャディーさんと出会い、バッグをかついでもらいました。みなさんの印象ではやはり“優勝請負人”と呼ばれている清水重憲さんとタッグを組んでいたときの印象が強いと思いますが、“ノリさん”の話は少しあとにしましょう(笑)。
実は私、プロになってからはハウスキャディーばかりでした。それも男子キャディーはすごく苦手だったんです。どちらかと言えば、女性のハウスキャディーが話しやすくて気持ちの面でも楽にプレーできるからです。今も韓国で試合に出るとハウスキャディーにすることがほとんどです。
でも、日本に来た時からは「プロキャディーが必要」ということを周囲の選手を見ながら学びました。それからは日本のコースを熟知しているキャディーさんの話をよく聞くようになりましたし、試合中に起きるさまざまな状況で数ある選択肢の中から何をすべきなのか、どう攻めるのかなど、それこそスポンジのように吸収していったと思います。
キャディーさんは、選手の傾向を知ることがすごく大事な職業なのかなと感じます。悪いほうを選択しないように、会話をしながら、いいイメージでショットができるように選手の力になるのがベストですよね。あと、選手が言葉を話さなくても、今どのようなことを考えているのかを知ることも大事ですよね。
例えば、私が7番アイアンで打とうか8番アイアンで打とうか迷っている状況としましょう。風のジャッジが難しく、7番だと少し距離が出てしまうかもと一人で悩んでいるとき、キャディーさんが「今は風が左から吹いている。あなたはドローヒッターなので、むしろ7番でも大きく距離が出ない」と伝えてくれると、8番の選択肢がそこでスッと消えます。そうしてうまく誘導できるのは、すごくいいと思っています。
一方でキャディーとの会話が多すぎても、情報量が多すぎて流れが悪くなることもありますから、短い会話の中でどれだけ集中していけるかも大事だと思います。とはいえ、私は選手の立場ですから、キャディーさんの仕事について偉そうなことは言えません。簡単な職業ではないと思います。うまくいくときもあれば、そうでないときもあります。でも、私たち選手も含めて、だからこそゴルフは面白いのだと思います。
古江選手と組んで“ノリさん”が勝ったときは私もうれしかった
多くのゴルフファンの方がご存じの通り、私が2年連続で賞金女王になったときは清水重憲さんとタッグを組んでいました。今でも思うのは、賞金女王という目標達成のために清水さんと練習と試合に取り組み、いろいろなことを教わったということです。本当に厳しい戦いを乗り越えてきた仲だと今も思います。
ただ、私の成績が出なくなってきてからは、自分のメンタルがすごく重くなっていました。ゴルフはいいときもあれば、悪いときもあるので、私が一番良かったときに比べると、出来ないことが増えてきて、それで衝突することもあったりして……。長らく結果が出ずに迷惑をかけるなら、私から身を引いたほうがいいと思いました。若くて結果が出ている選手をかついでもらったほうが、また新鮮にいろいろなことを教えられるし、また勝てるかもしれないという思いもありました。なので、自然な流れの中でのタッグ解消でした。
それに今季、清水さんは古江彩佳選手のキャディーを務めてNOBUTA GROUPマスターズGCレディースで優勝しましたよね。女子ツアーで清水さんが勝ったのは、私が2017年のCAT Ladiesで優勝して以来だそうですが、私もうれしかったです。
今年、私のバッグをかついでくれたキャディーさんはベテランの方が多いのですが、予選落ちが続いたりすると、本当に申し訳なく思います。だから若い選手のほうがいいんじゃないかと考えるのですが、それでも1打でもいいスコアで回ろうと励ましてくれることに、すごく感謝しています。また頑張ろうという思いにさせてくれるのは、今の自分にはとてもありがたいです。
来シーズンもキャディーさんにはたくさん力を貸してもらうことになりそうですが、今は自分のゴルフを安定させることに集中していきます!
【プロフィール】
イ・ボミ/1988年生まれ、韓国出身。2010年に韓国女子ツアー賞金女王となり、11年から日本ツアーに参戦。15年に7勝、16年は5勝して2年連続で賞金女王となる。ツアー通算21勝。2019年12月に俳優イ・ワン氏と結婚。愛称は“スマイル・キャンディ”。延田グループ所属
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