イ・ボミが考える“家族観”とは? コロナ禍の外国人選手だからこそ思うこと | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

イ・ボミが考える“家族観”とは? コロナ禍の外国人選手だからこそ思うこと

イ・ボミの“チンチャそれ!”Vol.10。日本女子ツアー参戦から11年目を迎えたイ・ボミ選手。2015、16年には2年連続で賞金女王となり、今も多くのファンから愛されています。今回は結婚生活3年目を迎えたボミが“家族観”について語ります。(構成:キム・ミョンウ)

4姉妹みんなが結婚して母が幸せそうなことが私もうれしい

 12月に入ってから日本でのスポンサーイベントの仕事を終えて、ようやく韓国でゆっくりする時間を過ごしているところです。2019年に結婚しましたが、夫がいる場所に帰ると本当にホッとします。

アスリートには「力を得られる場所」が必要だとイ・ボミ 写真:作田祥一

 ちなみに私は4姉妹の次女ですが、意外と知らない人が多いかもしれませんね。長女の姉はもう結婚して子どもがいるのですが、その次に私が結婚し、妹たちも四女が昨年、三女が今年になって結婚しました。

 ということで4姉妹すべて結婚して家庭を持ちました。私の父が亡くなってから5年が経ちましたが、頼もしい娘婿たちがいることにオモニ(お母さん)はすごく安心していると思います。

 それに家族が集まって一緒にご飯を食べるだけでも本当にお腹がいっぱいだと話しているので、オモニの笑顔を見ていると私もすごく幸せな気分になります。

 私も結婚生活が3年目に入りました。え? 妹たちに夫婦生活で何かアドバイスをしたのかって? プロゴルファーの私がまともな結婚生活を送れていないのに、まともな助言はできませんよ(笑)。

 私はプロゴルファーとして日本で試合を続けて、夫は韓国で仕事をしていますから、いつも一緒にいられるわけではありません。ただ、今もこうしてオフの時間を夫と過ごしていると、本当に気持ちが安らぎます。一緒に過ごす時間がとても心が落ち着くんです。

 だから今年もゴルフの成績が良くなくて、体力的にも精神的にも辛くても、がんばろうという気持ちになります。それに夫に支えられているという部分も大きく、日本ツアーに参戦しているときでも心置きなく試合に集中することができています。

コロナ禍で変化した生活のサイクルは外国人選手みんなの悩み

イ・ボミ近影 写真:本人提供

 一緒に過ごす時間からもツアーが始まる来年3月からはまた離れなければならないわけですが、「毎日、家族の顔が見たくて死にそう!」っていうほどではありません。

 お互いに自分が任せられたポジションや仕事など、やるべきことをやっているので、そうした部分でも信頼があります。

 ただ、コロナ禍で状況が変わってきたのが、気軽に日本と韓国を行き来できなくなったことです。私は10年も日本ツアーでプレーしていますが、月に1回は韓国に帰ってリフレッシュしていました。ツアー連戦中は基本的にホテル生活になるので、休養することも大事な仕事。気分転換して英気を養うために、故郷に帰って家族と過ごすことが一つのルーティンになっていたのですが、昨年のコロナ禍からはそうした過ごし方ができなくなりました。

 一旦韓国に戻りたいと思っても、それができないだけで精神的にはかなりの重荷でした。コンディションの調整やメンタル面への影響は大きく、私だけでなく多くの外国人選手がそうした状況に悩まされていました。

 アスリートには「力を得られる場所」というものが必ずあります。“プロゴルファーである自分”と“普段の自分”のバランスがうまく取れなければ、年間を通して過酷なツアーを戦うのは難しいと思います。一年中、気が張り詰めたプロゴルファーとしては生きられませんから。

 だからこそ、早くコロナ禍が収まってほしいと願っています。そして、みなさんも大切な人と過ごす時間をなるべく持つようにしてください。

 楽しいオフはあっという間に過ぎそうですが、今は家族からしっかりとパワーをもらいたいと思います!

【プロフィール】
イ・ボミ/1988年生まれ、韓国出身。2010年に韓国女子ツアー賞金女王となり、11年から日本ツアーに参戦。15年に7勝、16年は5勝して2年連続で賞金女王となる。ツアー通算21勝。2019年12月に俳優イ・ワン氏と結婚。愛称は“スマイル・キャンディ”。延田グループ所属

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ハロウィーンを楽しむイ・ボミ 写真:本人提供
焚火を楽しむイ・ボミ 写真:本人提供
マリオの帽子をかぶって自撮りするイ・ボミ 写真:本人提供
花束を受け取るイ・ボミ 写真:本人提供
アスリートには「力を得られる場所」が必要だとイ・ボミ 写真:作田祥一
イ・ボミ近影 写真:本人提供

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