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- ゴルファーの要求が多くなったのが原因!? ゴルフ場のキャディー不足が深刻って本当?
ゴルフ場には人があふれ、予約が取りづらいという話をよく聞くようになりました。ゴルファーが増えれば、当然キャディーさんの需要も増加します。しかし、どこのゴルフ場もキャディーさんの確保が難しくなっているそうです。その理由を調べてみました。
昔と比べてやることが増えて大変になりキャディーが長続きしなくなった
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、ゴルフは屋外で安全に楽しめるスポーツとして人気を集めています。ゴルフ場やゴルフ練習場は今、多くの人でにぎわっています。
一方で、キャディーつき営業のゴルフ場はキャディー不足で困っているという話を耳にするようになりました。どうしてゴルフブームなのにキャディー不足なのでしょうか?
キャディー業務請負とキャディー教育を手がけるGSプランニング代表取締役の金澤徹氏にその理由を聞いてみました。
「キャディー不足にはいろんな要因がありますが、一番の理由はキャディー業務が昔と比べてやることが増えて大変になり、ゴルフに興味がある人以外は長続きしなくなってきたからです」
金澤氏によると、昔のキャディー業務はお客さんに距離を伝えてクラブを渡し、打ち終わったらクラブを受け取ってキャディバッグに戻すくらいの仕事だったそうです。
そのため、ゴルフをまったく知らないキャディーさんもたくさんいました。
それが今は、グリーンを読めなきゃいけない、バンカーもならしてほしい、ヘッドカバーを外してクラブを渡してほしい、パターカバーを必ず受け取ってほしいなど、ゴルフ場やゴルファーから求められることが増えたといいます。
昔も今もゴルフを知らないでキャディーの求人募集に応募する人はいますが、キャディーになってからゴルフに興味を持つことができないとやることが多すぎて負担になり、長続きせずに辞めてしまうそうです。
日本のゴルフ場は1990年代までキャディーつきプレーが主流でした。2000年代に入ってから乗用カートの普及によってセルフプレー主体の営業に切り替えるゴルフ場が一気に増えました。
そうなるとセルフプレーに比べてキャディーつきプレーは料金が高いので、ゴルファーはキャディーつきプレーに接客要素を求めるようになり、ゴルフ場もそのニーズに応えなければならないと過剰なサービスを提供するようになっていったのかもしれません。
「でも、キャディーの日当は昔も今も1万円くらいで、ずっと変わっていません。昔は他の仕事と比べて割のいい仕事だったのが、今は1万円の仕事だったら他にもあるよということですよね」
ゴルフ場の待遇改善と人材育成がキャディー不足解消のカギ
ただ、最近はゴルフに興味を持つ人が増えてきたので、キャディー不足を解消する絶好のチャンスだと金澤氏は言います。
「新型コロナウイルスの影響で働くところがなくなり、求人募集を出す企業も限られていた中、ゴルフ業界はけっこうにぎわっていましたから、ゴルフを始めたいからキャディーをやってみたいという人が多くなってきました。だから今こそ人材を集め、しっかり育てて大事に扱うという方針を打ち出せばうまくいくと思います」
金澤氏はゴルフ場によってサービスの質に差をつけることがキャディー不足解消のカギになると考えています。
「『あそこのゴルフ場はキャディーの日当が2万円だよ』ということになれば、キャディーの質がすごくよくなりますし、ホスピタリティが高くなればそのゴルフ場に行きたい人が増えますから、高いプレー料金が取れるようになります」
「どこもかしこも同じサービスの質を提供する必要はありません。『ウチはこれだけやります』『ウチはここまでしかやりません』とサービス内容を変えればいいと思います」
セルフプレーとキャディーつきプレーの二者択一ということではなく、キャディーつきプレーの中でもサービスの質の違いによって差別化を図ることで、ゴルフ場の個性が際立ちますし、ゴルファーの選択肢も増えます。
若者のゴルフブームが到来している一方で、高齢者ゴルファーの一斉リタイアという火種も抱えているゴルフ場業界。今が意識改革のタイミングかもしれません。
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