ツアーはドライバーを「46インチ以内」に制限 やっぱりアマチュアは長いほうが飛ぶ? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

ツアーはドライバーを「46インチ以内」に制限 やっぱりアマチュアは長いほうが飛ぶ?

今年からクラブの長さに関するルール規制が改定され、パターを除くドライバーの長さを46インチ以内に制限するローカルルールを設定できるようになりました。一般アマチュアにはあまり関係ないようですが、46インチ以上のドライバーを使うメリットは?

長尺ドライバーの恩恵を受けるのは意外やパワーヒッター

 今年からドライバーの長さをジェネラルルールでは48インチ以内のところ、46インチ以内に制限するローカルルールの設定が可能になりました。

47インチ台後半の長尺ドライバーを駆使し、昨年の全米プロを制したフィル・ミケルソン 写真:Getty Images

 ただし、「このローカルルールは高い技量を有するプレーヤーに限定された競技会(すなわち、プロフェッショナルやエリートアマチュアの競技会)にだけ使用することを推奨します」とあるので、規制されるのはあくまでツアー競技やトップアマチュアが参加する競技に限られるようです。

 つまり、競技に参加しない一般アマチュアは今後も変わりなく48インチまで自由に使えますが、そもそも長尺ドライバーにはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか? 今回はクラフトマンでもあり、レッスンプロとしても人気の関浩太郎さんに話を聞きました。

「実は、長尺ドライバーを使いこなすには技術よりもパワーが必要です。皆さんは、ピンフラッグを振ってみたことはありますか? ピンフラッグはグリーン上で抜くだけならそれほど重く感じませんが、速く振ろうとするとすごく大変。それは長さによる遠心力に耐える力が必要だからです。ドライバーも長くなればなるほど、遠心力が大きくなりますし、それに耐える力がないと軸がブレてしまう。そうするとヘッドスピードも上がりません。私が長年、さまざまなレベルのゴルファーにレッスンしたり、フィッティングした経験で言えば、46インチ以上の長尺ドライバーを振るためには、45インチのドライバーを振ったときのヘッドスピードが45m/s以上必要だと思っています。それくらいヘッドスピードがあれば、46インチ以上にしてシャフトを1インチ伸ばせばヘッドスピードが1m/sくらい上がると思います」

 よく長尺ドライバーだとミート率が下がると言われていますが、その兼ね合いはどう考えたらいいのでしょうか?

「それはヘッドスピードとは別の問題です。単純に5番ウッドより3番ウッドの方が難しいと感じるように、クラブが長くなるほど芯に当てるのは難しい。ミート率というのは『ボール初速÷ヘッドスピード』で求められる数字なのですが、これが1.4以下になるような場合はヘッドスピードが45m/s以上の人でも長尺ドライバーは向いていないと思います」

 つまり、45インチドライバーでのヘッドスピードが45m/s以上でミート率が最低でも1.4以上ある人にこそ、46インチ以上の長尺ドライバーはメリットが大きいということです。それはツアープロはもちろんですが、アマチュアではうまい部類の人になるでしょう。だからこそ、エリートカテゴリーでクラブの長さを規制する意味があるということでしょう。

ヘッドスピード40~42m/s程度の人におすすめの長さは?

 では、一般の男性アマチュアに多いヘッドスピードが40~42m/s程度の人はどのくらいの長さが理想なのでしょうか?

「私は45.5インチをおすすめしています。この長さであれば、ヘッドスピード40m/sのゴルファーでも十分に振り切れて飛距離も出ますし、ミート率が悪くなる長さでもありません。もう少しだけ長いのが欲しい人は45.75インチにして、ミート率が悪い人は45.25インチにする。あくまで45.5インチ前後で微調整するのが賢い長さ選びだと思います」

 長尺ドライバーの定説として、シニア層のゴルファーが落ちてきたヘッドスピードを補えることに利点があるように思われていましたが、実はアスリートゴルファーにこそ長尺のメリットがあると言えそうです。

 一方で、大多数のゴルファーには45.5インチ前後がおすすめ。実際に最新の人気ドライバーを調べると、ほとんどが45.5インチか45.75インチ。一方、パワーヒッターこそフォーティーンの「ゲロンディDX-001」など、長尺を試してみる価値があるのかもしれません。

【最新人気ドライバーの長さ】

ステルス(テーラーメイド) 45.75インチ
ステルス プラス(テーラーメイド) 45.75インチ
ステルス HD(テーラーメイド) 45.75インチ
ローグST MAX(キャロウェイ) 45.5インチ
ローグST MAX D(キャロウェイ) 45.5インチ
ローグST MAX LS(キャロウェイ) 45.5インチ
ローグST MAX FAST(キャロウェイ) 45.75インチ
ゼクシオ12(ダンロップ) 45.75インチ
ゼクシオエックス(ダンロップ) 45.5インチ
G425 MAX(ピン) 45.75インチ
G425 LST(ピン) 45.75インチ
G425 SFT(ピン) 45.75インチ

【46インチ以上の長尺ドライバー】

ゲロンディ DX-001(フォーティーン) 47.75/46.75インチ
マジェスティロイヤル(マジェスティ) 46.75インチ
ワイルドマキシマックス(ワークスゴルフ) 47/46インチ

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47.75インチも選べるフォーティーンの「ゲロンディDX-001」
47.75インチも選べるフォーティーンの「ゲロンディDX-001」
47.75インチも選べるフォーティーンの「ゲロンディDX-001」
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47インチ台後半の長尺ドライバーを駆使し、昨年の全米プロを制したフィル・ミケルソン 写真:Getty Images

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