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- 松山英樹がやっていた「マーカーぎりぎりにティーアップ」はアマチュアも真似していい?
プロやアマチュアの上級者によく見られる「マーカーぎりぎりの位置でのティーアップ」。ヘッドや打ち出した球が当たらないかとハラハラして見ている人も多いかもしれません。アベレージゴルファーや初心者が真似してもいいのでしょうか?
18ホールを通してティーアップする場所を決めておく
1月、ハワイで行われたソニーオープン最終日。1打差を追う松山英樹が体をのけぞらせて打ち抜いた18番ホールのドライバーショットは、世界の舞台で戦うトッププロの迫力を感じさせるものでした。
あのショットでもう一つ驚かされたのは、ボールをティーアップした場所です。ティーイングエリア内の右サイドギリギリ。ボールのすぐ先には大きめの四角いティーマーカーがあり、振り抜いたクラブが当たってしまうのではないかとハラハラしてしまうような位置関係でした。
ヒットした瞬間、ティーペグは右前方の垣根へ飛び込んでいき、カット軌道で打たれたボールは左へ飛び出して最終的にフェアウェイ右サイドいっぱいに止まりました。あんなふうにカッコよく打ってみたいなと“ギリギリにティーアップ”を真似したくなったのではないでしょうか。
しかし、順天堂大学医学部の小林弘幸教授は次のように言います。
「一般ゴルファーの方は、あそこまでのギリギリは危ないですから真似しないほうがいいですね。それより大事なのは、アマチュアゴルファーの方々は、18ホールを通して『右サイドにティーアップする』または『左サイドにティーアップする』とあらかじめ決めておくことです」。
右サイドであれば右のティーマーカーより50センチ以上離れた位置にティーアップし、左サイドであれば左のティーマーカーより50センチ以上離れたところに足の位置がくるようティーアップしましょう(右打ちの人の場合)。これなら一歩間違えてティーマーカーを打ってしまったり、ティーマーカーにボールが当たったりするような危険はありません。
安全の確保も大事ですが、小林先生のお話で一番重要なのは「18ホールを通して打つ場所を決めておくこと」です。どうやって決めるのでしょうか。
「例えば、私だったら必ずティーイングエリアの左側に立ちます。ボールを右へ打ち出すイメージを作りたい。それには、左側にティーアップするほうが落ち着くからです。たとえ右ドッグレッグのホールでも、右奥にOB区域があっても“左側”を変えることはありません。左サイドにティーアップするか、右サイドにティーアップするかは、ゴルファーの課題やイメージによって選ぶといいと思います。大事なのは『自分はどちらから打つ』と決めたら18ホール貫くことです。毎ホール打つ場所を変えたり、ティーイングエリアに上がって『どこから打とうかな』とウロウロしたりするようではダメです」
迷いによって自律神経が乱れるきっかけを排除する
とはいえ、レッスン書等にはよく「右ドッグレッグのホールでは、右側にティーアップをし、フェアウェイの左サイドを狙ってコースなりにフェードボールを打っていきましょう」などと書いてあります。そういうときは「右に立ったほうがいいのかな」と戸惑ってしまいますよね。
「プロのように各ホールのレイアウトによって球筋を打ち分けられれば理想でしょうが、一般的なアマチュアにはなかなかできません。それよりいつも同じ側に立って自分の持ち球を打っていくほうが安心ですし、毎ホール同じことを繰り返していったほうが成功率も高くなるでしょう。最も落ち着く方法をルーティンにすることで自信を持って打つことができますよ」
小林先生の言うように、ティーイングエリアの左側からボールを右へ打ち出してドローボールを打つのが得意な人が、もし右ドッグレッグホールに来たときだけ右側にティーアップしてフェアウェイ左サイドへ打っていこうとしたら、どうしても失敗するイメージが浮かんでしまいます。フェアウェイの左サイドを広く使おうと意識しすぎて、ボールを左へ引っかけるのが関の山です。
「ティーアップを右サイドにするか左サイドにするか、毎回変えるのもいけませんが、最もダメなのは迷うことです。迷いによって自律神経は乱れ、自分のゴルフも変わってしまうからです。そのきっかけをなくすために『ティーアップは左(右)にする』と決めておくのです。ホールレイアウトやティーイングエリアの状態は関係ないと思えばシンプルですし、余計なことに悩まず自分のスイングに集中できます」
ミスショットを納得できるか後悔するかの差は大きい
とはいえ、ティーアップする場所を決めても、ミスショットを防げるわけではありません。例えば、左にティーアップすると決めてイメージ通り右へ飛び出したものの打球にドローがかからず、そのまま右へプッシュしてOBになるようなことも起こります。
「それでもボールを右へ打ち出すことを意識している人なら、目指すことをした結果ですからミスに対して納得がいきます。『やっぱり右に立ってフェードを打てばよかったなあ』などと後悔することはないと思います。一方でミスの内容が、スイングがブレて打球がスライスしてしまったり、そのときだけ右にティーアップしてフェードを打とうとした結果だったほうが悔しいでしょう」
ミスショットを納得して受け止められるか、後悔するかの差も大きいと小林先生は言います。
「前者であれば、次もまた左へティーアップして『さっきよりスタンスをこうしてみよう』『ボールの位置を変えてみよう』などと前向きになれます。一方、後者だと『何であんな球を打ってしまったんだろう』とぐずぐず考えたり『今度はどこへティーアップしようか』と迷ったりして、自律神経のバランスが崩れてしまいます。これでは集中力が続かず、やる気も失せてしまいます。決めたことを18ホールを貫けばそうはならないはずです」
ルールでは、ティーイングエリアの範囲は、左右のティーマーカーの外側先端を結んだ線の内側で、その線から2クラブレングス後方までの区域内と定められています。案外広いですよね。
でも、ティーアップの位置を決めておけば、どんなホールを迎えてもサッとティーアップすることができます。ティーアップするたびに場所を探してウロウロしがちな方は、右か左か、決めて実行してみましょう。ショットにかける時間を有効に使えるだけでなく、自分の持ち球をさらに磨けるのではないでしょうか。
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