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22年モデルも各社がラインアップ!最近の「中空アイアン」は何が良くなったの?
近年、各社から「中空構造のアイアン」が発売されています。各社の中空アイアンを見てみると、以前のものよりも顔つきがシャープになっていて、上級者が好みそうな形の物が多い印象です。そこで、最新の中空アイアンはこれまでのものと何が変わったのか聞いてみました。
やさしいのにシャープ! 最新中空アイアンは「いいとこ取り」
ピンの「i525」、キャロウェイの「ローグST PRO」、マジェスティゴルフの「コンクエスト」など、2022年モデルの新アイアンは、中空構造のヘッドが目白押しです。
ほかにもタイトリストの「Tシリーズ」やテーラーメイドの「P790」「P770」、オノフ「KURO」など、近年のアイアン市場には中空構造のアイアンが急増中。
その背景に何があるのか、中空アイアンのメリットは何なのか、千葉のゴルフショップ「MAGIC」店長で、各種ゴルフメディアで活躍する鹿又芳典さんに聞いてみました。
大慣性モーメントなのに顔がシャープで打感がソフト
「中空アイアンが増えたのは、技術が進歩し設計自由度がアップしたことが大きな理由だと思います」
「かつて中空アイアンというと、ヘッドが大きくてバックフェースが盛り上がっており、打感も独特、まるでユーティリティーのようなものばかりでした。しかしいまは、構造上のメリットを生かしながら、従来のアイアンの延長線上で使えるようなモデルを作れるようになってきたことが背景にあると思います」
こういった変化によって中空アイアンのイメージが、従来と大きく変わってきたと鹿又さんは言います。
中空構造の最大のメリットは、重心深度を深くできることと、フェースの弾きを使いやすいこと。そのため、かつてはアイアン的なソリッドな打感を犠牲にすることで、ウッドのような飛距離性能やミスへの寛容性を付与したアイアンが主流でした。
しかし近年の中空アイアンは、そこまでの超深重心を避けつつ、内部に樹脂などの異素材を封入することで、シャープな顔とソフトな打感を確保し、なおかつある程度の寛容性を備えた、中上級者向けのモデルが増えてきていると言います。
「ピンの『i525』やキャロウェイの『ローグST PRO』などはその典型ですね。ヘッドは小さめ、バックフェースはシンプル、打感はいいのに慣性モーメントは大きめ。樹脂インサートや比重の重い金属のウエートなどを活用することで、こういったバランスを取りやすくなったんです。その結果、タイトリストの『Tシリーズ』のように、『T200』『T300』『T400』と異なるターゲットに向けて中空構造でシリーズ構成するアイアンも出てきました」
アイアンらしさを残しつつ、やさしいモデルを求める人に
現在の中空アイアンのメリットは、バランスにあると鹿又さんは言います。
「やさしいアイアン」の主流を占めているポケットキャビティ、ディープキャビティ構造は、中空よりも低重心にしやすいメリットがあります。
反面、慣性モーメントを大きくしようとすると重心が低くなりすぎてアイアンらしいスピンで上がって止まる弾道を得にくくなり、ヘッドスピードが速いゴルファーにとってデメリットが出てくるというわけです。
「その点、中空なら重心を低くしすぎずに慣性モーメントを大きくできるので、ミスにはやさしいけれどもシャープで、『アイアンらしい球』が打てるアイアンが作れます。しかも異素材の封入で、打感もいい。シャープな顔とソフトな打感で飛び系アイアンが作れるので、飛距離が落ちてきた中・上級者層などをターゲットとしたアイアンに最適なんです」
つまり最近の中空アイアンは、アイアンにある程度のやさしさと飛びを求めつつも、あまり大きすぎるヘッドや弾きすぎる打感は嫌いというゴルファーにピッタリなものを見つけやすいジャンルだと言えるでしょう。
ただし鹿又さんは、中空アイアンの多様さを考えると、「中空だからこうだろう」と決めつけずに実際に実物を見て、打って判断してほしいと話します。
「中空アイアンは設計自由度が高いぶん、シャープさや操作性にウエートを置いたモデルからやさしさや飛びを重視したモデルまでバリエーション豊富です。ロフト設定やヘッドサイズなどを見て、自分の求めるイメージや弾道に合致したモデルを見つければ、いままでにない機能と感性を兼ね備えた1本が見つかるはずですよ」
続々と発売される中空構造のアイアン、これまで敬遠していた人も、一度試してみる価値はありそうだ。
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