「ニアピンホールでいつもありえないミス!」そんな人が気をつけるべき“打つ前3つのポイント”とは?

もう少しで3月。徐々に暖かくなると、コンペの声がかかることも増えるかもしれません。コンペではドラコン・ニアピンなどイベントホールではどうしても力みが出てミスしてしまう人も多いのではないでしょうか。そんなとき心がけるべきポイントとは?

力みにつながる要素はできるだけ排除しておく

 得意な距離のショートホールなのに、ニアピンがかかっているときに限ってチョロやシャンクをしてしまうことがあります。

この旗を自ら突き立ててやろうと思うと上半身がガチガチに

「こういうときに普段ほとんど出ないミスショットが出るのは、自律神経の乱れから起こる典型パターンです。しかし、3つのことを心がければ大ミスは防げます。気を楽にして打てるのでグリーンに乗る確率も高く、ニアピンのチャンスが出てきますよ」

 順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、こういって対策を教えてくださいました。

 3つのことというのは、(1)迷ったら大きめのクラブを選ぶ (2)ピンを狙わない (3)ルーティンを守る、です。

「そういう基本は知っていますよ」という人でも、ニアピンを獲りたいと思うあまり、おざなりにしてしまうことが案外少なくありません。ここでしっかり確認しておきましょう。

「『このクラブしかない』とはっきり決めたときは別として、(1)少しでも迷ったら大きいクラブを選ぶことが重要です。思い切り振らなくても距離が出ますし、(2)ピンを狙わず、グリーンセンターへ打っていくことに集中できるからです。ポイントは、思い切り振らなくてもいい点。これだけでストレスが半減し、ミスの確率も低くなります」

 例えば、グリーン中央まで160ヤードで6番アイアンかユーティリティーの5番か迷ったら、ピンが多少手前でも奥でもユーティリティーの5番を選び、80%のスイングで打っていくのが正解、と小林先生は説明します。

「80%のスイングでも届くと思えばプレッシャーがなくなります。もともと得意な距離ですから、緊張することもなく、自分のスイングリズムを保って比較的ラクにグリーンオンできるはずです。ピンの位置にかかわらず、グリーンセンターを狙っていきましょう」

 唯一の懸念は、力まず打てる分ボールが飛びすぎる可能性があることです。ただ、そうなるのはボールをつかまえられたからこそですし、想定内でもあります。グリーン奥でもニアピンの権利はあるので合格。多少こぼれてしまってもプラン通りのショットを打てたことに納得がいくはずです。

「一方、ニアピンを意識してよりピンに寄せようとするなら、小さめのクラブでフルショットする方法もあります。6番アイアンかユーティリティーの5番かだったら、6番アイアンでしっかり打てば距離はぴったりというケースです。しかし、この場合、『しっかり打てば』『フルショットすれば』というスイングイメージとクラブ選択がセットになります。飛ばそうとして力む、打ち急ぐ、といった反射的な体の動きが出やすいと分かっていても、防ぐことはできません」

 得意な距離こそピンに寄せたい思いが強くなって体に力が入り、普段は出ないようなダフリ、チョロ、シャンクなどのミスショットが出るので要注意です。ニアピンのかかっているショートホールでは、大きめのクラブを選択すること、ピンを狙わずグリーンセンターへ打っていくことを改めて確認してください。

オナーで待っている間にティーアップするのはミスの元

 もう一つ心がけていただきたいのが、(3)ルーティンを守ること。

「特にオナーになった場合は、ルーティンを守るために、前の組がグリーンを終えるまでティーイングエリア下かカートに乗ったまま待つことが重要です」

 ホール全体を見たりクラブ選択をしたりするために一旦ティーイングエリアに上がるのは構いませんが、もう一度カートに戻ってクラブの準備をしながらグリーンが空くのを待つことが大事です。最後の人がボールをカップに沈めたところでティーイングエリアに上がり、ボールをティーアップし、初めて自分のルーティンに入るのです。あらかじめクラブを決めておけば、スロープレーにもならないでしょう。

「こだわりを持たない人は、流れのままにティーイングエリアに上がり、ティーアップをしてグリーンが空くのを待つケースも多いのではないでしょうか。それだとティーアップのあとに続くルーティンが分断されてしまいます。また『飛ばしたい』『寄せたい』『ニアピンを取りたい』思いが強くなり、交感神経が優位になって筋緊張を招くことにもなります。このままショットに入ればミスショット確定ですから気をつけなくてはいけません」

 このようなミスを防ぐには、ティーアップは自分の番になってから行い、いつもの流れでルーティンを守ることが不可欠だと言います。うっかり先にティーアップしてしまったら一旦外し、打つ位置を決めるところからやり直すほうがいいでしょう。

 ニアピンのかかったショートホールでは、小林先生がアドバイスする「3つのポイント」を思い出せば、あり得ないミスを防げます。落ち着いて「グリーンに乗せておく」ことがニアピン獲得の第一歩です。

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