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- “グリーン周りからパター”は春先ゴルフのアプローチに欠かせない立派な技になる【石井 忍のここスゴ!】
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、米ツアーのザ・ホンダクラシック。9位タイでフィニッシュしたリー・ホッジスのバンカーショットだ。
バンカーからパターを選択したリー・ホッジス
■リー・ホッジス/1995年生まれ、米国アラバマ州出身。プロ転向は2018年。今年1月のザ・アメリカンエキスプレスで初日に62でプレーして首位発進。3日目も64で最終日を首位で迎えたが、惜しくも3位フィニッシュ。2月のザ・ホンダクラシックでも9位タイになるなど活躍。ツアー初勝利が近い選手の一人。
米国男子ツアーのザ・ホンダクラシックが開催されました。優勝したのは、オーストラリアのセップ・ストラカ選手。通算10アンダーでPGAツアー初勝利を挙げました。
実はこの大会、あまりにも難易度が高くスコアが出にくいため、ランキング上位の多くの選手が出場を見送るほど。
昨今は、優勝スコアの一つの目安が通算20アンダー前後ですが。今大会は通算10アンダーでした。この数字を見ても、いかに難しいかが分かります。
そんなザ・ホンダクラシックの舞台は、PGAナショナルリゾート&スパ(フロリダ州)です。
1990年にジャック・ニクラスが改修に携わったゴルフ場で、特に難しいとされるのが“ベアトラップ(ベアーズトラップ)”と呼ばれる15番、16番、17番の3ホールです。
今回は、そんな15番の出来事を紹介します。179ヤードの池越えパー3。PGA選手にとっては決して長い距離ではありませんが、不規則な風が吹くためグリーンをとらえるのが非常に難しいホールです。
グリーン左奥には大きなバンカーがあり、つかまると左足下がりのライから下りスロープのグリーンに向かってバンカーショットを打たなければいけません。
また、ここからオーバーすると、グリーン逆サイドの湿地帯のような池につかまる可能性大。大きくスコアを崩すことになります。
今大会を通算2アンダー、9位タイで終えたリー・ホッジス選手は、最終日にティショットを左奥のバンカーに入れてしまいます。
彼は、「サンドウェッジでどんなにやわらかい球を打っても、左足下がりのライから下りスロープのグリーンに止められない」と思ったのでしょう。パターで転がす方法を選択しました。
しかし、それでもグリーン上に留めることができず、ボールは逆サイドに転がり落ちてしまいました。結果、このホールはダブルボギーでした。
スコアだけを見れば、パターを使ったことは成功とはいえなかったかもしれませんが、「バンカーショット=サンドウェッジ」という考えにとらわれず、最善策を選ぼうとしたことはアマチュアゴルファーの皆さんにも参考になるはずです。
グリーン周りからのパターの転がしはミスになりにくい
今回紹介したのは特殊な例ですが、グリーン周りでパターを使うアプローチはどうでしょうか。
「パターで寄せるのはカッコ悪い」と思っていませんか?
グリーン外からパターを使うアプローチは、“テキサスウェッジ”と呼ばれる立派な技。テキサス州出身のベン・ホーガンが広めた言葉といわれています。
メリットは、大きなミスになりにくいこと。グリーン周りでサンドウェッジやアプローチウェッジを使うと、ダフリやチャックリでショートしたり、トップしてグリーンをオーバーして深刻なミスになる危険性もありますよね。
しかし、パターでの転がしなら、グリーンに乗る確率はグンと高くなるはずです。
特に芝が生えそろっていない今の時期には、テキサスウェッジは有効なアプローチ。薄芝、ペタペタ芝など、難しいライではパターを手に取って転がしてみてください。大きなミスを防ぐことができますよ。
■石井 忍(いしい・しのぶ)/1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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