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- ゴルフ場が農薬をまき散らしていたのは昔の話! 知っておきたいコース管理の基礎知識
日中の気温も上がり、ゴルフが気持ちいい季節になってきました。枯れたままだった芝生も、もう少しで緑に変わり本来のゴルフ場の姿になってきます。そうなると、非常に忙しくなるのが『コース管理』。そこで、ゴルフ場のコース管理について調べました。
トップスタートがプレーを始める前と最終スタートがプレーを終えた後に作業している
先日、最終スタートに近い時間帯でプレーした際、ラウンド終盤に隣のホールでスプリンクラーによる水の散布作業が始まっている光景を見かけました。
夏場はゴルフ場でスプリンクラーが作動しているシーンをよく見かけますが、冬場はほとんど見かけませんでした。やはり季節が冬から春に移ったことで、芝生の管理の仕方も変わってくるのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「野芝やコウライ芝などの日本芝は、冬場は育成しないのでほとんど手入れを行ないません。春になると芝生が伸び始めますから、水を撒いたり、肥料を散布したり、刈り込み作業を行なったりします」
冬場はラフにボールを打ち込んでも、芝生が枯れていて打ちやすかったですが、これからの季節は芝生が伸び始めますから、フェアウェイとラフの違いがハッキリしてきます。芝生の緑も日に日に色濃くなり、本来のゴルフ場の色合いに戻ると同時にコースの戦略性も高まってきます。
芝生が伸び始めたら、ゴルフ場はどのくらいの頻度でコース管理作業を行なうのでしょうか。
「グリーンは基本的に毎日刈ります。ティーイングエリアとフェアウェイは4日に1回くらいのペースですが、これは芝生の育成状況にもよります。肥料が多いと芝生の伸びが早くなりますから、育成状況をコントロールしながら肥料を散布します。ラフは面積が広いので、1日2~3ホールずつローテーションで刈り込んでいきます」
ゴルフ場は日中、ゴルファーがプレーしていますから、その時間帯にコース管理作業を行なうことはできません。いつコース管理作業を行なっているのでしょうか。
「グリーンはトップスタートの1時間半前から刈り込み作業を開始します。ティーイングエリアとフェアウェイもスタート前に刈ります。あとは最終スタートのハーフターンが終わった14時くらいからコース管理作業を行ないます」
「カップ位置の変更やバンカーならしも14時以降に行ないます。バンカーは機械でならせる乗用のマシンがありますから、アウトコースとインコースで1台ずつ乗って、2人でならしていきます」
「ゴルフ場によってはお客様の目に入る場所でコース管理作業を行なうところもあるようですが、ウチのゴルフ場はなるべくお客様の目に入らないように作業を行なっています」
農薬の使用は農林水産省に使用計画書を提出する
以前はゴルフ場のコース管理作業で強い農薬が使われており、それが環境汚染を引き起こしていると指摘された時期もありました。でも今は、そういうことは一切ないそうです。
「おそらく昔は農薬の効き目が悪かったので、使用量が多かったのではないでしょうか。今は農薬の品質が上がり、効き目が良くなったので散布する量は当時と比べて相当減っていると思います」
「ウチのゴルフ場では成長抑制剤、除草剤、殺虫剤、殺菌剤の4つのカテゴリーで農薬を使用していますが、農薬を使用する際は農林水産省の地元の農政局に農薬使用計画書を提出します。そして実績表は地元の都道府県に提出します」
「水質検査も都道府県が実施し、基準を超えたときは連絡が来るようになっていますから、環境汚染につながるようなことはまずないと思います」
かつてゴルフ場は、造成の際に山を切り崩したり、木を切り倒したりしたことで自然破壊の象徴のように見られていた時代がありました。さらに農薬の大量使用の問題などで悪者扱いされていました。
しかし今となっては多くの樹木に囲まれて二酸化炭素の削減に寄与し、地球温暖化防止に貢献する施設として評価を高めています。
これからの日本でゴルフ場の建設ラッシュが再び始まる可能性はまずありませんから、既存のゴルフ場を守ることが地球環境保護にもつながるのではないでしょうか。
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