「オールウェイズ、日本に戻ってくる」“ジャパン・ラブ”のノリスが欧州ツアー初優勝【舩越園子の砂場Talk】 | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

「オールウェイズ、日本に戻ってくる」“ジャパン・ラブ”のノリスが欧州ツアー初優勝【舩越園子の砂場Talk】

昨年の日本オープン覇者で日本ツアー6勝を挙げているショーン・ノリスが、地元・南アフリカで開催された大会で、欧州ツアー初勝利を挙げた。「涙のあとに必ず勝利が舞い込む」というノリスの半生とは?

「どんな涙であれ、涙のあとに必ず勝利が舞い込んだ」

 日本の男子ツアー(JGTO)を主戦場にしている南アフリカ出身の39歳、ショーン・ノリスが、母国で開催された欧州ツアー(DPワールドツアー)の大会、スタインシティ・チャンピオンシップを制し、同ツアー初優勝を挙げた。その朗報を耳にして、とてもうれしく感じられた。

愛妻キャンディスさん、愛娘ライリー・グレースちゃんと欧州ツアー初勝利を喜ぶショーン・ノリス 写真:Getty Images

 2002年にプロ転向し、母国のサンシャインツアーで2勝を挙げたノリスは、その後はアジアンツアーで腕を磨き、16年にアジアと日本の共催大会であるレオパレス21ミャンマーオープンで初優勝。以来、日本ツアーが彼の主戦場となった。

 17年の日本ゴルフツアー選手権で2勝目を挙げると、その後も毎年のように勝利を重ね、陽気な笑顔をたたえ続けてきたノリスは、昨年9月のパナソニック・オープンで取材させてもらったときも明るい笑顔を輝かせていた。

 聞けば、日本で過ごしてきた5年超の日々は、うれしい涙と悲しい涙、悔し涙も入り混じり、「アップ&ダウンの連続だった」。

 しかし、不思議なことに「どんな涙であれ、涙のあとに必ず勝利が舞い込んだ」と、ノリスは明かしてくれた。

 18年には第一子となる息子が生まれ、感動の涙を流した直後にHEIWA・PGM CHAMPIONSHIPを制し、3勝目を挙げた。

 19年には最愛の父親がこの世を去り、悲しみに暮れた直後にトップ杯東海クラシックで4勝目を挙げた。

 昨年5月にはゴルフパートナーPRO-AMトーナメントを制して5勝目を挙げたが、「実はその直前にも親友を亡くしたし、バッグを担いでいる弟はコロナに感染した。ここ数年は優勝の前後に“何か”が起こってきた」

「言葉にならない。長くタフなジャーニーだった」

 そう語ってくれたパナソニックオープンでは、「実は妻が再び妊娠したことがわかり、来年3月には初めての女の子が生まれるんだ」と、うれしそうに話してくれた。「だから今週もいいことが起こるかもしれない」と勝利を予感していたノリスは、初日から4位タイで好発進。しかし、あの大会で勝利したのはアマチュアの中島啓太で、ノリスは残念ながら8位タイに終わった。

 しかし、その翌月、ノリスは日本オープンで堂々の勝利を飾り、日本ツアー6勝目を達成した。

「僕は日本が大好き。日本の人々はナイスだし、食べ物も最高だ。今後、米欧ツアーに出るチャンスがあったとしても、たとえ何が起こっても、僕はオールウェイズ、日本に戻ってくる」

 そうやって笑顔で「ジャパン・ラブ」を強調していたノリスだが、母国で開催されたスタインシティ・チャンピオンシップを制し、欧州ツアー初優勝を挙げた途端、これまで胸の奥底にしまい込んできたさまざまな想いが一気に溢れ出したのだろう。

「言葉にならない。長くタフなジャーニーだった。母国の人々と家族の目の前で優勝できたことが本当にうれしい」

 最終日を2位に4打差の首位で迎えたノリスは、一度は首位から陥落し、2打差をつけられた。しかし、17番でバーディーを奪うと、優勝を競い合っていたディーン・バーメスターがダブルボギーを喫し、一気に形勢逆転。最後はノリスが2位に3打差を付け、欧州ツアー144試合目にして初優勝を挙げた。

生まれたばかりの愛娘と母国の家族に捧げる勝利

 そんなノリスを18番グリーン脇で待っていたのは愛妻のキャンディス。彼女の腕の中で笑顔を覗かせていたのは、2週間前に生まれたばかりの愛娘ライリー・グレースちゃんだった。

 昨秋に取材した際、「来年3月に生まれるんだ」とノリスがうれしそうに言っていた「あの子」が、予定通り誕生し、うれし涙を流した直後に、悲願の欧州ツアー初優勝が母国・南アフリカで家族に見守られながら達成された。

 やっぱり今回も涙のあとに勝利が舞い込んだわけだが、この優勝は彼にとっては、格別で、特別だ。

「プロ11年目の今年、この大会で世界10勝目を挙げることができたら、その優勝を生まれたばかりの娘に捧げたい」

 3日目の夜、そう言っていたノリスは、その言葉通り、サンデー・アフタヌーンのアップ&ダウンを潜り抜け、記念すべき勝利を愛する娘に捧げた。

 欧州ツアーのレース・トゥ・ドバイでは13位、世界ランキングは62位に浮上。それでもノリスは、すぐに日本へ戻り、日本ツアー開幕に備えることだろう。

「何が起こっても、僕はオールウェイズ、日本に戻って来る」

 低迷ぶりが取り沙汰されている日本の男子ツアーに、こんな素敵な選手がいることは、とても幸運なこと。ノリスは日本ツアーの宝だ。彼の帰国と今季の日本での活躍に大いに期待したい。

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