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- メジャー10試合でトップ5入り3回は日本人最速! 渋野日向子の“ハマった時の強さ”を検証した
渋野日向子は一時首位に立つも、最終的には4位タイという成績に終わった米国女子ツアーメジャー初戦「シェブロン選手権」。今季から米女子ツアーに本格参戦している渋野が「メジャーでいかに強いか」をデータから検証してみた。
岡本綾子より5試合も早く「メジャートップ5入り3回」を達成
今季の女子メジャー第1戦、シェブロン選手権で渋野日向子が4位タイに入った。優勝した全英女子オープンと4位だった2年前の全米女子オープンに続くメジャーで3回目のトップ5なのだが、これがなかなかすごい記録なのである。
まずは渋野のメジャー全成績をご覧いただこう。
2019年全英女子オープン 優勝
2020年全英女子オープン 予選落ち
2020年ANAインスピレーション 51位タイ
2020年全米女子プロ 58位タイ
2020年全米女子オープン 4位
2021年ANAインスピレーション 予選落ち
2021年全米女子オープン 予選落ち
2021年全米女子プロ 40位タイ
2021年全英女子オープン 34位タイ
2022年シェブロン選手権 4位タイ
上記のようにシェブロン選手権は10試合目だった。これだけの試合数で早くも3回目のトップ5入りを果たしたのである。
メジャーで3回以上トップ5を経験している日本女子選手は渋野で6人目である。渋野以外の5人は岡本綾子、小林浩美、宮里藍、宮里美香、畑岡奈紗という面々だ。この6人の3回目のトップ5までに要した試合数は以下の通りである。
渋野日向子 10試合
岡本綾子 15試合
宮里美香 15試合
畑岡奈紗 17試合
宮里藍 19試合
小林浩美 22試合
ご覧の通り、渋野がぶっちぎりで早い。岡本は日本選手最多となる通算12回のトップ5を記録しているが、その岡本より5試合も早いのだ。
しかも、この渋野の記録は世界のトップクラスと比較してもそん色ないレベルなのである。
女子の世界ランキングが始まった2006年以降、世界ランキング1位経験者は15人いるが、その中で渋野の10試合目より早く3回目のトップ5を記録しているのはパク・ソンヒョン(7試合目)、アニカ・ソレンスタム(9試合目)、ユ・ソヨン(9試合目)の3人しかいないのだ。
世界ランキング1位経験者15人の平均値は15.5試合。世界の頂点に立った選手たちですら、それくらいの試合数を要しているのである。渋野は予選落ちや下位に低迷することも多いとはいえ、はまった時の強さは間違いなく世界トップクラスなのだ。
実際、トップ5に関するデータだけでなく、すでにメジャー3大会で首位を経験しているという事実もある。
メジャー以外では首位浮上の経験すらない渋野日向子
メジャー初出場で優勝という衝撃的なデビューを果たした2019年の全英女子オープンは3日目に首位に立っての逃げ切りであるし、4位に入った2大会でもともに途中で首位に立っているのだ。
今回のシェブロン選手権では66をマークした2日目に1打差の首位に浮上しており、2年前の全米女子オープンでは2日目に3打差首位に躍り出て、3日目終了時でも1打差首位だった。
2019年全英女子オープンから先日のシェブロン選手権までの期間のメジャーで渋野と同じく3大会で首位に立っているのはネリー・コルダしかいない。コルダは現在世界ランキング2位で、昨年から今年1月にかけて計29週1位に君臨していたまさに世界トップクラスの選手。そんな選手とデータ上で張り合っているのだから、すごい。
ところが、これも渋野らしいデータになるのだろうが、メジャー以外の米女子ツアーのトーナメントではこれまで11試合に出場して1回も首位に立ったことがない。最高成績は今年3月のホンダLPGAタイランドでの8位である。
通常のトーナメントよりもメジャーのほうが選手層は明らかに厚い。トップクラスの選手が勢ぞろいするからだ。だから、常識的に考えれば通常のトーナメントのほうが上位に入れる確率は高いはずなのである。
だが、渋野にはそんな一般論は通用しない。大きな舞台になればなるほど、注目される立場になればなるほど力を発揮するのが渋野。日本の初優勝も国内メジャー(公式競技)のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップだった。
とはいえ、ファンからすれば通常のトーナメントでも躍動する姿を見たいはず。調子が上向きであることは間違いない。シェブロン選手権から中1週で臨む今週のロッテ選手権が楽しみだ。
渋野日向子(しぶの・ひなこ)
1998年11月15日生まれ、岡山県出身。2019年にワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップで初優勝、その年の海外メジャー「全英女子オープン」も制覇する。2022年シーズンからは米国女子ツアーを主戦場とする。サントリー所属。
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