“300万円”以上かかることも! 意外と険しいティーチングプロへの道

アマチュアにレッスンする人をレッスンプロと呼ぶが、その中にはティーチングプロの資格を持っている人といない人に分かれている。ところで、ティーチングプロの資格ってどのようなものかご存知だろうか。調べてみると、そう簡単には取得できない資格だった。

時間と金銭的な問題であきらめる人も多い

 プロゴルファーにはトーナメントに出場するトーナメントプレーヤーのほかに、レッスンを主体とするティーチングプロが存在する。

 これは日本プロゴルフ協会(PGA)が認定した資格であり、「ゴルフ指導技能に優れ、広範にわたるゴルフ知識及びPGA指導要領を取得した者に付与される」ことになっている。

合格率は50%以下と、意外と険しいティーチングプロへの道 写真:AC

 トーナメントプレーヤーの資格を得るのも大変だが、ティーチングプロの資格を取ることも容易ではないという。確かに20歳以上なら誰でも受験することができ、プレ実技審査も2日間168ストロークとハードルは低い。実技審査も上位80位タイまでに入ればいい。

 その後にある面接や筆記試験も特別難易度が高いわけではないものの、それらをクリアしたからといって資格を得られるわけではないのだ。

 前期4学期、後期2学期の計6学期に渡る講習を受ける必要がある。

 内容は座学講習、レポート課題、実技指導、各種検定試験だが、全て合わせると200時間近くなる。それに伴う受講料は70万円だが、交通費が別途必要となる。関東エリア以外に住んでいる人なら、なんだかんだでトータル300万円ぐらいはかかってしまうという。

 また、講習内容も細かい部分まで求められる。例えばグリップ、アドレスについてのみ6分間のトークを行う場合、PGAの教本に基づいた内容を丸暗記してすらすら話せるぐらいのレベルじゃないと合格できない。

 不合格になると何度もテストを受けたり、補習の受講が必須となる。遠方に在住している人にとっては金銭的にも時間的にもハードだろう。そのため、途中であきらめる者も多く、合格率は50%に満たない。難関を乗り越えた者だけが、ようやくティーチングプロB級の資格を取得できるのだ。

 ただ、巷にはティーチングプロの資格を持たずにレッスン活動を行っている人も少なくない。アマチュアゴルファーにしてみれば、いかに自分を気分よく効率よく上達させてくれることが一番であり、教える側に資格があるかどうかは二の次だろう。そのため、わざわざ難しい資格を取らなくてもと思える。

 しかし、そこまでしてもティーチングプロの資格を取る必要はあるというのが、ツアープロコーチとして数多くのメディアで活躍していて、PGAティーチングプロA級の資格を持つ大本研太郎氏だ。

取得がハードな方がステータスは上がる

「PGAは公益社団法人ですし、唯一の公的資格でもあるので取得しました。何かライセンスを持っていますか? と聞かれても堂々とPGAのライセンスを持っていますと言えますし、海外でも尊重してくれます。もちろん、レッスンの仕事をするうえでも有効です」と大本氏。

ティーチングプロ資格について教えてくれた大本研太郎プロ

 実際、ティーチングプロの資格を取ることが大変だということは業界内では広く知られており、その資格を持っていれば、レッスン教室を開いてもいいというゴルフ練習場は多いという。

 また、資格を取ることがハードなことも大本氏は肯定する。「確かに金銭面でも大変ですし、時間的な拘束もありますが、逆に中途半端な考え方の人がふるい落とされるわけですからね。しかも、合格者には一定のライン以上の知識があることの証明にもなります」。取得がハードな方がティーチングプロのステータスも上がるというわけだ。

 さらには、ゴルフ理論を語るうえでも、PGAの教本内容を完全に理解していたほうが、自分の意見を言いやすくもなる。

 ちなみに、ティーチングプロにはA級とB級があるが、B級の資格を取得した時点でティーチングプロになる。B級の資格を取得した者が4日間×4回の講習を受け、A級の資格を取得する。したがって、A級はより専門的な知識を持つものの、レッスンに関してB級が劣るというわけではない。

 B級を手にした時点で十分優秀なティーチングプロと言えるだろう。

この記事の画像一覧へ(14枚)

画像ギャラリー

宙に浮かんだボールを打つイメージで素振りをすると、正しいアームローテーションが身につく
宙に浮かんだボールを打つイメージで素振りをすると、正しいアームローテーションが身につく
宙に浮かんだボールを打つイメージで素振りをすると、正しいアームローテーションが身につく
宙に浮かんだボールを打つイメージで素振りをすると、正しいアームローテーションが身につく
空中の仮想ボールを打つ素振りで腕の動きを覚えたら、高めにティーアップしたボールを実際に打つ
空中の仮想ボールを打つ素振りで腕の動きを覚えたら、高めにティーアップしたボールを実際に打つ
空中の仮想ボールを打つ素振りで腕の動きを覚えたら、高めにティーアップしたボールを実際に打つ
空中の仮想ボールを打つ素振りで腕の動きを覚えたら、高めにティーアップしたボールを実際に打つ
空中の仮想ボールを打つ素振りで腕の動きを覚えたら、高めにティーアップしたボールを実際に打つ
空中の仮想ボールを打つ素振りで腕の動きを覚えたら、高めにティーアップしたボールを実際に打つ
空中の仮想ボールを打つ素振りで腕の動きを覚えたら、高めにティーアップしたボールを実際に打つ
空中の仮想ボールを打つ素振りで腕の動きを覚えたら、高めにティーアップしたボールを実際に打つ
合格率は50%以下と、意外と険しいティーチングプロへの道 写真:AC
ティーチングプロ資格について教えてくれた大本研太郎プロ

最新記事