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- いいとこ取りの最新機種が目白押しで何を買うのが正解!? 最新パターの傾向と対策
毎年発売される最新パターって、どこが進化してるの!? のべ8万人以上のゴルファーにアドバイス経験を持つインドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに最新パターのテクノロジーと傾向を解説してもらい、選び方のヒントをもらいました。
高MOI(慣性モーメント)の元祖はピン「アンサー」
ここ数年、パターのトレンドはドライバー同様に「ブレに強い」高MOI(慣性モーメント)でしたが、感性やタッチが主役のため、プロゴルファーはなかなか変えないクラブでもあります。
しかし、今年はその傾向に変化が見られています。インドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチにゴルファー目線で最新パターの傾向を聞いてみました。
現代パターのパイオニアとも言うべきピン「アンサー」型が登場したのは、もう50年以上も前です。その後「ピン型」とも呼ばれ、今では上級者が使うブレードタイプに分類されるようになってしまいましたが、元々はトゥ&ヒールに重量を配置した左右MOIが高いヘッド設計として登場しました。
パターは本来「上級者向け」など腕前で分類するのではなく、見た目&フィーリングの好みと打った結果とのバランスが結局は重要になってくるものです。ピン「パッティングラボデザイン」の頭文字をとった「PLD」シリーズは、2022年発売の完全削り出しヘッドでPGAツアー選手が使用するものと全く同じになっています。
ちなみに、今では当たり前になったフィッティングを世界に広めたのがピンです。「使い心地」を徹底的に追求したパターは、今まで以上の打感&フィーリングを一般ゴルファーも実感できるモデルになっています。
テーラーメイド&キャロウェイの最新パターは「合体」
ここ数年とそれ以前のパターの傾向を一言で表すと、ヘッドとしてもパター全体としても更に高MOI(慣性モーメント)が進んでいると言えます。
ヘッド重量・クラブ総重量ともヘビーウェイト化している現象は、ドライバーのように「飛ばすため」の軽量化と真逆の傾向がみられます。プロアマなどの腕前に関わらず、パターは基本的に「ゆっくり動かしたい」というニーズが、クラブに反映されているといえます。
タイガー・ウッズ選手や松山英樹選手の活躍で定着していた「上級者はブレード(ピン型)」の傾向ですが、今ではPGA選手の多くが高MOIマレット型の使用者になりました。
また、グリップエンドとヘッドに重量を分散させたオデッセイ「ストロークラボ」シャフトの登場で、パター全体のスペックも様変わりしています。
スコッティキャメロン「ニューポート」やピン「PLD」など単一金属から削り出したシンプルかつフィードバックの強いパターも人気ですが、日本女子ツアーから人気が爆発したテーラーメイド「トラス」、PGAツアーでも使用者が多い「スパイダーGT」など「もっと良いパターはないか?」のゴルファーのリクエストに応えるべくメーカー各社が新たなモデルを世に送り出しています。
今年はついに、テーラーメイドから「スパイダーGTトラス」、オデッセイからは「2ボールTEN」や新たに「ELEVEN」と合体した「2ボールELEVEN」が登場。早くも多くのプロが使用し優勝しています。
「ブレないフェース」と「振り心地」の多様化
当たり前ですが、パターにおける方向性はヘッド軌道ではなくフェース向きがゴルファーの思い通りになるか? が主な評価軸になります。
今だ「真っすぐの軌道じゃないと真っすぐ転がらない」と信じているゴルファーが多いのですが、出球の方向は主にインパクト時のフェース向きによって決まります。
最新パターはヘッド前方部の左右MOIを高め、ストローク中もインパクト時も「徹底的にフェースがブレない」コンセプトのもとに発売されています。
また、どのメーカーの人気機種も同じヘッドで異なるネックがついたラインナップになっています。これは、たくさん売りたい事情というよりも構えた時の見た目の好みと「重心角」による振り心地がゴルファー個々で異なるからです。
クラブ全体を重くする事で「距離感」の出しやすさを担保しながら、「ブレにくいフェース」ヘッドを個々の好みに合わせて発売しているのが最新パターの傾向といえます。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。
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