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- アマチュアのスポンサー支援解禁で世界に羽ばたくゴルファーは増える!? 資金援助の“落とし穴”にも要注意!
今年の全米女子アマ選手権を制し、一躍注目を浴びるようになった馬場咲希。全米女子オープンでは12社のスポンサードを受けていたことが話題となったが、今年から改定されたルールの恩恵を受けたわけだ。今後もそのような形をとるトップアマは出てくることは予想されるが、思わぬ落とし穴があることにも注意を払うべきだろう。
契約を申し出るのは善意の企業だけとは限らない
昨年までのルールではアマチュアゴルファーが企業とスポンサー契約を結び、契約金を得たり、コマーシャルに出演してその報酬を得ることは禁じられていた。しかし、それが今年から緩和されたことにはいくつかの理由がある。
まず、日本に限らず、ゴルフ先進国においてトップアマの若年化の傾向が強く、厳しいアマチュア資格規則が彼らを守ることができるのか、将来のゴルフ界の発展につながるのかなど、激しい議論が何度も行われるようになったこと。
そして、同じようにアマチュア資格規則に厳しく、ゴルフも加盟していたNCAA(全米大学体育協会)が規則を緩和したこと。さらに、ソーシャルメディアの発達により、いろんな媒体で個人が発信できるようになり、そこに企業の広告がついた場合など、規制することも難しくなっていたこともあった。
結果的に、これまでの規則が時代にそぐわなかったことが改訂への大きな要因となったわけだが、アマチュアが金銭的な支援を受けられるようになったからといって、手放しでそれを享受するわけにもいかない。
全ての支援者が必ずしも善意で援助してくれるとは限らないからだ。例えば、契約内容に、何日間の拘束期間があったりとか、同業他社との契約を禁止するとか、いろいろな義務が生じる可能性もある。プロになってからも契約を続行するという企業もあるだろう。場合によっては、反社会的勢力の企業だと知らずに契約する場合だってあり得る。
もちろん、そのようなリスクはプロにも当てはまることだが、アマチュアの場合は大多数が未成年だ。両親なり、弁護士がしっかりとフォローする必要があるのは言うまでもない。ただ、そのような網をかいくぐって、不当な契約を結ぼうとする輩がいることは念頭に置いたほうがいいだろうし、たとえ優良な企業と契約しても、ゴルフ活動がしにくくなってしまっては意味がない。
また、スポンサーからの支援を受けることができたジュニアと受けることができなかったジュニアとの格差が大きくなるかもしれないため、その辺りも今後の課題となるだろう。
単にゴルフがうまいだけでなく人間的な魅力も求められる
とはいえ、これまでは許されていなかったスポンサー契約認められたことの効果は大きい。
そのルール改訂があったからこそ、馬場は全米女子オープンの本戦に無事出場することができ、見事予選も突破した。その後に開催された全米ジュニアや優勝した全米女子アマにも出場することができたのもスポンサーからの資金援助があったからだ。
国内には活動資金に困っているジュニアゴルファーやその親は少なくない。そういったゴルファーがスポンサーとうまく連携することで、才能のあるトップジュニアたちがどんどん海外の試合に進出する機会も増えるだろう。
また、これまではお金がかかるという理由で敬遠していた子供たちを呼び寄せるきっかけとなるかもしれない。ある意味、ゴルフ界の底辺拡大につながる可能性は十分にある。
あとは、アマチュアを支援したいという企業がどれだけ現れるか次第だが、そのためにも単にゴルフの技術だけでなく、人間的にも魅力のあるゴルファーを育てることは必須となるだろう。
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