違うのは飛距離だけじゃない! 練習場ボールの特性を知らないと上達が遅くなる!?

多くのゴルファーが練習場で使われている“レンジボール”が飛ばない事を知っていると思います。しかし、「なぜレンジボールを使っているのか?」までは詳しく知らないのではないでしょうか。人気インドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに、“レンジボール”“コースボール”の違いと練習時の活用方法を聞きました。

“レンジボール”にも練習場事情に合わせた構造の違いがある

 打ちっ放し練習場で使われている“レンジボール”には、実はたくさんの種類があります。もしあなたが都市部の住宅街にある練習場にかよっているなら、「ワンピース構造」かつ一番柔らかい種類のレンジボールが使われている可能性があります。

 “レンジボール”は飛距離を落とす目的で生まれたわけではありません。“レンジボール”採用の一番の目的は、反発が強く割れてしまうコースボールとは異なり、何度ショットを繰り返しても割れないことで、ネットを突き破らないという「安全性」にあります。

主な“レンジボール“は「ワンピース」構造。都市部の打ちっ放し練習場のほとんどが採用している理由はネットの保護と危険防止
主な“レンジボール“は「ワンピース」構造。都市部の打ちっ放し練習場のほとんどが採用している理由はネットの保護と危険防止

「ワンピース構造」の“レンジボール”は、消しゴムのように劣化&消耗しても表面のディンプルが摩耗するだけなのでネットの保護に貢献するのです。

 結果として、張り替えには数百万円かかると言われるネットの耐久年数を伸ばし、結果としてボール代が大きく値上げされることを防いでいるのです。

 従って、「コースボール使用禁止」のゴルフ練習場で、手裏剣のように割れたコースボールがネットを突き破って行かないためにも、ルールは絶対に破ってはいけないのです。

 一方、練習場の中にはネットを何重にしているところや、周囲が森や空き地など恵まれた環境の場合もあります。“レンジボール”の2大メーカーであるダンロップとブリヂストンには、3〜4種類の硬さがありコースボールに近いデータが出るものから安全性第一のものまで幅広く販売されています。

 飛距離にすると、おおよそ「マイナス5~25%」ぐらいといわれています。

「曲がらないから調子いい」の勘違いがコースで大叩きを引き起こす!?

「コンペの前夜に打ちっぱなしで練習するな」の言葉を聞いた事がありますか?

 ゴルフ格言ではありませんが、みなさんの中にも「昨夜は調子がよかったのに」とコースと練習場のあまりのギャップを感じたゴルファーも多いのではないでしょうか。

 スイングやメンタルはもちろん、人工と天然の芝の違いなどの「当然の違い」に“レンジボール”と“コースボール”の物性の違いを把握していない人も多くいます。

打ちっぱなしの練習では、打ち出し方向やタイミングなど「当たる」感覚をつかみたい
打ちっぱなしの練習では、打ち出し方向やタイミングなど「当たる」感覚をつかみたい

 コースボールに比べ“レンジボール”は飛距離だけではなくスピン量も少なくなります。新品時には低スピンだった“レンジボール”でも、何度も打たれ洗浄されることで無数の傷が増えて、スピンが増える場合もあります。

 逆に摩耗でディンプルが無くなり、野球のナックルボールみたいな超低スピンショットも生まれます。弾道測定器で計測すると傷を読み込んでしまうスピンエラーも発生します。

 つまり “レンジボールで”は飛距離やスピンを正確に確認するのではなく、ショットが曲がらなくても「調子に乗らない」で練習することが重要なのです。

ボールが上がらなくても「無理に頑張らない」のがコツ

【写真】高価格帯&低価格帯で売れているのは?最新ボール売れ筋ランキング(有賀園ゴルフ調べ)

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高価格帯第1位 タイトリストプロV1(アクシネットジャパン)
高価格帯第2位 タイトリストプロV1X(アクシネットジャパン)
高価格帯第3位 スリクソンZ-STAR XV(ダンロップ)
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主な“レンジボール“は「ワンピース」構造。都市部の打ちっ放し練習場のほとんどが採用している理由はネットの保護と危険防止
打ちっぱなしの練習では、打ち出し方向やタイミングなど「当たる」感覚をつかみたい
コースボールを採用しているインドアレンジなら詳細な弾道計測データが取れるため、試打やクラブフィッティングにも向いている
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