フィッティングはクラブだけじゃない!? 正しい“ボール選び”でベストスコアに導く | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

フィッティングはクラブだけじゃない!? 正しい“ボール選び”でベストスコアに導く

クラブを購入する際にフィッティングを受けるゴルファーは増えてきたようですが、「ゴルフボールフィッティング」となるとまだ少ないのではないでしょうか。タイトリストのボールフィッティングを取材しました。

マスターズ使用率No.1! タイトリストが提唱する「正しいゴルフボールの選び方」

 タイトリストといえば世界No.1のゴルフボールブランドであり、「プロV1,プロV1x」は20年以上にわたり世界中のツアーで使用率1位を記録し続けています。2022年は4大メジャーの優勝者全員が「プロV1プロV1x」を使っていました。圧倒的な実績と知名度があるので、イジワルな言い方をすれば「ほっといても売れるボール」です。

マスターズ使用率No.1のタイトリストゴルフボール
マスターズ使用率No.1のタイトリストゴルフボール

 そして、日本でもアメリカでもタイトリストは「ゴルフボールフィッティング」に力を入れています。

 最近はクラブを購入する際、フィッティングを受けてからというゴルファーが増えてきたものの、ゴルフボールフィッティングを受けたことがあるゴルファーはまだまだ少ないのではないでしょうか。 「ボールなんて何を使っても同じ」「ボールくらい自分で選べるよ」と思っている人もいるでしょう。

 そうしたなかタイトリストは、日本各地でそのボールフィッティングが無料で受けられるイベントを開催しています。それは、同社がゴルフボールの重要性を伝えてゴルファーのスコアアップに貢献することを目指しているからです。

 今回は関東を代表する大型店であるPGAツアースーパーストア つくば学園東大通り店(茨城県土浦市)で開催された、タイトリストのゴルフボールフィッティングを取材しました。

 タイトリストのゴルフボールフィッティングは、担当者による問診から始まります。今回、筆者(野中真一)を担当してくれた向井伸吾さんは、タイトリストのツアーレップ(メーカー代表)としてプロツアーを担当していた経験があるゴルフボールフィッティング スペシャリストです。

 年齢、平均スコア、年間ラウンド数の項目を記入した後、向井さんから、まずは現在使用中のボールについて聞かれました。

【向井】今、使うボールは決めていますか?

――そうですね。2、3個に決めています。

【向井】そう答える方は多いのですが、それは当社では“決めている”とはいいません。例えば「プロV1」と「プロV1x」でも弾道の高さやスピン量、打感は違います。

――アマチュアはキャディバッグのポケットに色んなボールを入れていますけど。

【向井】あるあるですよね。私も最大18種類のボールが出てきたアマチュアを知っていますが、それでは絶対にスコアは良くなりませんし、どれだけ練習しても距離感が身につきません。

 次に聞かれたのは、いま使っているボールの好きな点、不満な点に関する内容でした。

――(いま使っているボールは)打感が気に入って使っています。柔らかいのでスピンもよく効きます。不満は特にありません。

【向井】柔らかい打感を好むのは良いと思いますが、「柔らかい=スピンが入る」は間違いです。

――えっ、ボールって柔らかいほうが、スピンは入る印象ですけど。

【向井】例えばウレタンカバーのプレミアムパフォーマンスボールと、アイオノマーカバーのディスタンス系ボールを比べると、ウレタンカバーのプレミアムパフォーマンスボールの方が打感は柔らかくてスピンが入ります。

――やっぱり、そうですよね。

【向井】それは硬さの問題ではなくて、カバー素材の問題です。ウレタンカバーはフェースに食い込むのでスピンが入ります。一方のアイオノマーカバーだとフェースの上で滑ってしまう。だからスピンが入らないのです。

――カバーの問題だったんですね。

【向井】同じウレタンカバーを使った「プロV1」と「プロV1x」を比較すると、コアが硬い「プロV1x」の方がスピン量は増えます。それがボールの真実です。

 時にはボールと関係のない話も交えつつ、問診は続きます。

【向井】ゴルフで、今悩んでいることはありますか。

――ドライバーは調子いいのですが、アイアンで時々シャンクが出るようになってしまって。

【向井】さきほどちょっとウォーミングアップを見させてもらいましたが、アイアンはボールをヒール寄りに置きすぎていると思います。だからインサイドからヘッドが入ってきています。

――これもボール選びに関係する話ですか。

【向井】直接は関係ありません。でも、問診のなかでこういう話をして、ゴルファーの方がどういうスタイルでゴルフをやっていて、何に悩んでいるかを知ることで、一人ひとりのゴルファー像が見えてきます。そのコミュニケーションはすごく大切で、当社では選手達ともそういう会話によるコミュニケーションを重視しています。それが信頼につながっていると思っています。

筆者がタイトリストのゴルフボールフィッティングを体験
筆者がタイトリストのゴルフボールフィッティングを体験

 問診を終えた時点で、すでに今までのボール選びが間違っていて、スコアが伸び悩んでいる理由がなんとなくわかったものの、試打に入るとさらにボールごとの性能差に驚かされます。

 試打は50ヤードのアプローチから始まりました。そのようなところから始める理由について、向井さんは次のように話します。

【向井】タイトリストには「グリーン トゥ ティ」という考え方があって、スコアアップを目的とする場合、グリーン方向からティーイングエリアに向かう順番でゴルフボールフィッティングすることが最適だと考えています。

――プレーとは逆の順番ですね。

【向井】はい。もちろんパッティングも大切ですが、パッティングはプロでも2パットが基準で3パットもします。アマチュアも3パットはよくしますが、4パットというのは少ないかなと。そう考えると、実は最も打数の差がつくのはグリーンに向かって打つショット。その中でも50ヤード以内のショートゲームがスコアに大きく影響します。なのでゴルフボールフィッティングは50ヤードのアプローチから始めています。

 さっそく50ヤードの距離で、「プロV1」と、同社の飛距離に重点を置いたディスタンスボール「ベロシティ」を打ち比べると、「プロV1」はスピン量が5800回転だったのに対し、「ベロシティ」は1800回転でした。

――全然違いますね。

【向井】これが先ほど説明した、ウレタンカバーとアイオノマーカバーの違いです。

――スピン量ももちろんですが、打ち出しの高さが違いすぎてビックリしました。

50ヤードの距離で打ち比べた2つのボールでは、約4000回転もスピン量に差が出た
50ヤードの距離で打ち比べた2つのボールでは、約4000回転もスピン量に差が出た

【向井】スピンが少ない(ひっかかりが少ない)と、どうしてもフェースの上を滑ってしまうので、高く上がってしまいます。このふたつを併用していたら、絶対に距離感が合わないですよね。

――それは間違いないですね。

【向井】だからフィッティングの第一段階として、アプローチでは「プロV1」「プロV1x」、あと(同社のボールで、ショートゲームでは似たスピン量となる)「AVX」も候補に入れていいと思います。

 次は7番アイアンの試打です。アプローチほど極端な差ではありませんが、アイアンもボールによって、飛距離とスピン量に違いがありました。

――2番目のボールが一番飛んでいましたね。

【向井】それは「プロV1x」です。確かにスピン量も6000回転台後半なので適正でした。逆に1番目の「プロV1」はスピンが足りなかったので、落下角度が足りませんでした。3番目の「AVX」はさらにスピンが減ってしまって、キャリーが出ていませんでしたね。

――スピンが増えたほうが飛ぶんですね。なんとなく低スピンの方が飛ぶのかと思っていたのですが。

【向井】スピンが少ない、多いではなく、「プロV1x」は適正スピンの領域に入っていたから飛距離が出たのです。アマチュアだと、スピン量が少ないボールは飛ばない可能性の方が高いです。

 最後はドライバーの試打です。ドライバーを打つときには「プロV1」と「プロV1x」の2モデルに絞られていましたが、その差は僅差でした。

――あまり差はないですね。

【向井】そうですね。飛距離もほとんど同じで、弾道がちょっと「プロV1x」の方が高いくらいでしたね。実はドライバーになると、ボールの性能が近づくため、差が出にくくなります。

――そういう場合はどうするんですか。

【向井】ゴルフボールフィッティングではパフォーマンスベースで結果の良かったボールを推奨ボール1、お客様の好みを加味してスコアアップに貢献できるボールを推奨ボール2としてお伝えしています。この2つのボールをコースでテストしていただき最終的に打感や弾道の高さといった好みをもとに、1種類に決めていただきたいと思っています。今回は推奨ボール1が「プロV1x」で推奨ボール2が「プロV1」ですかね。

 私の平均スコアは105。ヘッドスピードも人並みな40m/sなのに、まさかツアープロも愛用する「プロV1x」が選ばれるとは思ってもいませんでした。そのことを伝えると、向井さんは「今回のボールフィッティングで、一度もヘッドスピードの話はしていませんよね」と話を切り出しました。

――そういえば、(ヘッドスピードのことは)話題にすらあがりませんでした。

【向井】ゴルフボールフィッティングで最も重視している50ヤードを打つときに、ドライバーのヘッドスピードは関係ないですからね。

――でも、なんとなく「プロV1x」って、ヘッドスピードの速い上級者が使うイメージですけど。

【向井】PGAのツアー使用率が70%を超えているので、どうしてもツアーモデルという印象は強いのですが、「プロV1x」は女性でもシニアでも、どんなゴルファーでも使えるボールです。当社はゴルファーのスコアアップのために最高のパフォーマンスを叶えるボールを開発しているので、プロだけのボールを作っているわけではありません。

ゴルフボールはすべてのショットで使用する唯一のギア

 そんな話をしていると、プロテストに挑戦を続けている飛田愛理さんがいらっしゃいました。ゴルフボールフィッティングそのものは筆者と同じような流れで進められ、話を聞いてみたらプロを目指すレベルのプレーヤーにとっても、その内容は驚きだったようです。

「以前にクラブフィッティングを受けたことがあって、それも衝撃的だったのですが、ゴルフボールフィッティングはさらに衝撃的でした。ボールの違いでこんなに結果が変わるとは思っていなかったですし、私のプレースタイルや悩みが短時間ですべて見透かされたことにも驚きました。

 私は飛距離が欲しかったので、プレミアムパフォーマンスボールの中でも飛距離が出るタイプを使っていたのですが、フィッティングの結果、スピンが入るボールを選んだ方が飛距離も出て、アイアンの落下角度が良くなるというのが新しい発見でした。今まで逆のボールを選んでいたのかもしれません」(飛田さん)

適正なスピンが入るボールの方が飛距離(キャリー)も出ると説明する向井さん
適正なスピンが入るボールの方が飛距離(キャリー)も出ると説明する向井さん

 もちろん、クラブフィッティングもスコアアップにつながる大事な要素です。しかし、そもそもラウンド中に一番使う「道具」は、ドライバーでもアイアンでもなく、そしてパターでもありません。

 すべてのショットに使用するのはゴルフボールなのです。そのゴルフボールで自分に合ったモデルを選べば、スコアアップにつながることでしょう。

 ボールはシャフトのようにSやRといった基準があるわけではなく、大きさ、重さの違いもゼロに近いものです。形状もほとんど同じだから、見ただけではわかりません。しかしゴルフボールの重要性について今一度考えてみることが、スコアアップへの最短ルートであることは明白なようです。自分に最適なボールを見つけるためにもゴルフボールフィッティングを受けてみてはいかがでしょうか。

ボールを変えればゴルフが変わる!? タイトリストのゴルフボールフィッティング

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タイトリストのボールフィッティングは問診からスタート
ウレタンカバーとアイオノマーカバーのボールでの打ち出しの高さの違いを説明する向井さん
マスターズ使用率No.1のタイトリストゴルフボール
筆者がタイトリストのゴルフボールフィッティングを体験
50ヤードの距離で打ち比べた2つのボールでは、約4000回転もスピン量に差が出た
適正なスピンが入るボールの方が飛距離(キャリー)も出ると説明する向井さん

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