コンペでは幹事さんが「ダブルパー」などの上限スコアを設定
「最大スコア(Maximum Score)」という競技形式をご存じでしょうか?
R&Aのルールブックにも掲載されている正式な競技の進め方です。一般に行われているストロークプレーのプレー形式の1つで、プレーヤーのホールスコアの上限を、委員会が設定した最大ストローク数(例えば、パーの2倍、決められた数、ネットダブルボギーなど)に制限。プレーのペースを促進するために、プレーヤーはホールスコアがその「最大スコア」に達したとき、そこでそのホールのプレーを止めてもよく、止めることが推奨されています。

ホールスコアに上限を設けるプレー形式は、JGAのハンディキャップ査定でも公式に認められています。つまり、正しくホールアウトせず、規定の打数でいわゆる「ギブアップ」をしても、スコアカードをハンディキャップ査定に提出できるのです。スロープレーが心配なコンペなどで採用してはいかがでしょう。
その仕組みを簡単に説明します。
前述のように「最大スコア」は競技の委員会(コンペの場合は幹事でしょうか?)が各プレーヤーの上限スコアを設定しますが、パーの2倍(いわゆるダブルパー)とするケースが多いようです。
しかし、その場合は、プレーヤーの腕前に関係なく、単純に各ホールのパーの2倍が上限になります。
それに対して「ネットダブルボギー」は、各ホールのパーにハンディキャップを加え、それより2打多い打数のこと。この場合は、各ホールの上限はプレーヤーの力量=ハンディキャップに応じて決まり、ハイ・ハンディキャッパー(ここでは便宜上「ビギナー」と称します)ほど、その上限スコアは大きくなります。
「そのホールのパー+5打」が妥当な上限スコア!?
さて、そこで実際の運用ですが、世界共通の「ワールドハンディキャップシステム」では、ハンディキャップ(正確にはプレーイングハンディキャップ)は、各自が取得したハンディキャップインデックスを各コースのハンディキャップ換算表に照合するなどで導き出されます。ビギナーの場合は、最大値の「54」に近い、大きなハンディキャップが与えられます。
仮に最大値の「54」とすれば、全ホールに3打のハンディキャップが与えられるということ。いわゆる「エブリースリー」ですね。
その場合の「ネットダブルボギー」は、全ホールで「パー+3(ハンディキャップストローク)+2(ダブルボギー)」。つまり、パー3ホールは8打、パー4は9打、パー5は10打が上限です。それ以上いくら叩いてもスコアには反映されず、上限のスコアでハンディキャップがされてされます。
「プレーイングハンディキャップ」が1打減って53の場合は、スコアカードに記載されているそのホールの「ハンディキャップ」(HDCPと表記されていることが多い1~18の数字)の欄を見て、「1~17」のホールでは各3打。そして「18」のホールだけ2打のハンディキャップストロークが与えられます。つまり、ハンディキャップナンバーが「18」のホールだけ、「パー+2+2」が「ネットダブルボギー」になるわけです。
ビギナーなどハンディキャップインデックスを取得していない人は、プレーイングハンディキャップを最大の「54」で計算し、「そのホールのパー+5」を上限とするといいかもしれません。
ビギナーは上達のため、毎ホールきちんとホールアウトしたいでしょう。でも、コンペや自分が原因で後続が渋滞しているときなどは、「ネットダブルボギー」に達したら「ギブアップ」することをお勧めします。