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- ゴルフで健康寿命は本当に伸ばせる? JGAが日本シニアOPで生涯スポーツへ本気の取り組み
能登カントリークラブ 日本海・はまなすコース(石川県)で行われた日本シニアオープン。藤田寛之の初優勝したこの大会では、会場では一つの試みが進められていました。題して「ゴルフで健康寿命を伸ばそう!プロジェクト in NOTO CC」。どんなイベントだったのでしょうか。
日本シニアオープンで行われたコース内18カ所をめぐるスタンプラリー
「人生下り坂最高!」は、シニア世代に人気のNHKの長寿番組「にっぽん縦断 こころ旅」で自転車旅の案内人を務める火野正平の決めゼリフ。その言葉を猛暑の能登カントリークラブ(石川県)で証明したのが、54歳のベテラン・藤田寛之でした。
シニアゴルファー日本一を決する日本シニアオープン。能登カントリークラブ 日本海・はまなすコース(石川県)で9月17日に行われた最終日は、ともに芹澤信雄がリーダーの「チームセリザワ」で腕を磨いてきた藤田と、宮本勝昌のデッドヒート。最終ホールで1.5メートルのウイニングパットを決めて、シニアでは初の公式戦タイトルをモノにしました。
42歳で賞金王になり、日本シリーズ3連覇を含む12勝を挙げる輝かしい40代を駆け抜けた藤田選手。遅咲きのゴルフ人生を送ってきたわけですが「50になるちょっとぐらい前から、自分は完全に下り坂を下っているんだと感じ始めていました」と振り返って、こう続けました。
「ただ、下り坂の捉え方っていろいろあったりすると思うんですね。見方によってはすごく寂しい見え方になるかもしれないんですけど、本人にしてみると非常に高い山の頂上に行った後、そこから自分は楽しみながら下りていきたい。その準備をしようということで、シニアでも結構トレーニングをしたり、最低限の、自分が必要と思えることはやっています。練習は早く終わって(ホテルに)帰ってヨガをしたり」
猛暑を吹き飛ばす54歳の鮮やかな優勝劇と並行して、トーナメント会場では一つの試みが進められていました。題して「ゴルフで健康寿命を伸ばそう!プロジェクト in NOTO CC」。その最初のイベントである「ごる印めぐり」がスタートすると、多くのギャラリーが参加しました。
「御朱印めぐり」をもじった「ごる印めぐり」は、コース内18カ所をめぐるスタンプラリー。ゴルフ観戦は平均8~9キロ、1万歩以上のウォーキングを行うことになります。それが生活習慣病の予防や心の健康につながることは、広く知られるところ。6カ所、9カ所、18カ所とスタンプ数の増加に比例して、賞品のグレードもアップ。全18カ所コンプリートの方には、アウトドアで活躍しそうなクーラーバッグが用意されていました。
それだけに、スタンプラリーは大会初日から早くも143人が参加する好調な出足。最終的には4日間で814人が参加し、589人ものギャラリーが賞品ゲットとなりました。参加者のなかには、かなりの高齢者もおられましたが、「確かに暑かったけど、楽しかったよ」と、汗を拭き拭き笑顔で語ってくれました。
2日目には睡眠時無呼吸症候群治療の権威である、赤坂おだやかクリニックの成井浩司名誉院長を招き、出場選手も交えたトークショーを開催。「快眠とゴルフで健康長寿」というテーマを掘り下げました。
全国24カ所で同週開催された「JGA WAGスクール 1Dayプログラム」
最も注目を集めたのは、大会3日目に開催された健康維持増進に力を入れたゴルフスクールである「JGA WAGスクール 1Dayプログラム」。条件は「45歳以上のゴルフ未経験または初心者の方」と緩やかであるため、「若い頃にゴルフをしていましたが、結婚して遠ざかっていました」という方や「30年前にアメリカでゴルフをしていましたが。最近は打ちっ放しに行く程度」など、さまざまなゴルフ歴の方々が参加しました。
まずは自己紹介して仲間の名前を覚え、ゴルフのもたらす健康増進効果が書かれた文章を、参加者が順に朗読しました。心の健康や認知症予防効果があると言われる最初のステップから、プログラムはスタートしました。
次は日本海が眼前に広がる、雄大な練習場でウォーミングアップを行なってからショットの練習。さらに選手たちが通過していった3番ホールをプレーすることができました。「後ろから人も来ないので、のびのびやれました」と、参加者も大満足の様子でした。
実はこのプログラム、同じ週に全国各所で行われていました。その数、実に24。ゴルフ場22施設、ショートコース+練習場1施設、練習場1施設で同様のプログラムが進行していたのです。
その施設は、以下の通りです。
五浦庭園CC(福島県)、立科GC(長野県)、上野原CC(山梨県)、セブンハンドレッドC、栃木ヶ丘GC、鹿沼プレミアGC、小川GC、那須伊王野CC、烏山城CC、東松苑GC、鹿沼72CC(栃木県)、グリーンパークCC、サンコーCC(群馬県)、静ヒルズCC、宍戸ヒルズCC(茨城県)、一の宮CC、千葉夷隅GC(千葉県)、日高CC、嵐山CC、狭山GC(埼玉県)、青梅GC(東京都)、葉山パブリックGC・練習場(神奈川県)、能登CC(石川県)、大野城スカイゴルフセンター(福岡県)
団塊の世代が後期高齢者となり、医療・介護を中心に多くの問題が噴出する「2025年問題」とも深くつながる「ゴルフと健康」のテーマ。認知症予防にもなるとされるゴルフを、多くの方々にとって身近な存在としていくためにも、このプロジェクトを単発で終わらせることなく、継続させていくことが必要だと、参加者の笑顔を見て痛感させられました。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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