久常涼は世界で勝つために使用クラブをガラリと変えた! 男子には珍しいFWのセッティングとは? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

久常涼は世界で勝つために使用クラブをガラリと変えた! 男子には珍しいFWのセッティングとは?

21歳の久常涼(ひさつね・りょう)が青木功、松山英樹に次ぐ日本人3人目となる欧州ツアー(DPワールドツアー)優勝を達成。そのセッティングを調べると、日本ツアーにいた2年前からクラブを大幅に変更していたことがわかりました。

300ヤードを超える飛距離でFWキープもツアー11位

 フランスで開催されたカズーオープン・ド・フランス(フランスオープン)を制した久常涼。昨年から海外ツアーに積極的に出場している久常は、今年9月に21歳になったばかり。久常の魅力は300ヤードを超える平均飛距離がありながらフェアウェイキープ率が高いことです。欧州ツアーのデータを調べると平均飛距離が301.34ヤードで、フェアウェイキープ率は65.91%と11位に入っています。

フェアウェイウッドを4番、7番にし、その分ウェッジを多く入れている久常涼 写真:Getty Images
フェアウェイウッドを4番、7番にし、その分ウェッジを多く入れている久常涼 写真:Getty Images

 久常のドライバーは最新モデルの「ステルス2」で、シャフトは70グラム台の「ベンタス7 RED(X)」。ユニークなのが3番ウッドではなくて4番ウッドを使っていることです。さらに4番ウッドの下には、男子ツアーでは珍しいロフト21度の7番ウッドを入れています。

 久常が最初に注目を集めたのは2021年。19歳だった久常は下部ツアー(Abemaツアー)で3勝を挙げると、後半からレギュラーツアーに出場してわずか7試合で賞金シードを獲得しました。同年は「ZOZOチャンピオンシップ」にも出場して、松山英樹とも練習ラウンドを行いました。

 当時の久常はドライバーの下に3番ウッドを入れて、22度のユーティリティー(4U)を使っているオーソドックスなセッティングでした。しかし、舞台を欧州ツアーに移して、よりハードなコースセッティングで結果を出すために3Wではなく4W、4Uではなく7Wという、やさしい番手を選択するようになったのです。

 2年前はアイアンもマッスルバックでしたが、今年はハーフキャビティータイプの「P7MC」を使っています。優勝した試合では「人生で一番のショットだった」と語った17番のセカンドショットをそのアイアンで打っていました。

 男子プロだとドライバーは最新モデルに変更しても、アイアンやウェッジ、パターは同じモデルを長く使い続ける選手もいますが、久常は2年前に使っていたクラブが1本も残っておらず、この2年間で14本のクラブをすべて変えています。

 昨年から欧州ツアーの試合に出場するようになった久常は、ゴルファーとして成長する過程で、クラブをアップデートしていったことも優勝につながった要因の一つでしょう。

2023 久常涼の最新セッティング

1W:テーラーメイド ステルス2 プラス(ロフト/10.5度 シャフト/フジクラベンタス7 RED)
4W:テーラーメイド ステルス2 プラス(ロフト角/16.5度 シャフト/フジクラベンタス7 BLACK)
7W:テーラーメイド ステルス2(ロフト角/21度 シャフト/フジクラベンタス8 BLACK)
4I-PW:テーラーメイド P7MC
AW、LW:テーラーメイド ミルドグラインド4(52度、60度)
SW:テーラーメイド ミルドグラインド3(56度)
パター:オデッセイ ブラック iX ♯9

【動画】「欧州でもこんな音聞いたことない…」久常涼が分厚いインパクトで根元に落としたスーパーショット

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メジャー2勝、ジョン・デーリーのRV。日本で言うところの観光バスを居住できるようにカスタマイズ(写真は2002年のもの) 写真:Getty Images
メジャー2勝、ジョン・デーリーのRVの室内。大好きなギターもRVならツアー会場に持っていける(写真は2002年のもの) 写真:Getty Images
メジャー2勝、ジョン・デーリーのRVの室内。まるで高級ホテルのスイートルームと見まがうばかり 写真:Getty Images
ジョーダン・スピースも“RVライフ”を好む選手の1人 写真:Getty Images
カズーオープン・ド・フランスで初優勝を果たし、破顔大笑の久常涼 写真:Getty Images
1年前のZOZOチャンピオンシップでの久常涼。最後にボギーを叩き、PGAツアーの重い扉を開けることはできなかった 写真:Getty Images
フェアウェイウッドを4番、7番にし、その分ウェッジを多く入れている久常涼 写真:Getty Images
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