世界でもトップクラスの研磨技術
日本だけでなく世界でも評価が高いミズノのアイアンですが、ミズノの養老工場(岐阜県養老町)には、一流プロゴルファーのアイアンを削っている研磨のスペシャリストがいます。そんな職人が、アマチュアにも一人一人の好みを聞いてアイアンを削ってくれるイベントが開催されているのをご存じでしょうか。

ミズノの鍛造アイアンが世界的に評価されている要因の一つが、養老工場にいるクラフトマンの存在です。熟練のクラフトマンはプロゴルファーからの信頼も高く、アイアンを削る技術は世界でもトップクラスだと称賛されています。ミズノのアイアンを使うプロゴルファーのほとんどはクラフトマンと話をしながら、自分好みのソール、ネック、トップラインにアイアンを調整しています。その作業をするために、トーナメント会場に「ワークカー」が帯同して選手のオーダーに対応しているのです。
それと同じサービスをアマチュアが体験できるのが、ミズノのグラインドオーダー会です。同会には、日本女子ツアーを転戦しているワークカーが来場。ワークカーの中には研磨用のグラインダーがあり、アイアンを削ってくれる担当クラフトマンの1人が、ミズノでも研磨のスペシャリストと言われる佐竹政寛さんなのです。
1989年にミズノに入社した佐竹さんは、鉄の塊からアイアンを作ることができる日本でも数少ないカリスマクラフトマン。佐竹さんに話を聞くと「決してハードルの高いイベントではないので、(ゴルフが)うまい人だけでなく、いろんな人に参加してもらいたいと思っています。お客さんの目の前でアイアンを削るので、火花が散ってソールが削れていく瞬間を見るだけでも感動する人が多いです」と話します。
一人一人の理想に近く

一番多い要望を尋ねると「やっぱり形状というか、『顔』ですね。トップラインを薄くしたいという要望が多いです。ただし、薄くしたいといっても一人一人好みは違い、トゥ側の頂点を丸くしたいのか、トップライン全体を薄くしつつ少しグースにしたいのかなど、それぞれ違います。それを一人一人の理想に近い形状に削っていけるのがグラインドオーダー会の魅力だと思います」と佐竹さんは言います。
参加者はグラインドオーダー会の前に、まずフィッティングを受けます。フィッティングでヘッド、シャフト、ロフト、ライ角などの大枠を決めます。そして、当日はクラフトマンに形状の好みを伝えて7番アイアンを目の前で削ってもらいます。他の番手は養老工場で丁寧に1本ずつ削っていきます。形状だけではなく、メッキによる仕上げ、ロゴの色も選択できるので、デザインも含めて世界に一つだけのアイアンセットを作ることができるのです。
アイアンの購入費用はかかりますが、グラインドオーダー会の参加費はなんと無料! 予約制で所要時間は約60分。関東、関西はもちろん、11月から12月にかけては九州でも開催されます。長年ゴルフをプレーして、いろいろなアイアンを使ってきたものの「まだ理想のアイアンに出合えていない」というゴルファーにとっては、参加の価値大いにありのイベントといえるでしょう。