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話題の最新シャフト「TOUR AD VF」と「LIN-Q BLUE EX」を比較試打 同じ“中元調子”なのに正反対!?
グラファイトデザインの「TOUR AD VF」とUSTマミヤの「LIN-Q BLUE EX」は、どちらも“中元調子”に分類されているシャフトです。中間から手元がしなることでは同じタイプといえますが、実際に打ってみると性能やフィーリングには大きな違いがあります。ゴルフライターの鶴原弘高が比較試打して、2モデルでのしなり特性や弾道の違いをレポートします。
そもそも「TOUR AD VF」と「LIN-Q BLUE EX」の成り立ちは?
昨年、グラファイトデザインからは「TOUR AD CQ」という先中調子のシャフトがリリースされました。今年は、それとは対称的な性能の中元調子のシャフトとして「TOUR AD VF」が展開されています。

「TOUR AD VF」は、アメリカンチェリーのようなダークレッドのカラーリングが目を引きます。この色合いを見て、20年前に発売された「TOUR AD I65」を懐かしく思い起こした方もいるはず。何を隠そう「TOUR AD」シリーズの初代モデルが「TOUR AD I65」だったのです。おそらく今作は、シリーズ20周年を意識して初代と同じようなカラーリングが採用されたのでしょう。「新作なのにデザインが古くさい」なんていう人もなかにはいるのですが、上記のような理由があれば納得しませんか? ちなみに新作の「VF」は、VICTORY FORCEの頭文字だそうです。
USTマミヤの「LIN-Q」は、もともとはアメリカで開発されて展開されているシリーズ。米国市場では「LIN-Q」シリーズで数種類のモデルが展開されていて、どちらかいうとツアープロやハードヒッター向けの性能になっています。このたび日本で新発売された「LIN-Q BLUE EX」は、アメリカの「LIN-Q」シリーズのコンセプトを踏襲しつつ、日本のゴルファー向けに新たに開発したモデルです。
今回は、そんな2モデルの50グラム台と60グラム台のフレックスSをそれぞれ打ち比べました。
適度なハリ感があってコントロール性がいい「TOUR AD VF」

「TOUR AD VF」の50グラム台のフレックスSを打ってみると、あれ?っと思うぐらいに従来の中元調子らしいフィーリングがありません。まるでシャフト全域に1本の筋が通っているようで、すぅっと全体的に薄めにしなっているように感じられます。どこがしなるかと問われると、「シャフトの先端側が動いていないので、中間から手元がしなる」と言えるのですが、先端から手元までの全域においてシャフト挙動が非常におとなしい。それゆえに硬めに感じる人もいそうです。
60グラム台のフレックスSになると、重量感とともにしっかり感も増しますが、50グラム台とフィーリングは大きく変わりません。やはりシャフト全域に1本の筋が通っているようで、適度なハリ感があり、そのおかげでダウンスイングからインパクトにかけて、手元からヘッドまでを一直線に下ろしてこられます。自分が思ったところにヘッドを戻しやすく、なおかつ特筆すべきは素早く振り抜けるスピード感! 操作性の良さと飛距離性能をうまく両立しているシャフトです。
ねばり感があって、マイルドな振り心地の「LIN-Q BLUE EX」

「LIN-Q BLUE EX」は、典型的な中元調子の挙動を備えたシャフトです。とくに50グラム台だと、中間から手元にかけてのねばり感としなり量が多く、全体的にマイルドな振り心地になっています。この特性のおかげで、切り返しやインパクトのタイミングを取りやすく感じる人も多いでしょう。
自分からギュッと力を加えなくても切り返しでシャフトがしなってくれるので、ハードな印象はまったくなく、対応ヘッドスピードが広いのも特徴的です。50グラム台のフレックスSなら35~43m/sの人まで幅広く使えそう。60グラム台のフレックスSになると、しなる量は減りますが、ねばり感は強めのままです。
誰が打っても分かりやすい中元調子のシャフトといえますが、旧来のモデルと比べるとインパクトでフェースをスクエアな状態に戻しやすくなっています。ねばり系にもかかわらず、右へスッポ抜けるミスが出づらいのは魅力的です。
同じ中元調子なのに、性能や対象ゴルファーは正反対!?
「TOUR AD VF」と「LIN-Q BLUE EX」を打ち比べてみると、対象ゴルファーがまったく異なるように思えました。
「TOUR AD VF」はしなり量が少なく、適度なハリ感があるので、スピードを上げてクラブを振り抜いていきやすいシャフトです。実際に「LIN-Q BLUE EX」と同じ振り力感で打っていても、ヘッドスピードは「TOUR AD VF」のほうが速くなる傾向にありました。また「TOUR AD VF」は挙動がシャープなため、ヘッドの動きまでコントロールしやすく、操作性にも優れています。シャキッとしたフィーリングのシャフトが好きな人や、左へのミスを警戒しつつ、スピードを上げて飛ばしたい人に合いそうなモデルです。
それに対して「LIN-Q BLUE EX」は、ねばり感が強く、シャフト自体に若干の遊びがあり、いい意味で鈍感です。それゆえに振り心地がまったりしていて、スイングのミスを許容してくれる懐の広さを備えています。ボールスピードを上げてくれるタイプではありませんが、アバウトに打ってもそれなりの結果を残してくれるでしょう。手元がしなるタイプのシャフトが好きな人で、ドライバーが苦手な人にもオススメできそうなモデルです。
試打・文/鶴原弘高
つるはら・ひろたか/1974年生まれ。大阪出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフクラブ関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。ギア好きゴルファーの会員制コミュニティサイト『3up CLUB』(https://3up.club/)では、配信される動画のキャスター兼編集長を務めている。Instagram :tsuruhara_hirotaka
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