2028年からの採用が決定した“飛ばないボール” メーカーの受け止めは? ツアー12勝・宮本勝昌は「楽しみ」!? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

2028年からの採用が決定した“飛ばないボール” メーカーの受け止めは? ツアー12勝・宮本勝昌は「楽しみ」!?

12月6日、R&AとUSGAが2028年からゴルフボールのテスト条件を改定する決定を発表。それ以降に公認されるボールに関しては現在より飛ばない設計にせざるを得なくなります。つくる側のメーカーと使う側のツアープロの受け止めを聞きました。

より飛ばせる条件で同じ飛距離に収めなければならない

 12月6日、R&AとUSGAが2028年からゴルフボールのテスト条件を改定する決定を発表しました。男子ツアーなどでは、ドライバー飛距離が300ヤードを超えることが普通になり、飛距離がゴルフの長期的な持続可能性に与える影響を減少させることを目的としたものです。

新TOUR Bシリーズのメディア向け説明会に出席した宮本勝昌(右)と長野泰雅。24年モデルはまだ“飛ばないボール”ではないので念のため
新TOUR Bシリーズのメディア向け説明会に出席した宮本勝昌(右)と長野泰雅。24年モデルはまだ“飛ばないボール”ではないので念のため

 その一環として、今回はゴルフボールの飛距離を抑える方策を採用し、ボールのテスト条件を改定するのです。ツアーをはじめとする競技などでは、使用するボールは公認球でなければなりません。それを公認するのがR&AとUSGAです。プライベートのゴルフでも非公認球を使用すればルール違反になってしまうことには変わりなく、一般に売られているボールのほとんどは公認球ですが、飛びなどを売りにして公認球ではないことをうたっているボールも少なくありません。

 ボールを公認するための条件はいくつかあり、よく知られているものはボールの大きさや重量ですが、その中でボールの最大飛距離をテストするための条件が今回変更になりました。最大飛距離は「317ヤード+測定誤差3ヤード」と変わりませんが、その時のテスト条件が変わったのです。

 ヘッドスピードが120mph(53.6m/s)から125mph(55.9m/s)と速くなり、ボールのスピン量は2530rpmから2220rpmと減少、打ち出し角が10度から11度に上がり、より飛距離が出る条件に変更されます。その結果、「最大飛距離317ヤード+測定誤差3ヤード」は同じですが、これを守るためにはボールを飛ばない方向に設計変更せざるを得ません。

 発表では、このテスト条件にすると、強打者で13~15ヤード飛距離が減少、平均的な男子プロで9~11ヤード、女子プロで5~7ヤードです。一方、一般ゴルファーでは5ヤード以下の減少で、一般ゴルファーへの影響は少ないと結論づけています。研究では、一般ゴルファーの男性のヘッドスピードは41.5m/s、女子32.2m/sです。また、現在市販されているボールの3割を超える銘柄は、新しいテストでも適合する見込みだそうです。

飛距離に代わる新たな価値を持つボール開発へ

 逆に言えば、現在市販されている7割のボールは不適合になるため、2028年に向けて、ボールメーカーは対応を迫られることになります。この条件の変更について、ゴルフボールを製造するメーカーに聞きました。

「スリクソンZ-STARシリーズ」などを販売する、ダンロップスポーツマーケティングの広報担当は次のようにコメントしました。

「弊社としてはゴルフの楽しみの一つである飛距離を抑制する変更となったことは残念に思います。その一方で、一般アマチュアへの影響を最小化するという観点で、エリート競技ゴルファーだけでなく一般アマチュアゴルファーも含めて変更内容を世界共通ルールとしたことで、ゴルファーの混乱を最小限に留める方法とした一連のプロセスについて理解し、尊重したいと思います。弊社はこれまでもゴルフ規則を遵守してきましたし、これからも遵守していく考えに変わりはありません。今回の変更は受け入れながらも、ルールの範囲内で最高性能のゴルフボールを提供し、すべてのゴルファーに楽しさを与え続けるための研究開発を行っていきます」

 もう一方の国内大手メーカー、「TOUR Bシリーズ」などのブリヂストンスポーツの広報担当も、与えられた条件のなかでより良いボールづくりを目指す姿勢を語ります。

「新テスト条件の適用が施行されれば、ドライバーショットでの飛距離は一定程度低下すると考えますが、その影響を抑えつつ、新たな機能価値を生み出す開発活動に注力し、皆様に長くゴルフを楽しんでいただけるような製品づくりを行ってまいります」

 一方、使う側のツアープロはどう受け止めているのか、ブリヂストンの契約プロであるレギュラーツアー12勝の宮本勝昌に、新TOUR Bシリーズのメディア向け説明会で聞いてみると、意外な答えが返ってきました。

「4年後、5年後となると、(自分は)55~56歳でしょ。変わっても4~5ヤードだと思うんですけど…」とメディア陣を笑わせた後、「ブリヂストンスポーツを含めて各社がどういうボールづくりをしてくるのか、楽しみではありますね。なってみないと分からないですし、大変ですけど、素晴らしいボールが出来るのを待ってます」

 明るくポジティブ思考の宮本らしい発言ともいえますが、与えられた条件の下でベストを尽くすのみというのは、どのプロにも共通した考えでしょう。

 28年のルール変更にともない、ゴルフボールがある程度飛ばなくなることは避けられそうもありませんが、新ルールが適用される28年までは4年間あります。そのなかで、メーカーには一般ゴルファーへの影響を最小限にする新しいルール適合のボール開発を期待したいところです。

【図解】USGAが公表したヘッドスピード別「飛距離減」の目安 早見表

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USGAのインスタグラム(@usga)より ※メートル/毎秒のヘッドスピードをマイル/毎時に直すには3.6をかけてから1.6で割ります
USGAのインスタグラム(@usga)より ※メートル/毎秒のヘッドスピードをマイル/毎時に直すには3.6をかけてから1.6で割ります
飛距離を抑制する新基準の採用を正式発表するUSGAの公式サイト
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飛ばないアマチュアはますます飛ばなくなってしまうのか?(写真はイメージです) 写真:GettyImages
テーラーメイド ツアーレスポンス ストライプ ブルー/ピンク
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テーラーメイド ツアーレスポンス ストライプ マルチカラー
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テーラーメイド ツアーレスポンス ストライプ
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新TOUR Bシリーズのメディア向け説明会に出席した宮本勝昌(右)と長野泰雅。24年モデルはまだ“飛ばないボール”ではないので念のため

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