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- ビギナーは「とりあえず10.5度」でホントにいいの? 自分に合ったドライバーロフトの見つけ方
ドライバーのロフトは10.5度、9度、8度などさまざまですが、なんとなくで10.5度を使っている人は多いはず。正しいドライバーのロフトの選び方を人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに聞きました。
ダイナミックロフト (インパクトロフト)が最も重要な数値
巷ではヘッドスピード(以下、HS)が速い人は立っているロフト、遅い人は寝ているロフトが良いなどと言われています。また弾道が高い人はロフトをもっと立てた方が良い、逆に低い人は寝かすべきだと、アドバイスを受けたことがある人も多いと思います。もちろん全てが間違いではありませんが、正確な選び方を分かっている人は少ないと思います。今回はドライバーのロフト選びについてお話しします。
まず近年、ドライバーのロフト選びでは測定器を利用します。測定器がなかった時代は冒頭でも話した通り、HSや目視で弾道の高さを見てロフト選定をしていました。ただ弾道測定器が普及した現代では、より論理的にロフト選定が出来るようになりました。
では、実際どの数値を参考にロフトを選ぶかですが、「ダイナミックロフト (インパクトロフト)」が最も重要な数値となります。これはインパクト時のクラブフェースの傾きを示す数値ですが、平均的なアマチュア男性ゴルファーだと16度~18度(※測定機器によって誤差があります)が理想です。
つまりダイナミックロフトがこの数値より大きければより立っているロフトを、逆に小さければより寝ているロフトを選定する事で、理想的な数値に近づけることが出来ます。
ちなみにダイナミックロフトが適正値なのに弾道が低い場合は、単純に打点位置が低くてトップしているか、シャフトが硬かったり重かったりする可能性があるので、そこは別の部分を見直さないといけません。
またダイナミックロフトが適正な数値から極端に離れている場合は、打ち方も見直さなければなりません。例えばフェースが開いて当たりやすい方や右足に体重が残りすぎてアッパーがきつすぎる人はロフトが寝る傾向にありますし、逆に手を返してフェースを閉じすぎる人、上体が突っ込んでダウンブローで入る人は立つ傾向にあります。
ダイナミックロフトにはフェース角度やアタックアングルの数値も影響しますので、安易にそこだけを見てロフト変更するのはかなり危険なので注意が必要です。
「カチャカチャ」をうまく活用しよう
なお近年はロフトを自分で変更できる「可変スリーブ」、いわゆる「カチャカチャ」が付いているドライバーも多くなりました。初めは基本のスタンダードで合わせておいて、スイングが安定してきたらロフトを立てたり、寝かせたりするというやり方もアリでしょう。
ただし、覚えておいてほしいのが、カチャカチャを変更する事でロフト以外にライ角とフェースアングルも変化することです。特にフェースアングルの影響は大きく、基本的にロフトを寝かすとフェースが左に向き捕まりやすくなり、立てると右に向き引っかかりにくくなります。この辺りも頭に入れた上でカチャカチャを上手に使えばより弾道が安定する可能性が高まります。
ただ、ゴルフ歴が浅いビギナーは始めにロフトが何度のドライバーを購入すればよいかもわからないと思います。はじめは球が上がらず、捕まらないことが多いので10.5度のドライバーを使用するのが無難です。
ある程度使用して球が高くなり過ぎたり、捕まり過ぎたりすると感じるようになったら9度など立ったロフトへの変更を検討しても良いと思います。とはいえ、最終的にはフィッティングを受けて、自分のダイナミックロフトの数値を見ながらロフト選定するのが一番ですので、ある程度のレベルになったらフィッティングを受ける事をお勧めします。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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