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- 初心者にスピン系は“猫に小判”! うまくなるまではディスタンス系で十分って本当? 「第三のボール」とは一体…
「スコアがまとまってきたら、ディスタンス系ではなくスピン系を使った方が良い」と聞いたことがある人は多いかと思います。「スピン系」と「ディスタンス系」の違いは一体なんなのでしょうか。ゴルフボールの種類について人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに聞きました。
スピン系のボールにも飛距離性能は十分に備わっている
「スコアがまとまってきたら、ディスタンス系ではなくスピン系を使った方が良い」と聞いたことがある人は多いかと思います。ただ一般的にスピン系のボールは金額が高く、実際にボールの性能でどのくらいスコアが変わるのか懐疑的な人も多いと思います。さらに、最近は「第三のボール」と言われる新たな分野のボールも登場してきました。本日はボール選びに悩むゴルファーのために、それぞれのボールの特徴を紹介します。

まず「スピン系」と「ディスタンス系」の違いからお話しします。そもそもこういう呼び方をしてしまうとスピン系はスピンに特化していて、ディスタンス系は飛距離に特化していると思われがちですが、スピン系のボールにも飛距離性能は十分に備わっています。現にタイトリストのボールフィッターはこの呼び方を使わずに、スピン系を「トータルパフォーマンスボール」と表現しています。また近年はスピン系を「ツアーボール」と呼ぶこともあり、個人的にはこっちの方がしっくりくると思っています。
とりあえず今回はスピン系とディスタンス系という呼び名で違いを説明します。スピン系は3層(3ピース)以上の層から出来ている事が多く、一番外のカバーがウレタンという柔らかい素材で作られています。対してディスタンス系の大半が2層(2ピース)で、こちらはアイオノマーという硬い素材のカバーが使用されています。ゴルフボールは層が増えるごとに製造コストが高くなる上に、3ピース以上になると一気に性能が上がる事からスピン系はディスタンス系に比べて高価になっています。
ではなぜ3層以上だと性能が上がるのかという点ですが、各層の役割がはっきりするからです。例えばヘッドスピードが40m/s以上のドライバーショットでは中心部のコアが影響し、30~40m/sのアイアンショットではミッド層、そして30m/s以下のアプローチはカバーが役割を果たします。各層がそれぞれのショットで最適なスピン量を生み出す役割を果たすためロングゲームでは最大飛距離を、アイアンやウェッジではしっかりとしたスピンが入るというハイブリッド設計が可能となるのです。その点、ディスタンス系は柔らかいコアと硬いカバーの2層構造です。飛ばすというだけの役割は2層でも十分ですが、それ以上の性能は残念ながら求められません。
結局の所、スピン系もディスタンス系もロングゲームでの飛距離性能は担保されている事が前提で、特にショートゲームにおけるスピンが入りやすいか、入りにくいかが一番の違いとなります。ちなみに50ヤード以下のショットはカバーの影響しかないのでウレタンとアイオノマー素材の差がはっきりと出ます。一般的に56度のウェッジで50ヤードを同じように打てばスピン系のボールの方が、2000~3000RPM程度スピンが多く入ります。
「第三のボール」はスピン系とディスタンス系の中間に位置するボール
では、「第三のボール」は何かという点ですが、これはスピン系とディスタンス系の中間に位置するボールと言われています。主に3ピースが多いのですが、コアはスピン系ボールより柔らかく、カバーはディスタンス系ボールより柔らかいというよく言えば良いとこ取りボールと言えます。
ロングゲームではスピン系より柔らかい打感で最大飛距離を、ショートゲームではディスタンス系を上回るスピン量で止まるというのがウリですが、悪く言えば中途半端な位置づけとも取れます。スピン系のような硬めの打感が好きな人は物足りなさを感じるでしょうし、基本的に価格はディスタンス系よりも高い設定です。近年シェアを伸ばしているとはいえ、当たり前ながら全てのゴルファーに受け入れられるボールではありません。
正直、レベルを問わず上達したいのであれば3ピース以上のボールを使うに越したことはありません。ただOBや池ポチャなどでボールを大量に無くす可能性がある初級者の段階では、安いディスタンスボールを使う方が財布に優しいと思います。
ただ、どちらにしても一番大事なことはさまざまな銘柄のボールを一緒に使わない事です。色々なボールを使用すると特にショートゲームのイメージが全く変わってしまいます。自分がこれと決めたら出来るだけ長く使う、そして上達する過程で3ピース以上のボールに移行出来ればおのずとスコアも良くなっていくことでしょう。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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