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- 流行の波はパターにまで…PGAツアーでもちらほら出現!? ぶっちゃけ“パター用カーボンシャフト”ってどうなの?
数年前からパター用のカーボンシャフトが話題になっています。爆発的な人気を誇った「スタビリティシャフト」を皮切りに、各メーカーが多くのパター用カーボンシャフトを世に送り出しています。今回はパター用のカーボンシャフトについて人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに聞きました。
ブームの火付け役はPGAツアー?
数年前からパター用のカーボンシャフトが話題になっています。爆発的な人気を誇った「スタビリティシャフト」を皮切りに、各メーカーが多くのパター用カーボンシャフトを世に送り出しています。ただ、パターなんてスチールシャフトで十分と思っているアマチュアゴルファーは多いと思います。今回はパター用カーボンシャフトについて解説します。
そもそもパター用のカーボンシャフトが話題になったのは、PGAツアーの影響が非常に大きいです。世界のトッププレーヤーがパターにカーボンシャフトを入れて上位の成績を収めたことで、国内でも一気に話題になりました。
ただ、一概にパター用カーボンシャフトといっても数多くの製品が存在します。ちなみに彼らが使っていたのは、スタビリティシャフトを筆頭とした非常に硬い低トルクのモデルです。低トルクがゆえにストローク中のねじれが少ない、同時にインパクト時にヘッドの振動を抑制出来るのでショートパットでは左右のブレを軽減できる、ロングパットでは縦距離が安定するというメリットがあります。
しかし、こういったシャフトが全てのゴルファーに恩恵があるかというと、もちろんそんなことはありません。よく、車のハンドルに例えられるのですが、PGAツアーで流行った硬くて低トルクのカーボンシャフトは、いわばF1のようなレーシングカーのハンドルに近いです。高速走行では一瞬でダイレクトに車を操作するために“遊び”を無くしているのですが、これはプロのドライバーにとっては恩恵があっても一般のドライバーにとっては恐怖でしかありません。
少し大げさな表現ですが、自分のストロークに絶対的な自信を持っている世界のトッププレーヤーは、パターの微細なシャフトのねじれさえも邪魔になるのです。ただし、一般アマチュアゴルファーはあまりにも反応が良すぎるシャフトは、必ずしもパット数の減少につながるとは限りません。
ムチのように軟らかいパター用カーボンシャフトも
それでも、パター用カーボンシャフトが話題になるのは、そういった硬くて低トルク以外のシャフトも発売されているからです。国内で販売されているパター用カーボンシャフトの代表といえばフジクラのMCパターです。こちらは3種類のフレックスがあり、特に「SMOOTH」というフレックスでは、ムチのように軟らかいシャフトに仕上げています。先ほどから説明している硬い低トルクの製品と真逆の設計で、こちらはパターを苦手としている人、特にイップス気味の方がヘッドの重みを感じながらストロークできるように仕上げています。
パター用のカーボンシャフトに限ったことではないですが、カーボンは素材の特性上、スチールよりも設計の自由度が高いです。フジクラが同じ重量で3種類の硬さを展開できるのはこの恩恵をフルに生かしているからです。硬さやトルクによってメリット、デメリットは変わりますが、自分にとって最適なシャフトを見つけるという点でいえば、スチールシャフトより選択肢が広いのは間違いありません。
まとめになりますが、パター用カーボンシャフトは種類が豊富です。その中でも硬くて低トルクの製品は、ねじれに強く左右へのバラつきが減る、打点のブレに強いというメリットがありますが、その反応の早さゆえにフェース面をうまく管理できない人も多いです。逆に非常に軟らかい製品はある程度アバウトに打てるため、ミスがミスになりにくく、打ち急ぎなどを軽減できる反面、繊細なタッチができなくなります。前者のシャフトはPGAツアーで流行ったということからも、ある程度パッティングに自信がある方に向いているのは間違いないでしょう。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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