- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ギア・グッズ
- 遅いグリーンに重いパターは合わないってホント!? 知っておきたい“軽いパターの選び方”と使用時の注意点
酷暑の影響もあり、ゴルフ場の中にはグリーンの芝を短く刈り込むことができず、例年以上に遅くなっているところが多いといいます。しかし、遅いグリーンで最新の「重いパター」を使うのは、想像以上に難しく寄せにくいそうです。
重いパターでは遅いグリーンに対応できない
パターはアマチュアでもプロとまったく同じモノが使えるクラブ。構えた印象や打感などの差はあるもののデザインが重視され、あまり「スペック」にこだわらずに買ってしまいがちです。
でも今年「パターが入らなかった」という人は、ちょっとスペックに注意してみてはどうでしょうか。パターの名手としても知られるクラブフィッターで、ゴルフフィールズユニオンの小倉勇人店長に話を聞きました。
「ここ2~3年の夏は従来では考えられないくらい気温が高く、どのゴルフ場もグリーンのメンテナンスに苦労していました。芝を枯らさないことで精いっぱいでグリーンのスピードが出せず、とても遅いグリーンが多かった印象です。そんな酷暑の夏から秋にかけて、『パターが入らなかった』という人は、パターのスペックにちょっと注意してみると、改善されるかもしれませんよ」(小倉店長)
小倉店長の言う「注意すべきパターのスペック」とは、総重量です。
実は近年、パターの平均的な重量はどんどん重くなり、10~15年ほど前と比べてもヘッドだけで20~30グラム以上、それ以前のビンテージものなどと比べると50グラム近くも重くなっているといいます。
これは昔と比べてグリーンのメンテナンス技術が上がり、グリーンのスピードが速くなっていることが大きな原因と思われます。
遅く荒れたグリーンでカップインの確率を上げるには、芝に負けないようにしっかり打ってボールを強く転がすことが肝心です。軽いパターはクラブ自体のエネルギーが小さいので、同じようにストロークしても重いパターとくらべて球が飛びません。つまり飛びすぎる心配がなく、しっかりボールをヒットしやすいのです。
一方、速く整ったグリーンでは、方向とタッチを合わせて狙ったラインにボールを乗せてやればカップインしてくれるので、あまり強くヒットする必要がありません。そういうパッティングには、重めの「飛ぶ」パターを、小さな振り幅で静かにストロークするほうが再現性は高いのです。
近年パターの重さが増しているのは、後者のようなストロークが主流になり、パターにもそういった「転がりのよさ」が求められているからだといえるでしょう。しかしその結果、今年よく出会ったような遅いグリーンでは、その重さがアダとなってしまうケースが多発しているというわけです。
「昔の相棒」を再登板させてみるのもアリ
「グリーンが遅くなると、同じ距離を打つにも大きな振り幅が必要になります。しかし重いパターはその重さゆえ、『大きく上げる』のが難しい。その結果ショートしてしまったり、転がりのよさゆえに意図した以上に転がってオーバーしてしまうミスが出やすいんです」
「これに抗って重いパターで無理にしっかり打とうとすると、パンチが入るクセがついてしまったりして、ストローク自体を壊しかねません。ですので私は、遅いグリーン専用の軽いパターを使うことをオススメしたいですね」(小倉店長)
小倉店長自身も、グリーンが遅い日用に軽いパターをバッグに入れておき、朝のパッティンググリーンで試してから、その日どのパターでプレーするかを決めているそうです。
しかし実は、「軽いパター」を使うには問題があります。それは、いま大手メーカーから発売されているパターには「軽い」といえるようなモデルがほとんどないという点です。
そこで小倉店長は、昔愛用していた古いパターを引っぱり出してくるか、中古パターで気に入ったものを探すのがオススメだといいます。
「ヘッド重量350グラム未満くらいの軽いパターを使いたければ、15年くらい前のモデルを探すのが一番手っ取り早いです。私も今夏は、2005年モデルのパターを再調整して使っていました。どうしても新しいものが使いたいなら、ウエートを外すなどの加工が必要になることが多いので、工房に相談してみてください」(小倉店長)
なお、遅いグリーンでショートしがちなアマチュアには、「大きな振り幅」でバックスイングするのが苦手という要因もあると小倉店長はいいます。
とくに軽いパターでしっかり飛ばすには大きな振り幅が必要になりますが、そういった大きなバックスイングでパッティングした経験がないため、違和感や恐怖心で必要十分なバックスイングが取れないのです。ロングパットでダフッてしまう人などはまさにこのタイプ。
軽いパターを使う際には、練習グリーンの端から端を打つような、大きな振り幅のストロークを練習してからにしましょう。
最新の記事
pick up
ranking