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- “メーカー純正”を信用するな! 失敗しないユーティリティーのシャフト選びのポイントは!?
ドライバーやアイアンのシャフトはこだわるのに、ユーティリティーのシャフトはアバウトに選んでいる人が多いです。今回はユーティリティーのシャフト選びについて人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに聞きました。
ユーティリティーのシャフトはウッドからの流れが大事
近年、ロングアイアンだけでなく、ミドルアイアンの代わりにユーティリティーを使用するゴルファーが増えてきました。最大の理由はロフトが“寝ている”ユーティリティーが多数登場してきたからといえます。以前は25度程度までのロフトしかなかったユーティリティーも最近は30度を超すモデルも登場しています。アイアンに比べて芯が広い、打ち込まなくても球が上がるなど、特にそこまでパワーがないゴルファーにとっては、スコアアップの救世主的な存在になっています。
しかし、ドライバーやアイアンのシャフトはこだわるのに、ユーティリティーのシャフトはアバウトに選んでいる人が多いのも事実です。今回はユーティリティーのシャフト選びについて解説します。

まず、ここから話す内容はあくまでも“ウッド型”のユーティリティーの話で、“アイアン型”の中空モデルは例外だと思って下さい。なぜこれを話したかというと、一般的なユーティリティーはウッドに分類されます。つまり、ユーティリティーのシャフトを選ぶ際はウッドの流れを大事にしないといけません。よくアイアンと同じ重量のシャフトを入れているアマチュアゴルファーがいますが、これは明らかに重量オーバーです。ユーティリティーは比較的短いので打てないことはないですが、本当にクラブの性能を生かそうと思うならアイアンと同じ重さはやめて下さい。
では、具体的な重量ですが、まずドライバーのシャフト重量が50グラム台のゴルファーは、70グラム台のユーティリティーシャフトが重量フローとして非常にマッチします。ちなみにその場合、アイアンのシャフト重量は100g前後が良く、この重量フローを整えるだけでもかなりセッティングの流れが良くなります。
次にドライバーのシャフト重量が60グラム台の方は80グラム台のユーティリティーシャフトをお勧めします。その場合はアイアンのシャフト重量は120グラム前後が非常に良い流れとなります。
ただし、これはある程度パワーがある一般男性ゴルファーのお話しです。シニアやレディースゴルファーなど、そもそもドライバーとアイアンのシャフト重量フローが少ない方はウッド系の重量に合わせることをお勧めします。
参考にすべきはシャフトの長さ
とはいえ冒頭で話した通り、近年は30度を超すようなユーティリティーも登場しています。こうなってくると、たとえば20度付近と30度を超す番手でシャフト重量を変えなければならない場合も存在します。ここで参考にするのが長さです。よく、ロフトや番手で重量を変えるという人がいますが、これは必ずしも正解ではありません。これはユーティリティーに限ったことではありませんが、シャフト重量を考えるのはあくまでも長さです。
では、実際にどの長さで重量を変化させるかという点ですが、私のこれまでのフィッティングデータでは長いほうは40.5インチ、短いほうは39インチを目安にしています。もちろんこれらの数字は目安ですが、40.5インチを超すモデルは先ほど話した適正重量から10グラムマイナス、逆に39インチを下回るモデルは10グラムプラスすることを奨励しています。
ただ、長さを聞いてもピンと来ない人が多いと思います。あくまでも一般的なユーティリティーの話ですが、40.5インチを超すモデルは18度以下のかなり立っている番手、39インチを下回るモデルは28度以上の寝ている番手に多いと思って下さい。
今後はユーティリティーの純正シャフトは多様化する?
私はユーティリティーのシャフト選びを「隙間産業」と呼んでいます。冒頭でも話しましたが、ドライバーやアイアンのシャフトは細部までこだわるゴルファーもユーティリティーになると急にアバウトになる人が多いです。同時にメーカーの純正シャフトも60グラム以下の軽いカーボンシャフトか、90グラム以上のスチールシャフトが装着されていることがほとんどです。
一般ゴルファーがユーティリティーシャフトに対してもっと興味を持てば、メーカーサイドも70グラムや80グラムの純正シャフトをもっと採用してくれるはずです。私などが偉そうにいうのは恐縮ですが、ここまで多くのゴルファーに浸透してきたユーティリティーだからこそ各メーカーさんも純正シャフトの重量を考えて欲しいと強く願います。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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