- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ギア・グッズ
- レンジボールに要注意! コースで練習場のようなナイスショットが出ない… それ、ボールの違いのせいかも?
今回はコースボールと練習場専用のレンジボールの違いについて人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに聞きました。
レンジボールは練習場で使用されることを前提に作られている
練習場ではナイスショットを連発するのに、いざコースへ行くと曲がってしまうというアマチュアゴルファーは少なくないと思います。もちろんコースでは緊張やプレッシャーの影響で、練習場と同じスイングが出来ていないという可能性がありますが、そもそもボールの違いで弾道が変わってしまうというケースもあります。今回はコースボールと練習場専用のレンジボールの違いを解説しようと思います。

そもそもレンジボールは練習場で使用されることを前提に作られています。衝撃や劣化に強い反面、基本的には1ピース(1層)のものが多く、飛距離性能は圧倒的にコースボールが勝っています。レンジボールが飛ばないように設計されている理由はいくつかありますが、第一にとにかく柔らかい素材を使用していることが挙げられます。
これは練習で球数を多く打ってもゴルファーの手首やひじへの負担をやわらげ、打った後の疲れを抑えるためです。また練習場のネットから外に飛び出すという事故を防ぐためにもあえて飛ばない設計にしています。そもそも開発の目的が違うわけですからコースボールとレンジボールは全く別物と考えておく必要があります。
ただ、最近は2ピースのレンジボールも登場しており、コースボールに近い打感を味わえるフィーリングにこだわったものもあります。それでもやはり飛距離性能はコースボールに劣ります。
実際どれくらいの差が出るかというと、レンジボールの質にもよりますが大体すべてのショットにおいて1割程度飛距離が落ちると思ってください。たとえばドライバーの飛距離が200ヤードのゴルファーなら約20ヤードマイナスの180ヤードになるといった具合です。もちろん300ヤードを飛ばすようなハードヒッターになれば30ヤードマイナスになるのでより飛ばなく感じるはずです。
ただ、全てのショットにおいてスピンが入りやすい設計になっているため、アプローチなど短い距離のショットはコースボールと大差ない距離になります。
練習場ではヤード表示を実測より手前に置いていることも
さらに、飛距離が出るクラブほど捕まりが悪く、打ち出し角が低めに出る傾向にあります。これも飛ばない設計にしている影響です。これを知らずにレンジボールを捕まえようとすると、コースではチーピンを多発する可能性があります。また打ち出しが低いからといって上げようとすると、そもそもスイングを崩す可能性があります。
あとレンジボールは打たれる回数が非常に多い為、ボールによってはディンプルがすり減ってドロップするような弾道になることがあります。こう考えるとレンジボールを理想の弾道に近づければ近づける程、コースでは上手くいかないという可能性もゼロではないのです。
ちなみにこういった飛距離の差が出ることから練習場によっては、あえてヤード表示を実測より手前に置いていることもあります。このような練習場で距離感を養っているゴルファーはいざコースに行ったときに違和感を覚えるはずです。ここも非常に重要な注意点といえます。
以上のようにコースボールとレンジボールは全く違った特性があることを理解していただけたでしょうか?これらの違いを知ったうえで練習しないと、いつまでたっても練習場シングルのままで終わる可能性があります。練習場はあくまでも目安だと思って練習に励むことをお勧めします。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
最新の記事
pick up
ranking